【ポイント】
近年、木質バイオマス発電施設での燃料材需要の増加等により、木材自給率は上昇傾向にあります。

日本の国土面積に占める森林の割合は66%と、OECD加盟国の中ではフィンランド、スウェーデンに次ぐ第3位となっています。それでは「森林大国」日本の木材自給率はどうなっているでしょうか。
リンク先の図316は、日本の木材供給量(国内生産及び輸入)と木材自給率の推移を示したものです。
https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2025/05/316_mokuzai-1.pdf
1950年代後半には6,000万立法メートルを超えていた国産材の供給量は、丸太の関税撤廃や円高の進行に伴い輸入が増加したことにより減少傾向で推移し、2002年には1,692万立法メートルまで減少しました。
しかしながら、この年を底として近年は増加傾向に転じ、2023年には3,444万立法メートルと2002年の約2倍の水準となっています。この背景には、国内における森林資源の充実、国産材利用の増加、特に木質バイオマス発電施設での燃料材利用の増加があります。
逆に、増加してきた木材の輸入量は、環境保護の観点から天然林伐採や丸太輸出を制限・禁止する国が増えたため、1996年の9,045万立法メートルをピークに減少傾向に転じています。
これらの結果、低下を続けてきた木材自給率は2002年の18.8%を底に上昇に転じ、23年には43.0%となっています。
供給量の内訳をみると、近年は国産、輸入ともに燃料材が増加していることが注目されます。そもそも1960年代頃までは木炭や薪が燃料として用いられていましたが、輸入石油等に依存する「エネルギー革命」によりほとんど使われなくなっていました。
ところが近年、木質バイオマス発電施設の増加を背景に、燃料用チップやペレットというかたちでの燃料材に対する需要と供給量が増加しているのです。
[データの出典]
農林水産省「木材需給表」から作成。
https://www.rinya.maff.go.jp/j/press/kikaku/240927.html
出典:
F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
No.316、2025年5月12日(月)[和暦 卯月十五日]
https://food-mileage.jp/2025/02/10/letter-309/
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