【ポイント】
原発事故で一時は農業をあきらめた近藤 恵さんは「怒りではなく感謝と喜びの汗をかきたい。私たちの新しいスタイルの農場を見て、未来の地図を想像してほしい」と語っておられます。
二本松営農ソーラー株式会社は、2019年、市民電力(ゴチカン)、生協(みやぎ生活協同組合・コープふくしま)、NPO環境エネルギー政策研究所(ISEP)の3者により設立され、2021年3月に竣工しました。現在、約6500枚のモジュールにより約600世帯分の発電を行っている日本最大級の営農型発電(ソーラーシェアリング)施設です。
農業生産を担当しているのが農地所有適格法人(株)Sunshineです。耕作放棄されていた6haの農地(元水田)を再生し、ブドウ、エゴマ、小麦、大豆等の生産を行っています。食用油やビールへの加工、牛(ジャージー種)の放牧も行っています。
現地を見学させて頂いたのは本年11月2日(土)のこと。
生憎の強い雨でしたが、近藤 恵(こんどう・けい)代表が丁寧に案内して下さいました。
代表によると、農業者自らがエネルギーを生み出す営農型発電は世界的に注目されているものの、日本では電力サイド主導によるものが多く、なかには農業生産はアリバイに過ぎないような事例もあり、行政も推進ではなく規制強化に注力している状況は残念とのこと。
なお、ブドウについては、今年は全国的に高温のために色づきが悪かったそうですがここでは適度に遮光されたため高温障害は回避されたそうです。
1979年、東京・あきる野市のサラリーマン家庭に生まれた近藤代表は、2006年に二本松市で就農し有機農業を営んでいましたが、東電福島第一原発事故により廃業を余儀なくされました。その後、発電と融合した新しい「二毛作」の農業の展開により、日本の食料とエネルギー自給率の向上に挑戦しておられるのです。
この日、配って下さった冊子『Sunshineの地図』には、「怒りではなく感謝と喜びの汗をかきたい。私たちの新しいスタイルの農場を見て、未来の地図を想像してみてください」との近藤代表の言葉が記されています。
[参考]
二本松営農ソーラー & Sunshine
https://re100sunshine.jp/
見学させて頂いた際の様子(拙ブログ)
https://food-mileage.jp/2024/11/05/blog-545/
出典:
F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
No.305、2024年12月1日(日)[和暦 霜月朔日]
https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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