【ブログ】14年目の3.11は「学生が生産者を応援する会」第3弾

2025年3月11日(火)。
 14年目の「3.11」が巡ってきました。14時46分にはラジオもレギュラー番組を中断して1分間の黙とう。

夕方、神田に行くのに併せて、久しぶりに日本橋ふくしま館 MIDETTE(ミデッテ)へ。福島県の首都圏における情報発信拠点/アンテナショップです。途中、ビルの谷間には見事な河津桜の並木が。
 MIDETTEでは買い物と、日本酒3種飲み比べ。

47都道府県レストラン-箕と環」へ。
 入り口には、4月25日(金)を最終営業日に千葉・西葛西に移転するとの貼り紙。市民農園での野菜(食材)作りも始められるそうで、川野元基オーナーシェフの新たな展開に期待です。

この日19時から開催されたのは、「学生が生産者を応援する会」の第3弾。私は昨年8月(「Farmer’s Village NOTO」の会)以来の2回目の参加です。

主催者の菊池八穂子先生(名古屋学院大学 こどもスポーツ教育学科)から開会挨拶と、ゲストの吉野隆子さん(オアシス21 オーガニックファーマーズ朝市村、名古屋市)の紹介。

 続いて川野オーナーシェフから、
 「いい食材ばかりなので今日の料理はあまり手を加えていない。素材の美味しさを楽しんでほしい」と、本日の献立を紹介して下さいました。テーブルには朝市村のカードとともに献立表を配って下さっています。

まずはゼミの学生さんからのプレゼン。
 自己紹介、菊池ゼミで福島や能登の産地を巡って貴重な経験をしたことに続き、朝市村の概要の紹介も。

右はオアシス21 オーガニックファーマーズ朝市村のFBページより。

吉野隆子さんによるプレゼンが始まりました(文責・中田)。
 なお、私は朝市村には2017年6月に訪問させて頂き、その賑わいに驚いた経験があります。

「名古屋市の中心部にある公共/商業施設『オアシス21』で、朝の賑わいを作る目的もあって2004年10月に朝市村を開村。昨年、20周年を迎えた。屋根があるので雨の日でも開催できる。最初の頃は隔週開催だったが現在は毎週開催。お客様はオーガニック野菜を日常的に食卓に並べることが可能になった」

「出店者は、全員が有機農業で新規就農した農家。旬産旬消にもこだわり、基本的に加温栽培したものは出さない。おいしい野菜を栽培することを大事にしている方ばかりで、生産者本人がお客さんに対面で交流できる」
 「出店者のほとんどは農家出身ではない。出店料だけで運営しているが、新規就農者を支援するために低く抑えている」

「生産者同士はライバルであると同時に大切な仲間。この朝市にともに出店することで、様々な交流や意見交換ができ、成長できる。消費者ボランティアも運営に携わってくれている」

「農家は高齢化が進んでおり、若い人を育てなければいけない。朝市村では新規就農を希望する方向けの相談ブースも設けている。新規就農した方も地域を大切にする気持ちが強く、有機農業の産地となった地域も出てきている。
 また、朝市村は『畑の入り口』でもある。農業体験等の受け入れも行っている」

「新たな販路開拓のために、名古屋駅前のビルで『天空のオーガニックマーケット』も毎週開催している。これからも美味しさの追及など品質を高める努力を続けていきたい」
 どちらかと言えば小柄な吉野さんですが、内に秘められた熱意がひたひたと感じられるようなお話でした。

値決め方法について伺ってみると、生産者自らが行うが、他の(先輩)生産者の価格を参考にして、安売りはしないのがルールとのこと。ただ、価格については、オーガニックながら近隣のスーパーの価格とあまり変わらないとのことでした。
 また、「オアシス21」は今後リニューアルが予定されているそうで、代わりとなる場所探しも必要になるかも知れないとのことでした。

さて、吉野さんが調達して下さった食材を用いた、この日の料理のラインナップです。
 前菜にはアンチョビ菜(キャベツとブロッコリを交配)のおひたし、刺身こんにゃく。
 オーガニック野菜のホイル焼き。生ひじきのペペロンチーノといった珍しい料理も。
 藤井ファーム(岐阜・白川町)の「あんしん豚」のトンテキ風。
 そして生わかめのしゃぶしゃぶ。三河湾に浮かぶ篠島の、この季節にしかない生わかめだそうです。
 長野や新潟の日本酒なども頂きました。

最後に、参加者一人ひとりにマイクが回され、感想などのシェア。
 菊池先生とはふくしまオーガニックコットンプロジェクト等で顔見知りの方もおられました。皆さん、美味しい食事と吉野さんのお話、熱心な学生さんたちの様子に満足された様子でした。

有機農業に対する期待・注目が高まるっています。
 しかし、有機農業に限らず農業全体に共通する課題として、販路の確保、新規就農者の育成、生産者と消費者の間の「顔のみえる関係づくり」等の様々な難題があります。それらを朝市村という「場」を活用することによって、先進的な取組みを20年も継続されてきた吉野さんの献身的な活動には、本当に頭が下がります。

また、学生たちが実際に産地を訪ね、生産者と交流し、その思いを料理とともに伝えてくれる「学生が生産者を応援する会」についても、今回も大きな意義があると感じられました。
 吉野さん、菊池ゼミの皆さんのますますの活躍を期待します。

(ご参考)
 ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」
 https://food-mileage.jp/
 メルマガ「F.M.Letter-フード・マイレージ資料室通信」
 https://www.mag2.com/m/0001579997