【メルマガ】F.M.Letter No.307-pray for peace.

◇フード・マイレージ資料室 通信 No.307◇
  2024年12月31日(火)[和暦 師走朔日]
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◆ F.M.豆知識  2024年の振り返り
◆ O.カレント   同上
◆ ほんのさわり  同上
◆ 情報ひろば  ブログ更新、イベント情報等
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 元日の能登半島地震から始まった2024年最後の配信は、恒例の本年の振り返りです。本年はNo.283から307号(今号)まで25本を配信させて頂きました。1年間、読んで下さり有難うございました。
 特に9月には節目の300号配信に合わせて「お礼の会」が開催できたことは、個人的に得難い喜びでした。思いがけず朝日新聞にも取り上げて頂きました(11月19日付け)。お世話になった方々に改めてお礼を申し上げます。
(「お礼の会」の模様)
 https://food-mileage.jp/2024/09/25/blog-535/

 今号は、年末恒例の「振り返り(インデックス)」です。
 本メルマガは、時の流れを体感するため、和暦の朔日(新月)と十五日(ほぼ満月の日)にコツコツと配信しています。

◆ F.M.豆知識
 食や農に関連して、私たち消費者にちょっと役に立つ、あるいは考えるヒントになるデータ等をコツコツと紹介しました。
 個々の記事は以下に配信日順に掲載してありますので、関心のある項目があればご覧頂ければ幸いです。
 https://food-mileage.jp/category/mame/

-2024年の振り返り-

本年最初の配信では、能登では農業生産条件には恵まれてないながら多彩な農業が展開されており、日本初の世界農業遺産にも認定されていることを紹介しました[No.283]。
 東日本大震災・東電福島第一原発事故の関連では、原発被災者等からの相談内容が多様化・複雑化・深刻化している状況[No.288]、営農再開の状況は避難指示解除の時期等による差が大きいこと[No.304]、一方、営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)が増加傾向で推移していること[No.305]を紹介しました。

 日本の農林水産業や食料自給率については、日本の農林水産業総生産が諸外国と異なり一貫して減少している様子[No.300]、食料自給率が横ばいで推移しているのは人口の高齢化・減少により必要熱量が減少しているためであり、国内農業の縮小は続いていること[No.287]、食料自給率の目標が一度も達成されたことがない原因は想定以上に米の消費量が減少したこと[No.298]を紹介しました。

 資材価格の高騰が農産物価格に十分には反映(転嫁)されておらず[No.301]、米が「高騰」しても生産コストを賄えていない状況が続いていること[No.296]を紹介しました。
 また、小規模層では「田んぼの見回り」等に多くの時間が費やされるなど丁寧な稲作が行われているデータ[No.292]、新潟県では昨年と同様、猛暑が続いていること[No.297]も紹介しました(幸い昨年のような大不作にはなりませんでした)。

 都市・農村問題の関連では、一極集中により国土の不均衡はさらに拡大する可能性があること[No.302]、消滅集落跡地では森林や農地の半分以上が「放置」されている現状[No.290]、「消滅可能性自治体」は中山間地域に多いこと[No.291]、とはいえ全国的にみて多くの集落がどんどん消滅するような状況ではないこと[No.303]を紹介しました。
 一方、大都市の居住者は農村の役割は評価しつつも積極的に協力しようとする意識は低いこと[No.289]、大都市圏では市民農園の面積の割合が大きいこと[No.285]も紹介しました。

 全国平均で過去最低を更新した合計特殊出生率については、都市化が進んでいる都道府県ほど低く[No.294]、農林漁業のウェイトが大きい市区町村は高い[No.295]というデータを紹介しました。

 食料消費の関係では、消費者はますます節約志向を強めており有機食品についても健康等の「利己的な」動機で購入している状況[No.293]、加工・調理食品が増加している背景には供給側の企業活動があるとされていること[No.286]、共食には様々なメリットがあること[No.299]を紹介しました。
 また、肉類は栄養面・農業生産面においてますます重要となっている一方、野菜等に比べて産地や生産者・事業者のことを想像することが難しいこと[No.284]も紹介しました。

 さらに「食」と並んで重要な「衣」の関係では、手放された衣服の65%がごみとして廃棄されているというデータを紹介しました[No.306]。

◆オーシャン・カレント-潮目を変える-
 食や農の分野で先進的かつユニークな活動に取り組んでおられる方や、食や農に関わるトピックスを紹介しました。
 個々の記事は以下に配信日順に掲載してありますので、関心のある項目があればご覧頂ければ幸いです
 https://food-mileage.jp/category/pr/

-2024年の振り返り-

年初の号[No.283]では「能登はやさしや土までも」という言葉を紹介しました。また、「稲は人の足音を聞いて育つ」[No.292]、「同じ釜の飯を食う」[No.299]という言葉も紹介しました。
 被災地関連では「廃炉」の完了時期についてはますます不透明感が増している[No.288]なか、図図倉庫(ずっとそうこ、福島・飯舘村)[No.304]、二本松営農ソーラー(福島・二本松市)[No.305]という新しい取組みを紹介させて頂きました。

 2023年度の食料自給率[No.298]、米在庫量が過去最低水準にあること[No.297]、ご飯一杯の値段[No.296]を紹介するとともに、「合理的な価格」について考察しました[No.301]。
 また、お肉の情報館(東京・港区芝浦)[No.284]も紹介しました。

 農業政策をめぐっては、食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案[No.287]、同法に規定された消費者の役割[No.293]、開始された次期基本計画についての議論[No.300]を紹介しました。

