2024年10月18日(金)。
職場至近の東京・日比谷公園ではホトトギスが今も満開、オオスカシバが来ていました。
何と、ソメイヨシノがちらほらと開花しています。
この日の昼食は、三陸・常磐ものネットワークのお弁当。
被災地等支援の趣旨で職場で共同購入しています。浜通り産コシヒカリ、ホタテフライ等の海苔弁当を美味しく頂きました。
もっとも「食べて応援」といった言葉は、消費者が上位にあるようで好きではありませんが。
10月19日(土)20時からは、おいしい未来をつくる読書会#4にオンライン参加。
課題本『食べものから学ぶ現代社会』の著者・平賀 緑さんも顔を出して下さいました。
ちなみにこの日、東京都心の最高気温は30.1℃と、観測史上最も遅い真夏日になったそうです。
翌20日(日)は一転、気温は下がるとの予報でしたが、昼間は陽射しが暖かく感じられます。
東京・品川の食肉市場まつりはすごい人出。ちなみにこの日も場内は撮影禁止。6階にあるお肉の情報館では、親子連れやカップルが人権関係等の展示に見入っていました。
会場で仙台牛か何かの昼食をとるつもりだったのですが、食堂もキッチンカーもすごい行列で断念。会場を出たところにあったお店で久しぶりに牛丼を頂きました(これはこれで美味)。ちなみに過去には並盛300円前後で食べられたと思うのですが、この日は498円でした。
東京大学に移動。キャンパス内にはおびただしい数の銀杏が落ちており、踏まずに歩くのに一苦労です。
この日、弥生講堂アネックスホールで開催されたのはふくしま再生の会の報告会。
賛助会員の私は14時開始予定の報告会に間に合うように行ったのですが、まだ総会が続いており、熱心な質疑応答が行われています。
補助いすも満席でしたが、総会終了後に前の方に移動して席を確保。
両サイドには機関誌(『再生短信』)、ART(ひょうたんボトルなど)や草花の写真が掲示されています。
20分ほど遅れて報告会が開会。
副題に「ふくしま再生の会の会員・村民の協働活動が13年余も続いている意味」とあります(以下、文責中田)。
冒頭、田尾陽一理事長から、
「原発事故により少子高齢化が最も進んでしまった飯舘村で、村民の方たちとの協働により、事故後13年余にわたり、自然環境とコミュニティのトータルな再生を目指して多彩な活動を継続してきた。コロナで中断していた報告会を、久しぶりに東京で開くことになった」等の開会挨拶。
続いて、中嶋康博さん(東京大学農学部長)、生源寺眞一さん(同元部長、前福島大学食農学類長)からの挨拶。「現場を訪ね体験するカリキュラムは学生たちの成長に貢献した」等の感謝の言葉も。
13年を振り返る映像(石川 哲さん撮影・編集)の上映に引き続き、溝口 勝さん(副理事長、東京大学大学院教授)から「13年の活動を踏まえ、今見えてきたこと」と題する基調講演が行われました。
原発事故直後に飯舘村を訪ねたとき、村内で偶然、田尾理事長と出会ったというエピソードに始まり、凍土の剥ぎ取りや伝統的な農具・田車を使った泥水の掻き出しが線量低下に有効だった試験結果の紹介、農業再生の取組みが純米酒「不死鳥の如く」の発売につながったことなどの報告。
ご自身の体重の推移のグラフには会場からも笑いも。増加し続けていた体重は飯舘村を訪ねるようになって減ったそうです。重いバッテリーを運んだりすることが、いい運動になったとのこと。
そして最後に「B&S(beautful & smart)Village構想=美賢村構想」を披露されました。
光専用線ケーブルなどスマート技術を活用した高齢者の見守り、農業用水の自動給水、サル追い払いロボット(実験中の映像には会場から爆笑)のほか、局所天気予報や河川水位モニタリング等を内容とするそうです。
続いて菅野宗男さん(再生の会副理事長(福島代表))が登壇され、飯舘村の現状と今後の課題についてご報告がありました。
「田尾さん、溝口さんなど様々の分野の専門家の方との協働による総合力が大いに力になっている。東電福島原発事故により飯舘村には全村避難指示が出されたが、自分も避難先から通いながら田尾さん達の様々な活動に参加し、実績を作って、1年後にNPOの設立につながった」
「事故前には6510人いた住民のうち、帰村しているのは1150人。移住者が250人いる。帰ってきてよかった、楽しい、安心と思ってもらえる環境づくりに今後も取り組んでいきたい。昨年は初めて地域で交流会も開催した。
復興の状況を若い人にも伝えていきたいと思い、見学や体験も積極的に受け入れている。多くの人に来ていただきたい」
「昨年5月、全村で避難指示が解除されたことで、ようやくスタートラインにつくことができたと感じている。まだまだ課題は多いが、決して暗い気持ちで日々を過ごしている訳ではない。先端技術なども活用しつつ、前向きに様々なトライをしていきたい」とのお話でした。
続いて健康医療ケア、里山再生、ワイン用ブドウ栽培、野草調査、放射能・放射線モニタリングなど、継続している活動の状況について分野ごとに報告。
予定の時間をかなり過ぎており、進行の田尾理事長は簡潔に報告をと求めたものの、ついつい報告時間は長くなってしまいます。
田尾理事長の「いずれも、この指とまれで自主的に活動している内容。活動されている方たちのエネルギーを感じとってほしい」との言葉が、再生の会の活動が13年余も継続している理由を示しているようでした。
飯舘村には、コロナ禍でしばらく中断していた研修ツアーで11月に伺う予定になっています。現地の方と現地で再会できるのが、今から楽しみです。
(ご参考)
ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」
https://food-mileage.jp/
メルマガ「F.M.Letter-フード・マイレージ資料室通信」(月2回、無料)
https://www.mag2.com/m/0001579997