【豆知識】原発事故等による避難者数の現状

【ポイント】
 現在も福島県から少なくとも約2万6千人が県内外に避難しており、1年半前からほとんど減少していません。

一昨年11月に配信したNo.280では2023年5月時点の数値を紹介しましたが、今号ではそれから1年半後(2024年11月)の状況を紹介します。
 まず、避難指示が出された区域の面積については、2011年4月時点では福島県の面積の12%を占めていたのが現在は2.2%(約300平方km)にまで縮小していますが、1年半前から変化はなく、現在も東京都23区の面積の半分に相当する国土が喪われたままになっています(ちなみに尖閣諸島と竹島を合計した面積と比べると約50倍になります)。

次に、避難者数の推移を示したものがリンク先の図311です。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2025/02/311_hinan.pdf

これによると、2012年には約16万5千人(うち県外避難者が約6万2千人、県内避難者が約10万3千人)いた避難者は、2024年には約2万6千人(同約2万人、6千人)へと減少していますが、1年半前と比べると1401人の減少(同1019人、391人)にとどまっています。なお、少数ですが避難先不明者もいます(2024年11月で5人)。なお、県内避難者の方が大きく減少していますが、自ら自宅を取得または復興公営住宅等に入居した人数は避難者数には計上されていません。
 また、福島県の人口に占める避難者数の割合は、2012年の8.3%から2024年の1.5%へと低下しているものの、近年はほぼ横ばいとなっています。

既に避難先に生活基盤ができている人も多いものの(次の「オーシャン・カレント欄」参照)、いずれにしても原発事故により不本意な避難を強いられている方が、現在も約2万6千人もおられることは忘れてはなりません。
 ちなみに先日(2月18日)閣議決定された第7次「エネルギー基本計画」では、従来あった「可能な限り原発依存度を低減する」との表現は削除され、「原子力を最大限活用」するとされています。

[データの出典]
福島県「復興・再生のあゆみ」(各年版)からから作成。
 https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/ps-fukkoukeikaku1151.html
[参考]
資源エネルギー庁HP「エネルギー基本計画」について
 https://www.enecho.meti.go.jp/category/others/basic_plan/

出典:
 F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
  No.311、2025年2月28日(水)[和暦 如月朔日]
  https://food-mileage.jp/2025/02/10/letter-309/
 (配信登録(無料)はこちらから)
  https://www.mag2.com/m/0001579997.html
 (「豆知識」のバックナンバーはこちら)
  https://food-mileage.jp/category/mame/
 (メルマガ全体のバックナンバーはこちら)
  https://food-mileage.jp/category/mm/