【ポイント】
持続的な食料供給のためには、コストが合理的に価格に反映(転嫁)されることが必要です。このことについて私たち消費者も理解し、実践していく必要があります。

本年6月に改正・施行された食料・農業・農村基本法において、基本理念の最初に位置付けられた「食料安全保障の確保」とは「良質な食料が合理的な価格で安定的に供給され、・・・」と定義されています(第2条1項)。
また、合理的な価格については「農業者、事業者、消費者などの関係者により、食料の持続的な供給に要する合理的な費用が考慮されるようにしなければならない」(同5項)とされ、その理解の増進のための施策が必要とされています(第23条)。
「豆知識」欄でみたように、現在の農産物価格にはコスト上昇分が十分に反映(転嫁)されているとは言えません。
この背景には、日本が長くデフレ下にあり、賃金や消費者の購買力が低迷しているという一般的な情勢があります。一方で、農業生産の現場では、コストを賄えない多くの生産者が、高齢化もあって離農・廃業しつつあります。このような状況が続けば、持続的な食料生産(国内供給力、自給力)の確保の面から大きな懸念が生じかねません。
農林水産省は、現在、「適正な価格形成に関する協議会」を開催し、コストが考慮される仕組みの法制化に向けて検討を行っています。
生産者からは「コスト高騰に対する消費者の理解が進んでいない」といった声も出ています。私たち消費者は、日本における食料の持続的な供給のために何ができるかを考え、実践していくことが求められています。
[参考]
適正な価格形成に関する協議会(農林水産省HP)
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/kikaku/kakaku_keisei/imdex.html
出典:
F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
No. 301、2024年10月3日(木)[和暦 長月朔日]
https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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