2025年の春は何度か寒気が戻ったせいか、4月の2週目に入っても自宅近くの桜はまだまだ綺麗です。
4月11日(木)は好天。
JR八王子駅からバスで多摩美術大学へ。3月31日(月)から4月12日(土)の間、開催されていた内正弘先生(建築・環境デザイン学科教授)のご退職を記念する展示を訪ねました。
事前に頂いていたカードには「URBAN ECOLOGY(都市を豊かにする関係づくり) + art commons(アートが結ぶ場づくり)」とあります。

多摩美術大学を訪ねたのは初めてです。
ここも桜は満開。ゆるやかな丘にあるキャンパスの芝生では、何組かの学生たちが歓談していました。ゆったりとした雰囲気です。

アートテークにある記念展の会場に入ると、所狭しと多くの写真や説明パネル等が展示されていました。
駅前再開発など街づくりのデザイン提案、東京自転車グリーンマップの作成など、堀内先生の多彩な業績の全体像が分かりやすく展示されています。環境省の施策にも採用された「クールシェア」(猛暑時の消費電力の節減の取組み)は、東日本大震災を受けて「東京に居ながらにしてデザイナーとして何ができるか」という思いからスタートしたものとのこと。
淡路島で構想されていたFEC(食料、エネルギー、ケア)自給の場づくりに関する展示もありました。
いずれの取組みにも通底しているのは、「art commons(アートを活かした公共・交流の場作り)」というコンセプトのようです。

会場に入ってすぐ、もっとも目立つところにシェア奥沢の展示がありました。
2013年、世田谷区奥沢にあるご自宅の一部を開放して設けた「ご近所の拠点となる小さな場」では、多様なワークショップ、食事と対話の会、音楽鑑賞会、読書会などが開催されるとともに、コワーキングスペースとしても活用されています。
私も何度も伺っています。懐かしい写真も多数掲示されていました。模型もあり、庭先での野菜マルシェの様子も表現されていました。
様々な出会いからさらに新しい活動が生まれていくことを、堀内先生は「交流のマジック」と呼んでいます。この貴重な「場」が、これからも継続していくことを心から願っています。

八王子から立川、多摩都市モノレールに乗り換えて玉川上水駅で下車。雲が多くなってきました。
住宅街の中を20分ほど歩いたところに東航正門跡と刻まれた石碑がありました。さらに5分ほど進んだところには陸軍少年飛行兵学校 揺籃之地碑(本部校舎跡)があります。
日中戦争が始まり航空機の重要性が注目されるなか、1937(昭和12)年10月、東京陸軍航空学校が創設され、翌年、この地に移転してきました(1943年には東京陸軍少年飛行兵学校と名称変更)。敷地は20万坪もあったそうです。入学資格は満14歳から17歳。約4万6千人が卒業し、その1割が犠牲となったそうです。
閑静な住宅地の上空を、時折り陸自立川駐屯地所属のヘリが轟音が響かせながら通過していきます。

さらに徒歩10分ほどで、国立病院機構・村山医療センター村山医療センターへ。
実はお世話になっていた先生が昨年11月に怪我をされ、ここで入院・リハビリを続けておられるのです。気になっていたのですが、ようやくお見舞いに伺うことができました。
病室に入ると大学院生OBの男性がおられ、先生は口頭でホームページ見直しの指示をされていたようです。お身体は依然として不自由ですが、会話は以前と変わらずにでき、これからの仕事にも意欲を持っておられることを感じることができました。
村山医療センターの桜満開でした。
先生の早期のご回復と、様々な取組みのリスタートを期待しています。
(ご参考)
ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」
https://food-mileage.jp/
メルマガ「F.M.Letter-フード・マイレージ資料室通信」
https://www.mag2.com/m/0001579997