2025年5月19日(月)。
以前、福島オーガニックコットンのツアーでもお世話になった「お米ライター」柏木智帆さんのご新著が手元に届きました。お米のルーツ・歴史から現在の課題、美味しい炊き方などの実用的なノウハウ、さらに著者のお米への愛がてんこ盛り。現場感覚にも溢れています。
お米の店頭価格にばかり注目が集中しがちな現在、ぜひ、都会の消費者を含め多くの方に読んで頂きたい好著です。
この日は、11日(日)のプレゼントツリー笛吹芦川の際に購入させて頂いた石和甲州(森を育てるワイン)を、妻の手作りのポトフやサラダとともに頂きました。
すっきりとした飲み口、白樺林の涼風が思い出されました。ご馳走様でした。

2025年5月24日(土)は、新潟・上越市大賀へ。
いつものように朝7時にたかった馬場を出発。今回は東京からは車1台、4名です。
関越道は思いのほか順調。途中、谷川岳SAで食べた朝/昼ラーメンは、なかなか美味でした。
途中、松之山(十日町市)の管領塚に立ち寄り。
松之山温泉には何度も来ているのですが、すぐ近くにあるこの塚のことは最近まで知りませんでした。
永正四(1507)年八月、越後守護・上杉房能が守護代の長尾為景(上杉謙信の父)に追われ、ここで自刃。この下剋上により越後でも本格的な戦乱時代が始まります。
たかった氏も感慨深そうに手を合わせていました。
ちなみに房能は管領でも関東管領でもないのですが(兄の関東管領・山内上杉顕定も3年後に越後(現 南魚沼市)で戦死)。

大賀集落の庵寺(集会施設)到着したのは13時前。時折り、細かい雨が落ちてきます。
いつもお世話になっている中村昭一さんが、苗(コシヒカリ)などを準備して下さっていました。山間の棚田の1枚のうち、私たちの体験のために残しておいてくださったスペースに苗を植えていきます。
裸足で田んぼに入った時の、ぬるるっとした泥の感触。無数のオタマジャクシが驚いて逃げていきます。
2~3本ずつ植えていくのですが、私は水面から沈むほど深く植え過ぎて中村さんから指導。日光の当たり具合で生育に大きな差が出るそうです。

田植えそのものは1時間弱で終了。徒歩で庵寺に戻ります。
水が張られ、苗が植えられた棚田の景観の美しさ。しかしこの辺りでも、最近になって耕作されなくなった(元)棚田があちらこちらにあります。

中村さんの奥様が「こびる」を用意して下さっていました。
ホウの葉に包んだ炊き込みご飯、タケノコや豆腐の煮物、山菜のお浸しやお漬物など。いつも有難うございます。
その後はスカイトピア遊ランドで入浴。気持ちのいい温泉です。この日は尾上岳でパラグライダーの大会があったようで混んでいました。生憎の天候でパラグライダーは飛べなかったそうです。
庵寺に戻り、19時頃から夕飯(食べてばかり)。
ご近所のお母さんは高野豆腐の煮物やミズ(山菜)のお浸しを差し入れて下さいました。いつも有難うございます。
谷内さん母子も顔を出して下さいました。小学生の娘さん(大きくなったな~)はリードクライミングの大会で優勝するほどの実力者だそうです。
東京組からはタイ風味の炒めもの、焼きエビ、にんじんしりしり、サラダ、谷川岳SAで求めたカレーもつ煮。ビールや日本酒なども。
中村さんは、いつものよしかわ杜氏の郷の「大辛口」を出して下さいました。一時、体調を崩されてお酒も控えておられた中村さんでしたが、この日はお元気で燗酒の盃を重ねておられました。

翌25日(日)も曇り空。庵寺の前の田んぼにもオタマジャクシの姿。
昨日、みずかさんが採ってきた野草を活けて下さっています。

この日は、みずかさんが取得された古民家の周辺の整備(枝打ち、草刈り)。しばらく人が住んでいなかったため、アクセス道路も木の枝や草がぼうぼうです。
みずかさんはこの古民家をリノベーションし、カフェや民宿など人が集まれる「場」にする構想をお持ちのようです。

近くの田んぼでは、谷内さんが田植えをされていました。
ご主人は杜氏になるためにこの地に移住され、現在も半農半X(酒造り)で活躍中。今年も全国新酒鑑評会で入賞されたとのこと。
ちなみに奥様は農業のほかパタンナー等として活躍中。「最近の米をめぐる話題が、店頭での小売価格にばかり注目されていることには違和感がある」と仰っていました。

作業は11時過ぎに終了。古民家に続く道路はだいぶ綺麗になったような。
作業が終わるのを待っていてくれたように、強い雨と風に。
「森の駅 大島青空市場」立ち寄った後、松之山のお蕎麦屋さんで昼食。肌寒かったので私はカレー南蛮をチョイス。山菜の小鉢も付いてきました。「美味しそう」とつぶやくと、女将さんから「美味しいのよ」と返されました。熱々で、お出汁のきいた優しい味です。
松之山温泉で入浴。自動券売機と入場ゲートが設置されていました。
帰りも関越道は空いていたのですが、一部区間が天皇陛下の植樹祭(埼玉・秩父)ご臨席の関係で通行止めとのことで、いったん高速を降りたりもしたのですが、それでも19時半前にはたかった馬場に到着、解散です。
現地の皆様、車を運転した下さった皆様、今回もお世話になり有難うございました。
翌日には小泉新農相が随意契約による備蓄米放出を決定、店頭では2000円程度になると力強く発言。現在の半値です。
都会の消費者にとっては米の値下がりは大歓迎でしょうが、果たして消費者には、生産者や産地の現状が見えている(想像できている)でしょうか。
(ご参考)
ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」
https://food-mileage.jp/
メルマガ「F.M.Letter-フード・マイレージ資料室通信」
https://www.mag2.com/m/0001579997