【豆知識】家計における米への支出額等の推移

【ポイント】
 米が「高騰」している現在も、米に対する支出額の約2.6倍の金額を携帯電話通信料に支出しています。

連日、テレビのワイドショー等では政府備蓄米に行列する消費者の姿が映し出され、にわか米評論家のいい加減な解説が溢れていますが、米価格の「高騰」は、それほど消費者の家計にとって死活問題となるほどの大きな影響を及ぼしているのでしょうか。
 リンク先の図318は、昨年から今年にかけての米に対する支出額等の推移を示したものです(全国、月平均)。
https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2025/06/318_kakei.pdf

緑色の折れ線グラフが、米の平均購入価格です。
 昨(2024)年1~3月期には5kg当たり1,950円だったのが、本(2025)年4月には3,937円へと2倍以上に値上がりしており、確かに米は「高騰」しています。
 緑色の棒グラフが米に対する支出額です。米に対する支出額は昨年1~3月期の1,550円(月平均)から、本年4月には3,546円へと、購入価格を上回る2.3倍の水準へと増加しています。この数字だけみると、確かに米価格の高騰が家計を圧迫しているように見えます。

一方、濃いオレンジ色が携帯電話通信料で、一貫して毎月9,000円以上を支出しています。米が「高騰」している本年4月においても、米に対する支出額の約2.6倍の金額を携帯電話に支出していることが分かります。また、インターネット接続料や化粧品にも、最近でも米に近い金額が支出されています。
 携帯電話も、今や生活にとっての必需品ですしょう。しかし、絶対的必需品(生命を維持するための主食)である米の3倍近くを支出しているにもかかわらず、米の「高騰」ばかりが騒がれていることに違和感を覚えるのは、私だけでしょうか。
 ちなみにハンセン医師の世界的ベストセラー『スマホ脳』には、スマホ使用が様々な悪影響を及ぼしているとする多くのデータが紹介されています。

なお、消費支出額全体に対する食料の割合(エンゲル係数)は27.5%、米は1.1%となっています(25年4月。外食等での米への支出額は含みません)。

[データの出典]
総務省「家計調査」から作成。
https://www.stat.go.jp/data/kakei/

出典:
 F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
 No.318、2025年6月10日(火)[和暦 皐月十五日]
  https://food-mileage.jp/2025/02/10/letter-309/
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