【ポイント】
大都市圏への一極集中が進む中、中山間地域等においては過疎化、高齢化が進行しており、その不均衡はさらに拡大することが懸念されます。

東京都など大都市圏への過度の人口・経済の一極集中が進む中で、中山間地域等においては人口・世帯数が減少するとともに、高齢化が進行しています。
リンク先の図302は、国勢調査の市町村別の数値を農業地域類型別に組替え集計した結果です。
https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2024/10/302_kaso.pdf
これによると、2015年から20年にかけての5年間で全国の人口は0.7%減少しましたが、これを農業地域類型別にみると、都市的地域のみは0.4%増加しているものの、平地農業地域では4.5%、中間農業地域では5.6%、山間農業地域では8.6%と大きく減少しています。山間農業地域でも特に平坦地が少ないと思われる「畑地型」(水田率30%未満)の市町村においては、9.3%と特に大きく減少しています。
世帯数の増減率をみても、山間農業地域では3.6%(特に畑地型では4.7%)と大きく減少しています。
また、2020年における人口に占める65歳以上の者の割合は、全国平均の29%に対して山間農業地域では40.3%となっています。また、世帯数に占める65歳以上の単独世帯の割合は全国平均の12.1%に対して山間農業地域では17.7%(特に畑地型では18.9%)と高く、今後、さらに人口や世帯数が減少することが予想されます。
一方、15歳以上の就業者数に占める農林漁業就業者の割合をみると、中山間地域では農林漁業のウェイトが相対的に高いことが伺えます。
経済社会の工業化・サービス化が過度に「発展」し、東京圏等への過度の一極集中が進んだことにより、現在の日本の国のすがたはバランスを欠いた歪(いびつ)なものとなっています。そして、その不均衡はさらに拡大することが懸念されます。
[データの出典]
資料:総務省「国勢調査」(都道府県・市区町村別の主な結果)及び農林水産省「農業地域類型」から作成。
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200521&tstat=000001049104&cycle=0&tclass1=000001049105&tclass2val=0
https://www.maff.go.jp/j/tokei/chiiki_ruikei/setsumei.html
出典:
F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
No.302、2024年10月16日(木)[和暦 長月十五日]
https://www.mag2.com/m/0001579997.html
(↑ 配信登録(無料)はこちらから)
(↓ 「豆知識」のバックナンバーはこちら)
https://food-mileage.jp/category/mame/
(↓ メルマガ全体のバックナンバーはこちら)
https://food-mileage.jp/category/mm/