 都市・農村の関係では、都市アリ地獄説[No.294]、消滅可能性1位とされた群馬・南牧村訪問記[No.291]、RMO(地域運営組織)[No.303]、つなぐ棚田遺産[No.289] 、地元である東京・東村山市の市民農園[No.285]を紹介しました。
 また、沖縄県の高い出生率が必ずしも手放しで喜べるものではないことも紹介しました[No.295]。

 地域で活躍されている寺崎 彰さん(ECO九州ツーリスト)[No.290]、峯岸祐高さん((株)Corot代表、埼玉・所沢市)[No.286]も紹介させて頂きました。

 残念ながら今年も大切な方を喪いました。
 中川 智さんは、山梨・上野原市西原で雑穀の生産・継承等に取り組んで来られた方[No.302]。吉田恵美子さんは、福島・いわき市で古着のリサイクルやオーガニックコットンの栽培・製品化に尽力された方です[No.306]。お二方からは本当に多くの学び頂きました。改めて心から感謝しつつ、ご冥福をお祈りします。

◆ ほんのさわり
 食や農の分野を中心に、考えるヒントとなる本を紹介しました。
 個々の記事は以下に配信日順に掲載してありますので、関心のある項目があればご覧頂ければ幸いです。
 https://food-mileage.jp/category/br/

-2024年の振り返り-(敬称略)

年初の号[No.283]では写真集『いつもののと』を紹介。
 原発関連では、青木美希『なぜ日本は原発を止められないのか?』[No.288]、吉田千亜『孤塁』[No.304]、小原浩靖監督の映画『原発をとめた裁判長』[No.305]を、戦争関連では寮 美千子(文)『ぼくが子どものころ戦争があった』[No.297]、太田昌秀『決定版・写真記録 沖縄線』[No.295]を紹介しました。

 農業・農政全般については、小倉武一『誰がための食料生産か』[No.300]、蔦谷栄一『生産消費者が農をひらく』[No.287]、末松広行『日本の食料安全保障』[No.298]、 山下一仁『日本が飢える!』[No.296]、平賀 緑『食べものから学ぶ現代社会』[No.286]を紹介させて頂きました。
 また、金子美登・友子『有機農業ひとすじに』[No.301]、宇根 豊『農はいのちをつなぐ』[No.292]、吉田俊道『図解でよくわかる 菌ちゃん農法』[No.285]も紹介させて頂きました。

 都市・農村関連では、速水 融『歴史人口学で見た日本-増補版』[No.291]、宮本常一『忘れられた日本人』[No.302]、小田切徳美『にぎやかな過疎をつくる』[No.303]、岩井吉彌『山村に住む、ある森林学者が考えたこと』[No.290]、河合雅雄『子どもと自然』[No.294]、真田純子『風景をつくるごはん』[No.289]を紹介しました。

 「食」の関係では、山脇史子『芝浦屠場千夜一夜』[No.284]、高瀬隼子『おいしいごはんが食べられますように』[No.299]、アリス・ウォータース『スローフード宣言』[No.293]を紹介しました。
 故・吉田恵美子さんの『想いはこうして紡がれる』[No.306]、農水省の同期である吉井たくみ氏の『鷹のつらきびしく老いて』[No.285]紹介させて頂きました。

◆ 情報ひろば
 拙ウェブサイトやブログの更新情報、食や農に関わる各種イベントの開催情報等をお届けします。

▼ 拙ブログ「新・伏臥慢録」更新情報
〇 2024年も押し詰まってきました。[12/13]
 https://food-mileage.jp/2024/12/23/blog-552/

▼ 筆者が関心のあるイベント等を勝手に紹介します。
 参加等を希望される際には、必ず事前に主催者にお問い合せ下さい。

〇 今夜はご機嫌 銀座で農業
 日時:1月7日(火)18:30~19:50
 場所:中央区環境情報センター(東京・京橋)
 主催:今夜はご機嫌 銀座で農業
 (詳細、問合せ等↓)
 https://www.facebook.com/events/1119886689706874/

〇 第111回ブッククラブ 泉鏡花『外科室』
 日時:1月13日(月)19:00~21:00
 場所:オンライン
 主催:奥沢ブッククラブ
 (詳細、問合せ等↓)
 https://www.facebook.com/events/1659844554563235/

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*米令寺忽々のコツコツ小咄。
「ヒヨドリも大好物なんだよね」
「そこが難点(南天)ね」
 毎年、正月には丸裸にされてしまう庭の南天、今年は寒冷紗で覆ってみました。来年こそは難を転じて、世界ぜんたい平穏な一年になりますよう。
 過去のアーカイブは以下に掲載しています。
 https://food-mileage.jp/category/iki/

* 次号No.308は明年1月14日(火)[和暦 師走十五日]に配信予定です。
 正確でより役に立つ情報発信に努めてまいりますので、読者の皆さまのご意見、ご要望をお聞かせ頂ければ幸いです(このメールに返信頂ければ筆者に届きます)。

* 和暦については、高月美樹さん『和暦日々是好日』を参考にさせて頂いています。いつもありがとうございます。
 https://www.lunaworks.jp/

* 本メルマガは個人の立場で配信しており、意見や考え方は筆者の個人的なもので、全ての文責は中田個人にあります。
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◆ F.M.Letter -フード・マイレージ資料室 通信-【ID;0001579997】 
 発行者:中田哲也
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 ブログ「新・伏臥慢録~フード・マイレージ資料室から~」
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