【ブログ】ふくしまオーガニックコットンボランティアツアー2025【種まき編】

2025年5月18日(日)の東京地方は、前日の大雨から打って変わって好天になりました。
 朝7時15分に東京駅丸の内をバスが出発。全3回の「ふくしまオーガニックコットンボランティアツアー2025」の初回【種まき編】です。
 私は昨年10月の【収穫編】以来の参加です(昨年11月に逝去された吉田恵美子さんの力強い声が耳に残っています)。

 ちなみにこの日のツアーは最少催行人数(25名)に達しなかったため、「ふくしまオーガニックコットンプロジェクトを応援する会」(原島裕英代表)からの受注型企画旅行として、小型バスに変更で運行されるようになったとのこと。
 東日本大震災直後には多くのNPOや企業等が賑やかに参加していたことを思うと、14年という時の流れを感じざるを得ません。

とまれ、この日は大震災と原発事故を忘れない19名が参加。初参加の方も。いつものようにオイシックス・ラ・大地からは多くの若い方たち。
 車中では、鈴木純子さん(福島オーガニックコットンプロジェクト(ふく・わた)共同代表)からの説明。リボーンの壱岐健一郎さんは、故・吉田恵美子さんのインタビュー音声を流して下さいました。

 常磐自動車道はかつて経験したことがないほど順調で、予定より早く9時45分頃にはいわき湯本インターへ。
 いつもお世話になっている柏屋さんが、開店時間前にもかかわらず駐車場と店舗を開け、試食用の薄皮饅頭を配って下さいました。萬寿神社に参拝してから店内へ。

 店内にあったガチャで、赤べこの小さなぬいぐるみをゲット。いぬ、ねこ、こん(キツネ)、たぬもいるそうです。めざせ、全員集合(!?)。

この日、種をまくいわき市小名浜上神白(かみかじろ)の畑に到着したのは、10時30分頃。ぬかるんでいるとのことで長靴をお借りしました。
 青空の下で開会式。作業を指導して下さる4名の地元の方の紹介。ちなみに前日は大雨だったそうですが、もう一人の共同代表・田中亜季さん達は前日入りして準備して下さったそうです。

 和綿班(茶)、洋綿班(白)、ポット苗づくり班に分かれて作業スタート。
 私は洋綿班に所属。すでにマルチは張られており、メジャーで計って1mごとに穴を開けていきます。

白い綿に包まれた種はいったん水を張ったプラスチックケースに入れ、揺さぶり、しっかりと水分を浸透させます。
 その後、1つの穴に3粒ずつ、まいていきます。人差し指の関節1つ分ほど土をかぶせます。

一度休憩を挟み、12時過ぎには午前中の作業は終了。
 そら豆のサヤが美味しそうに膨らんでいます。よく見ると支柱などは木です。当たり前のようにプラスチックの支柱を使っていますが、ここでは里山の資源が循環利用されているのです。廃棄も楽で、里山の手入れにもなります。
 菜種の花も咲いていました。

 鈴木さんが、この日のお弁当を紹介して下さいました。
 なるべく地元産の食材を使い、からだにやさしい弁当や惣菜を製造・販売されている吉福さんのものだそうです。ご馳走様でした。

13時前に作業を再開。曇り空になって蒸し暑さも軽減されました。
 まいた種には水をやったのち、畝の間に防草シートを張っていきます。これで除草の手間が格段に楽になるとのこと。オーガニックコットンの栽培方法も、年々、進化・改良されているようです。
 等間隔に、両端2本と中央1本を互い違いに、ペグをハンマーで打ち込んで固定していきます。

作業は13時30分前に終了。今回はやや物足らない作業量でした。
 実は少し上の方にも畑があるのですが、もとは水田だったそうで、前日の大雨でぬかるんでいてこの日の作業は断念したとのことです。

 山からの湧き水で、道具やお借りした長靴を洗浄。閉会式。ポット苗も置かれていました。
 作業が終わったとたん、日が射してきました。作業中は暑くないように吉田さんが太陽を隠しておいてくれたのかな、と誰かが話しているのが聞こえました。

14時過ぎ、いわき湯本温泉の古滝屋さんに到着。
 ここで改めて鈴木さんからふく・わたの新商品などの説明。東北のイオン限定で販売されているハンカチもあるそうです。新デザインの手ぬぐいを求めさせて頂きました。

鈴木さんの案内で近隣を散策(こんなに時間に余裕があるツアーは初めてです)。
 温泉神社は1300年の歴史があるそうで、背後の山から吹き下ろしてくる涼しい風にパワーをを感じます。
 華やかなつるし雛で飾られた童謡館には、ゆかりのある野口雨情の資料など多数が展示されています。『野口雨情物語』という小冊子を求めさせて頂きました。
 足湯は、あつ湯とぬる湯の二種類があります。ゆったりと楽しんでおられる地元の方も。気持ちのいいお湯です。童謡館も足湯も、初めて来ました。

古滝屋さんの大浴場で汗を流した後は、9階にある原子力災害考証館 furusato を見学させて頂きました。
 東日本大震災や原発事故を記録・伝承する施設は、国や東京電力が設置した大規模なものありますが、ここは古滝屋さんのご主人はじめ市民の方たちの手づくりによる施設です。
 進行中の裁判の訴状なども展示されています。

15時45分に古滝屋を出発。渡辺健太郎さんがバスを見送って下さいました。
 古着をゴミとして燃やさない社会を目指して長年にわたって活動してきたNPOザ・ピープルの、新しい代表です。吉田恵美子さんの後継者らしく、見えなくなるまで手を振って下さっていました。

 帰途も順調で明るいうちに着くかもなどと軽口を言っていたら、柏まで来た辺りで事故/工事渋滞に巻き込まれ、結局、東京駅に到着したのは19時45分頃。運転手さんもお疲れさまでした。

 ふくしまオーガニックコットンボランティアツアー2025の第2回・草取り編は7月6日、第3回・収穫編は10月5日(それぞれ日曜日)に予定されています。
 この日まいた種が芽を出して生長し、やがて花(オクラにも似て美しい)を咲かせ、実(コットンボールが弾けて綿が顔を出します。しかも茶と白の二種類)をつける様子が見られることが、今から楽しみです。

(ご参考)
 ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」
 https://food-mileage.jp/
 メルマガ「F.M.Letter-フード・マイレージ資料室通信」
 https://www.mag2.com/m/0001579997