2025年5月28日(水)は快晴。
10時半から、近隣にある東村山市中央公園で開催された「初夏の自然観察会」に参加しました。このような会があることは知っていたものの、これまでは仕事の関係でなかなか参加できなかったのです。
受付をすると、まず、一人ずつ虫メガネを配って下さいました。
参加者は大人(シニア)ばかり10名ほど。観察会は子ども(親子向け)の会が多いそうですが、年数回はこの日のように大人向けに平日に開催しているそうです。
園長さんが挨拶の後、3人の女性の自然観察指導員の方を紹介して下さいました。
のりさん(フラワーセラピスト)は草花、もみさんは昆虫、あーやさんは樹木が、それぞれ得意分野とのこと。

早速、案内に従って園内を回ります。
バタフライガーデンの山椒の木には、ナミアゲハの幼虫。説明によると、鳥の糞は幼虫に擬態しているとのこと(?)。密集している白い綿くずのようなものは、実はアオバハゴロモの幼虫で、手を近づけるとジャンプして逃れます。
ミヤコザサの葉に触ってみると、裏側には、やわらかい毛がふさふさ。
見上げると、大きなホップのようなクマシデの実や、プロペラのようなイロハカエデの実。次世代に向けて種を準備中です。
自然の生態系を活かした花壇(ナチュラリスティック・ガーデン)は、都内でもこの公園が先駆的に取り組んだとのこと。
ふだん何気なく見過ごしている植物や昆虫について、詳しく説明して頂きながら、目(時には虫眼鏡)で見るだけではなく、手で触り、香りも楽しむという観察会は、本当に楽しいものでした。
また機会があれば参加したいと思います。
観察員、公園スタッフの皆様、有難うございました。

自然のなかから、午後は都心へ移動。
18時30分から、中央区立環境情報センター(京橋)で定期的に開催している勉強会「今夜はご機嫌@銀座で農業」に参加しました。
蔦谷栄一先生によるこの日の講義のテーマは「国際協同組合年と二宮尊徳」(以下、文責・中田)。
冒頭、小泉新農相に対して、米の価格だけではなく生産者を守ってほしいとの声があることを紹介されました。

今年は国連が定めた国際協同組合年で、先生は静岡・掛川で開催された記念フォーラムにも登壇されたそうですが、先生によると国内ではあまり話題にもされていないとのこと。.
「レイドロー博士の『西暦2000年における協同組合』には、1980年の時点で、協同組合こそが正気の島になるように努めなければならない、協同組合は特に食糧問題に努力を集中すべき、都市のなかに村を建設すべき、等の提言がなされている」
「現在は、脱新自由主義とも言うべき歴史的転換期を迎えている。欧米では自然をコントロールしようとするのに対して、日本人は人間は自然の一部であり、自然と一体化・共生していると感じている。
こういった面からも、天道・人道論を基本とした二宮尊徳の思想・行動に注目したい」

「天道とは自然のめぐみであり、同時に逃れることのできないもの(縄文時代から培われてきたもの)。一方、人道とは人の生き方の矜持(至誠、勤労等。弥生時代以降)。尊徳は天道と人道が相和すること(一円融合)で百穀も実る、としている」
「大日本報徳社がある掛川市では、持続可能な循環型社会を目指す「市民皆農作戦」があり、各地に「やさいクラブ」が発足している。居場所づくりにも貢献している」
「今後、生産消費者をベースにした協同活動で地域(流域)自給圏づくりを進めていくことが重要。自然がベースと考える日本だからこそ実現できるのではないか」と締めくくられました。

参加者との質疑応答・意見交換。この日は普段よりやや多い12名が会場参加、他にオンライン参加された方もおられました。
多くの人が、世界が曲がり角に来ている現在、改めて尊徳の思想の重要性に気付くことができた等の感想を述べられました。この日、初参加された世田谷区の若手農家の方(「農あるまちづくり講座」の講師も務められました)は、農家にも理念が必要と感じたと発言。
(なお、私も、まとまった尊徳思想の説明は初めて聞いたような気がしていたのですが、後にブログ等を見直してみると、テツオ・ナジタ『相互扶助の経済』を読んでいたりしたことを思い出しました。改めて記憶力の無さと、記録を残すことの大切さを痛感した次第)
また、当日、私からは、まだ素案の段階ながら「食と農の市民塾(仮称)」の説明と、協力依頼をさせて頂きました。6月からスタートすると言ってしまいました(大丈夫かな。詳細が決まれば拙ウェブサイトやFBページで公開・募集させて頂きます)。

終了後は、いつもの地下の餃子屋さんで懇親会。ご機嫌のうちにこの日の勉強会も終了です。
なお、次回は7月22日(火)の予定。食べものや農業に関心のある方ならどなたでも参加できます。また、8月は日程未定ですが、ガンディーの思想を取り上げる予定です。
(ご参考)
ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」
https://food-mileage.jp/
メルマガ「F.M.Letter-フード・マイレージ資料室通信」
https://www.mag2.com/m/0001579997