自宅の向かいにある幼稚園のソメイヨシノはほとんど散ってしましましたが、八重桜は満開です。
自宅ガレージの前に「みんなの椅子」を置いてみました。近所の方が一休みするのに役に立てばいいのですが。

故郷の徳島からは、今年も春にんじんが届きました。滴るような鮮やかな色です。早速、天ぷら、しりしり、ラペ、スープなどにして頂きました。ご馳走様です。

さて、私はラジオが大好きで、毎日、かなりの時間を(ながら)聴取しているのですが、そのラジオについて残念なことがありました。
平日の毎日午後、B放送が生放送している報道・情報番組の3月17日(月)の放送では、米問題が取り上げらました。正に時宜を得たテーマです。
ところが出演していたF氏という評論家(農業の専門家ではありません。農学部出身だそうですが)は、そもそも農林水産省は米の収穫量を正確に把握できていないと解説。しかもその根拠として、JAの集荷割合が5割に低下していることをあげたのです。
事実は、収穫量調査は全国8000筆の田んぼで実際に刈り取って行っているものであって、農業団体等からの聞き取りに基づくものではありません。

耳を疑い、驚きつつ、僭越ながら番組に以下のようなメールを送らせてもらいました。
「(番組名)出演者、スタッフの皆さま
いつもためになる番組を有難うございます。
ただ、今回の米の収穫量調査についての解説は全く事実と異なります。JAの集荷率とは無関係です。正確な情報発信をお願いします。
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/sakkyou_kome/attach/pdf/index-36.pdf
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/sakkyou.kome/attach/pdf/index-87.pdf」
もう少し丁寧に書けばよかったのか知れませんが、それなりに受け止めて頂いているものと思っていました。
ところが4月14日(月)の放送には同じ評論家氏が出演し、冒頭、女性キャスターが「先月の放送では、Fさんから農水省は米の収穫量を把握できていないという衝撃の事実を教えてもらいました・・・」と、農協の集荷割合の件も含めて紹介したのです。
衝撃でした。
もともと1リスナーの意見などいちいち取り上げるものではないのかも知れませんが、事実関係くらいは確認してもらえると信じていました。しかしどうやら、お送りしたリンク(農水省HP)をクリックさえしていないようなのです。
ちなみにこの日の放送でも、評論家氏は「食料・農業・農村基本計画の食料自給率目標の数字には何の根拠もない」等と言いたい放題でした。
事実は、自給率目標を達成する根拠として、品目ごとの国内消費仕向量、生産量、輸出量、単収、作付面積を積み上げて算出しており、一覧表も掲載されています。

閣議決定されてHPにも掲載されている基本計画を、この評論家氏は一度も目を通すことなく話しているのでしょう。そして一般のリスナーは、その解説が事実であると誤解することになるのです。
しかし、この責任の全てを、この評論家氏個人のいい加減さに帰することはできません。
近年、「オールドメディア」と揶揄されがちなマスコミ(新聞、テレビ、ラジオ)ですが、そのSNSに対する優位性は、その発信している情報の正確性が、多くの人(記者やデスク、出演者やディレクター)の目を通すことによって担保されている(あるいは担保しようと努力している)ことのはずです。
一方、日本の食料・農業は、全国の農業生産者が「一揆」を起こすほどの危機的状況にあります。

もとより食料・農業問題は生産者だけの問題ではなく、むしろ都市住民(消費者)の問題です。「一揆」の行進には多くの消費者も参加しました(私もその一人)。

危機を克服するためには、都市住民を含む広く市民一般の理解と、行動の変容が不可欠です。だからこそ、これはマスコミに限りませんが(SNSでも個人でも)、正確な情報の発信が決定的に重要です。
仮に誤った情報や誤解を与えるような発信をしてしまった場合は、せめて速やかに正確な情報に「アップデート」することがマスコミの責任かと思うのですが、いかがでしょうか。
(ご参考)
ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」
https://food-mileage.jp/
メルマガ「F.M.Letter-フード・マイレージ資料室通信」
https://www.mag2.com/m/0001579997