2月13日(木)の東京地方は、冬晴れながら凄まじいほどの強風。地平近くは土埃でかすんでいます。各所では火事、停電や足場崩れ等の事故も。
この日は一日、休暇を頂き、愛媛県と東京メトロの連携企画「『坂の上の雲』ゆかりの地スタンプラリー」に参加することに。
まず、丸の内線新宿駅でスタンプ台紙と路線図をもらい、1日乗車券を購入(600円)。四谷で南北線に乗り換え市ヶ谷駅で下車して最初のスタンプをゲット。
明治十三(1880)年に上京した秋山好古は、この地に近い旧旗本・佐久間正節宅に2年間ほど下宿し、後に正節の長女を妻に迎えています(NHKドラマでは松たか子が演じていました)。
地上に出て屋敷跡を目指して外堀通りを歩いていると、「助太刀書店~もしもこんなところに書店があったら~」と書かれた看板がありました。久しぶりにDNP(大日本印刷)プラザに立ち寄ることに。2018年に一度、元DNP職員でその後、山梨県に移住・就農した友人の野菜直売会に来て以来です。
右手の展示スペースには、北海道の温泉旅館とコラボした書店等の展示。街から本屋さんがどんどん無くなっている中、なかなか興味深い取組みと感じました。
さて、目当ての佐久間屋敷があった辺りはビル街に変貌しており、説明板等も設置されていませんでした。

再び南北線へ。
うっかり改札でパスモをタッチ、駅事務所で申し出ると若い男性職員さんが親切に記録を訂正して下さいました。パスモはポケットから出してバッグのなかへ。
駅事務所の隣には発掘された江戸城の石垣が復元され、パネル等も展示されています。
後楽園で下車し2つ目のスタンプをゲット。
目指すポイントは常磐会(旧松山藩主・久松家が創設した寄宿舎)の跡で、正岡子規も寄宿していたことがあります。
ところが間違えて、春日通を反対方向へ。
坂を登る途中に「東京都戦没者霊苑」がありました。
さきの大戦における16万余の戦没者の慰霊のために1960年6月に建立された施設だそうです。不明なことながら、このような施設があること自体、全く知りませんでした。

角田房子による由来文には「戦没者の御霊にお願い申上げる。お声を風に托して、戦争の実態を私たちに語り聞かせていただきたい」とあります。
遺品展示室には、戦地から回収された鉄兜や水筒、遺書・手紙、千人針など。圧倒されます。
時には道を間違えてみるものです。
春日通を取って返します。すごい交通量の道路脇の梅の木にはメジロの姿。
真砂坂上交差点を左折し、ふるさと歴史館はいったんスルー、その隣では広壮な古民家が解体作業中です。後日、調べてみると秩父セメント創業者・諸井恒平氏の邸でした。
さらに進むと道が縦に二つに割れ、右は急な下り坂(炭団坂(たどんざか))になっており、狭くなった左側の道端に説明板が設置されていました。
常磐会の寄宿舎は坪内逍遥が移転した後に置かれたそうで、正岡子規は明治二十一(1888)年から3年余りを過ごしたとのこと。
説明板には「ガラス戸の外面に夜の森見えて清けき月に鳴くほととぎす」との句が紹介されていました。

せっかくなので、いったん通り過ぎた文京ふるさと歴史館を見学することに。
2階は江戸時代の町屋と暮らし(駒込のやっちゃばのジオラマ等はなかなか見事です)、文人たちのまち・文京等の展示。疎開した児童たちが作ったという花札は、果物が絵柄になっています。
1階には竪穴式住居や弥生式土器が展示され、映像資料もあります。
陽が傾くなか、丸の内線・本郷三丁目駅に向かいます。
角のビルの壁には「本郷も かねやすまでは 江戸のうち」との看板。いったん閉店していたそうですが、現在は菓子屋として賑わっていました。

大手町で半蔵門線に乗り換えて神保町駅で下車し、3つ目のスタンプをゲット。
明治十七(1884)年、東京大学予備門に入学した秋山真之と正岡子規は、一時、ここからほど近い猿楽町の板垣善五郎方に下宿(同居)していたそうです。
暗くなってきたので現地訪問はあきらめ(説明板等もないようです)、再び半蔵門線に乗って青山一丁目で銀座線に乗り換え、新橋駅に到着した時は17時を回っていました。
ここで4つ目のスタンプ、ミッション達成です。
子規らが東京での最初の一歩を踏み出した新橋停車場は外観が復元され、資料館もあるそうですが、すでに閉館時間を過ぎておりまたの機会に。
駅近くの香川・愛媛のアンテナショップ「せとうち旬彩館」で、愛媛県のキャラクター・みきゃんの飴とワンカップなどを購入。4つのスタンプを押した台紙を見せると記念の「達成賞」を頂戴しました。みきゃん×メトポンのオリジナル缶バッジと、地下鉄各線のイラスト入りのウェットティッシュです。
この後は銀座線で京橋に向かい、(喉を湿してから)18時30分から開催された「今夜もご機嫌」2月の会に参加しました(別携)。

『坂の上の雲』は1968~72年に産経新聞に連載され、私も社会人になったばかりの頃に読んで大いに感銘を受けた司馬遼太郎の人気小説です。
しかし司馬は、生前、「軍国主義を鼓舞しているように誤解される恐れがある」と映像化を許可しなかったそうでが、1996年に司馬が死去した後、2009~11年にかけてNHKによりドラマ化され放映されました。
スケールの大きなドラマで私は非常に楽しめましたが(子規の妹・律さん役の菅野美穂の演技が出色でした)、このドラマについては、2012年以降の第二次安倍内閣による「右傾化」政策との関連を指摘するなど、批判的な論調もあったことが思い出されす。
トランプ政権に代わり、ガザでは何とか停戦が継続しており、ウクライナについても停戦に向けての交渉が始まったようです。暫定的な国境線をどこに引くかなど難しい問題は山積していますが、まずは、これ以上の犠牲者が出ないようになることを心より祈念します。
(ご参考)
ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」
https://food-mileage.jp/
メルマガ「F.M.Letter-フード・マイレージ資料室通信」
https://www.mag2.com/m/0001579997