【ポイント】
米の収穫量調査については、主食として供給可能な米の総量を把握することを目的に実施していることから、生産者の実感とずれる場合があり得ます。

2024年産の米(水稲)の収穫量は734.5万トン(前年産に比べて18万トン増)で、作況指数は101です。これら数値について生産者からは「こんなに獲れていない」といった声が上がるなど、実態を反映していないのではといった議論があります。
米の収穫量については、全国で無作為に約8000筆の調査ほ場を選定し、実際に刈り取りを行うなどして把握しています。ここで把握する収穫量とは、主食として供給される可能性のある玄米の総量のことです。具体的には農産物規格3等以上(炊飯した時に砕けることなく、粒のご飯として食べられる)で、かつ、ふるい目幅1.70mm以上で選別したものです。
一方、生産現場ではブランド化戦略等から1.80mmや1.90mmのふるい目が使用されている(米粒を大きくする)場合が多く、また、カメムシ食害による斑点米等(安全性や食味には問題はないが見た目が良くない)も色彩判別機で排除していることが多いことから、統計数値が生産者の実感と異なる面が出てきているものと思われます。
なお、1.80mmや1.90mmのふるい目から落ちた米(ふるい下米)も、1.70mmで再選別されたものは主食用として流通しているのが実態です。
[データの出典]
農林水産所HP
「令和6年産水陸稲の収穫量」
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kekka_gaiyou/sakumotu/sakkyou_kome/suiriku/r6/syukaku/index.html
「水稲収穫量調査と生産現場の実感について」
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/sakkyou_kome/attach/pdf/index-87.pdf
出典:
F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
No.312、2025年3月14日(金)[和暦 如月十五日]
https://food-mileage.jp/2025/02/10/letter-309/
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