【ポイント】
雑穀の里・西原に伝承されてきた技や知恵や食文化を、これからも受け継いでいくことが必要です。
山梨・上野原市の山間部にある西原(さいはら)地区は、雑穀の里として知られています。耕地面積は狭く傾斜地が多いなど、条件が不利な地域です。
このようななか、西原では雑穀を主食のひとつとするなど自給的な暮らしが営まれ、多くの手仕事の技や知恵、食文化が伝承されてきました。しかし、流通経済の発達と食生活の変化により、現在では西原でも雑穀を栽培しているのは数軒のみとなっており、さらに近年は鳥獣害の被害も深刻なものになっています。
中川 智(さとし)さんは、弟さんとともに西原における雑穀栽培を中心的に担ってこられた方です。10種類以上の雑穀を栽培し、先祖から受け継いだ種を守り続けている様子は、多くのテレビ番組やドキュメンタリ映画にも取り上げられました。
その中川智さんが、去る9月23日(月)に87歳で逝去されました。
中川さんを慕って10年ほど前に西原に移住・就農し、地域外のメンバーも応援団として巻き込んで西原の雑穀文化を次世代につないでいく活動をしている冨澤太郎さんは、告別式において、「いつまでも悲しんではいられません。智さんは私たちに貴重な種を残してくれたからです。『種はまかないと絶えてしまう』という言葉を胸に、智さんのもとに集う仲間と、智さんに気持ちを寄せる人たちが一丸となって、受け継いでいきます」と誓いを述べられました。
[参考]
「お山の雑穀応援団」
https://yamahatafarm.com/zakkoku/
なお、西原の雑穀は地元の交流施設・びりゅう館でも扱っています。
http://biryukan.com/
https://biryukan.stores.jp/(オンラインストア)
出典:
F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
No.302、2024年10月16日(木)[和暦 長月十五日]
https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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