【オーシャン・カレント】木質バイオマス発電について

【ポイント】
 真に持続可能で循環型の木質バイオマス発電を普及させるためには、国内における未利用木質資源の利用促進の観点が不可欠です。

出典:林野庁「木質バイオマスエネルギーの利用推進について」(2024.6)
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/community/dl/08_07.pdf

バイオマスとは生物資源(bio)の量(mass)のことで、これら再生可能な生物由来の有機性資源のうち木材からなるものを「木質バイオマス」と呼びます。
木質バイオマスには、樹木を伐採する際に発生した枝などの林地残材、製材工場から発生する樹皮やのこ屑、さらには住宅の解体材や街路樹の剪定枝など様々なものがあります。

木質バイオマス発電の特質は「カーボンニュートラル」であることです。
 つまり、樹木等の植物は光合成によって大気中の二酸化炭素を吸収・固定するため、木材のエネルギー利用は大気中の二酸化炭素濃度に影響を与えません。このためFIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)の対象とされたこともあって、近年、木質バイオマス発電施設数は増加傾向にあり、2025年3月末現在、全国で244か所が稼働しています。

一方、林地残材の利用は増加しているものの、現在も3割程度にとどまっています。
 先日、山梨県の中山間地を訪ねましたが、かつては木炭や薪として有効利用されていたであろう丸太や枝が森林内に放置されていました。チップ輸入の増加が海外の森林資源や環境に悪影響を及ぼしているとの指摘もあります。
 真に持続可能で循環型の木質バイオマス発電を普及させるためには、国内における未利用木質資源の利用促進の観点が不可欠です。

[参考]
 林野庁HP「木質バイオマスエネルギーの利用推進について」
 https://www.rinya.maff.go.jp/j/riyou/biomass/

出典:
 F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
 No.316、2025年5月12日(月)[和暦 卯月十五日]]
  https://food-mileage.jp/2025/02/10/letter-309/
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