【ほんのさわり】古沢広祐『今さらだけど「人新生」って?』

-古沢広祐『今さらだけど「人新生」って?-知っておくべき地球史とヒトの大転換点』(2024.3、WAVE出版)-
 https://www.wave-publishers.co.jp/books/9784866214306/

【ポイント】
 著者は、人間自らが引き起こした自滅の危機を免れるためには、世界全体の地球市民的な連帯と、グローバル資本主義の変革が不可欠としています。

著者は1950年東京生まれの國學院大學客員教授、農学博士。… 続きを読む

【豆知識】最初に飢えるのは都市住民?

【ポイント】
 東京都を始めとする都市部の食料自給率は極めて低い水準にあり、仮に緊急事態が生じた場合の食料供給のリスクは大きなものとなっています。

3月30日(日)には所得低迷に苦しむ全国の農業者が立ち上がり、「令和の百姓一揆」のトラクター行進が行われる予定です(イベント情報欄参照)。しかし農業問題は、私自身を含む都市住民(消費者)の問題にほかなりません。

まず、食料自給率が長期的に低下傾向で推移してきた原因は、食料消費(消費者の食の選択)の激変にあります。国内で自給可能な米の消費は1960年度に比べて6割減少した一方、飼料や原料を輸入に頼る畜産物や油脂の消費量は3~4倍へと急増したこと(食の洋風化)が、食料自給率を低下させてきました。
 現在の食料自給率はカロリーベースで38%、生産額ベースで58%と、諸外国と比べて低い水準にありますが、これを都道府県別にみたものがリンク先の図312です。… 続きを読む

【ほんのさわり】赤坂憲雄『東北学/忘れられた東北』

-赤坂憲雄『東北学/忘れられた東北』(2023年6月、岩波現代文庫)
 https://www.iwanami.co.jp/book/b626374.html

【ポイント】
 著者は濃密な東北の「野辺歩き」を通じて、「単一の瑞穂の国」ではない「いくつもの日本」を発見しました。

著者は1953年東京生まれの民俗学者で、東日本大震災と東電福島第一原発の事故が起こった当時は福島県立博物館長を務められていました。… 続きを読む

【豆知識】原発事故等による避難者数の現状

【ポイント】
 現在も福島県から少なくとも約2万6千人が県内外に避難しており、1年半前からほとんど減少していません。

一昨年11月に配信したNo.280では2023年5月時点の数値を紹介しましたが、今号ではそれから1年半後(2024年11月)の状況を紹介します。
 まず、避難指示が出された区域の面積については、2011年4月時点では福島県の面積の12%を占めていたのが現在は2.2%(約300平方km)にまで縮小していますが、1年半前から変化はなく、現在も東京都23区の面積の半分に相当する国土が喪われたままになっています(ちなみに尖閣諸島と竹島を合計した面積と比べると約50倍になります)。

次に、避難者数の推移を示したものがリンク先の図311です。… 続きを読む

【ブログ】第6回 東雲会(於 千葉大学松戸キャンパス)

2025年3月22日(土)は、ぽかぽか陽気。花粉の飛散量も多し。
 久しぶりに千葉大学松戸キャンパスへ。昨年の東雲会以来です。桜の下にはご近所の家族連れの姿なども。

この日、13時30分から千葉大学園芸学部100周年記念戸定ヶ丘ホールで開催されたのは、第6回東雲会。千葉大学園芸学部の卒業生等による勉強会です。… 続きを読む

【寄稿】農業問題は都市住民の問題(日刊アグリ・リサーチ、2025.3/24)

2025年3月24日付の『日刊アグリ・リサーチ』(農業情報調査会発行)に、コラムを掲載して頂きました。
 なぜ農業問題は都市住民(消費者)の問題なのか、詳しくは、当日、個人で配布する予定の以下のフライヤーをご覧ください。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2025/03/250308_nakata2.pdf続きを読む

【ブログ】複合災害の被災地から、希望の芽を育む女性たち(鈴木純子さんトークイベント)

2025年3月17日(月)の夕刻は、東京・日本橋へ。昼間は暖かな陽射しがあったものの、夕方になって風が冷たくなりました。
 現代的なCOREDO室町テラスの2階にあるのが誠品生活日本橋。このような場所に、こんなに広くて充実した書店があるとは。初めて来ました。

この日19時から開催されたのは「… 続きを読む

【ブログ】ぶらり街なか散歩(東京・新宿区落合)

2025年3月13日(水)。
 来る3月30日(日)の「令和の百姓一揆」のトラクター行進の際に、個人的に配布する予定のフライヤーが印刷会社から出来上がってきました。なかなかの出来です(自画自賛)。
 なぜ農業問題が都市住民(消費者)の問題なのかを、多くの方に理解して頂ければいいのですが。… 続きを読む

【ブログ】ヨーロッパの「脱成長」と「百姓一揆」

2025年も桃の節句がめぐってきました。この国では季節は過ぎていきます。
 ウクライナの作家、アンドレイ・クルコフの『灰色の蜜蜂』を読みました。2017年、政府軍と親ロシア分離派との戦火の下にあるドンバス地方で蜂を飼う主人公は、夏、採蜜のためにロシア支配下にあるクリミア地方を訪れます。2022年のロシアの本格侵攻以前の物語ですが、戦争のリアルを感じることができたような気がしました。

そして間もなく、14回目の311。… 続きを読む

【ブログ】都市住民は“食べ手”にも”作り手“にもなれる!

2025年2月27日(木)は休暇を頂き、東京・世田谷へ。小田急経堂駅の改札脇には「駅ナカ絵本交換スペース」があります。
 不要になった本を持って行くと、代わりに1冊を持ち帰れるとのこと。ちなみに向かい側にはなかなか充実した図書館もあります。

この日10時30分から開催されたのは、NPO法人コミュニティスクール(CS)まちデザイン主催の「食と農の未来を考える連続講座」の2回目、「… 続きを読む