少し前になりますが、11月11日(月)は東京・あきるの市へ。
JR武蔵五日市駅前に10月4日(金)にグランドオープンしたセレクトショップ「五縁堂」を、ようやく訪ねてきました。とにかく、オーナーの石川敏之さんのこだわり、オススメの品ばかり。
この日はワイン、クラフトビール、ナツハゼのジャム、農家のお嬢さん手作りのクッキーなどを求めさせて頂きました。
ちなみにお店のすぐ裏手は、秋川の清流です。
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翌12日(火)は東京都美術館へ。「田中一村展-奄美の光 魂の絵画」はすごい人で、入る前から行列です。昨年9月、鹿児島・奄美で観覧できた様々の絵画に再開できました。
11月23日(土)は東京・亀有でドキュメンタリ『原発をとめた裁判長-そして原発をとめる農家たち』(2022年9月公開)を鑑賞。今月初めに見学させて頂いた二本松営農ソーラーの取組みも描かれています。
地元の市民団体の主催で、スタッフは(概ね参加者も)高齢の方ばかりで、地道に活動を続けておられることには頭は下がりますが・・・。
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さて、自宅近くに一画を借りている市民農園では、ダイコン、品川カブ、春菊などが成長中。時々間引きしたものを美味しく頂いています。
福島のコットンは今年は不作。いくつかコットンボールはできているものの、収穫には至っていません。昨年の冬シーズンは大豊作だった菌ちゃん農法の畑も、今年の夏野菜に続いて生育は今イチです。
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2024年11月26日(火)の夕刻は、東京・竹橋のちよだプラットフォームスクウェアへ。以前はセミナー等でしばしば来ていましたが、久しぶりです。
17時30分から1階にある「〜結ぶ食房〜しまゆし」で開催されたのは、NPO CSまちデザイン主催の「福島を丸ごと食べる Part2 ~「復興」を超えて進む地域農業のいま~」と題するイベント。参加者は30名ほどです。
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近藤惠津子理事長による開会挨拶と、ゲストの菅野正寿さんの紹介(福島・二本松市東和、農業、農家民宿経営)。
理事の行友 弥さんからは飯舘村や東和の特産品(じゅうねん、ワイン、ビール等)の紹介も。行友さんは本年9月に福島・飯舘村に移住された方で、月初めのツアーでもお世話になりました。(帰り際、ワインを求めさせて頂きました。)
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前半は、菅野さんによる講演がマイクを取られました(文責・中田)。
「今朝はこの冬一番の冷え込みだったが、10月には最高気温が30℃近い日があったたなど四季のリズムが崩れている。特に大豆は不作、平年の半分以下で、自家用の味噌の豆も足らないような状況。カメムシも北上し被害が拡大している。まさに気候危機を実感している」
配って下さった自作の詩について、紹介して下さいました。
「『田んぼのとんぼ』について。ある年イネミズゾウムシが大量発生し、プリンス粒剤(ネオニコ系)がいいと言われて撒いたところ、トンボがいなくなった。田んぼ、農業はたくさんの生き物を育んでいることを改めて知った。トンボやカエルがいなくなるような農業はダメ。これらを丸ごと消費者に伝えていくことが必要と思って有機農業に勤しんできた。
そして2011年3月、東電福島原発事故が起こった」
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「『土の力 稲の力』について。
2011年の夏頃から、大学の先生方が調査に来てくれた。研究が目的ではなく、住民、農業再生のための調査で、農家も必死だった。調査の結果、耕したいい土ほどカリウムを吸着・固定化し、作物には移行しないという画期的なデータで明らかになった。土の力、作物の力はすごいと実感した。
先人たちは種を守り、農地を守り、豊かな食生活を実現してきた。負けるわけにはいかないと思った」
「『阿武隈の詩』について。豊かな自然に恵まれている地域だが、現在も山菜や露地きのこは出荷が制限されている。山の汚染は深刻。
自然の豊かさ、旬の大切さを伝えていくことが重要。『風味』という言葉がある。稲も自然の風で乾燥させることで美味しくなる。ところが近年、高温多湿によってはさ掛けしたままで稲が発芽してしまうことも。
「ちなみに『案山子』は、元々は山の神様を案内する子どものこと。
原発事故を経験して、子どもたちに文化を伝えていくことの重要性を改めて痛感している。東京の消費者や子ども達にも、ぜひ現場に足を運び、土に触れて頂きたい。耕す喜びを知ってもらいたい。消費者と一緒に、食を守っていきたい」
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後半は、食事と懇談の時間。
菅野さんなどが生産された東和の野菜を、たっぷりと出して下さいました。
牛肉は飯舘村の「肉のユートピア」のもの。オーナーの山田 豊さんは1982年生まれ。大学卒業後家業の畜産を継いだもの、原発事故(飯舘村は全村避難)のため京都に避難。この間、精肉店で修業し、2017年に飯舘村に帰還して畜産と精肉店を営んでおられる方です。
お鍋で美味しく頂きました。
飯舘村のじゅうねん(エゴマ)や、菅野さん手作りの漬物も頂くことができました。ご馳走様でした。
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食事を頂きながら、参加者一人ひとりから自己紹介。ジャーナリズム関係や有機農業関連の方など。いずれ福島に関心のある方ばかりです。
東京・練馬の白石好孝さん(CSまちデザイン理事、白石農園)からは、菅野さんへのエールも。なお、白石農園の野菜も天候不順で、CSまちデザイン予定していた体験会も中止となったそうです。
東京の真ん中で、福島の美味しいものをたらふく頂くことができました。
二本松東和や飯舘村から吹いてきた風を、かすかに感じたような気がしました。
微風(ビーフ)だけに。
(ご参考)
ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」
https://food-mileage.jp/
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https://www.mag2.com/m/0001579997