本(2025)年3月に職場を完全に退職、本当に自分がやりたいことは何かと考えたのちに、始めることとしたものの一つが「食と農の未来フォーラム」です。
とはいえzoomミーティングを主催するのもPeatixを使うのも初めてということもあり、予行演習を兼ねて、まず6月12日(木)に、農業・農村の現場に精通されている知人20人ほどに集まって頂き、キックオフ会合を開催しました。
もともと食や農に関心のない人に参加してもらうのは難しいのでは、特に農村地域では「市民」という言葉に違和感を覚える人が多いのでは等のご意見、アドバイスを頂き、名称を「食と農の市民フォーラム(仮称)」から「食と農の未来フォーラム」に変更することに。ちなみにこの時は、何もしなかったつもりなのにちゃんと録画もされていました。
アーカイブ配信についてはzoomとPeatixにも問い合せ、万全の準備をして(したつもりだったのですが)、拙ウェブサイトやFBのイベントページ、チラシも活用して告知し、募集を開始。当日までに50名ほどの方から参加申し込みを頂きました。有難いことです。
そしていよいよ、6月30日(月)の第1回の開催日を迎えたのです。
ところが、18時40分位にミーティングルームをオープンしても誰も入って来て下さいません。
さっそく何か不備があったかと冷や冷や、やきもきしていると、19時の開始時間直前になって続々と入って来て下さって一安心。
一方で入れない等の問合せもあり、バタバタと対応しながら(妻を共同ホストにしていて助かりました)5分遅れでミーティングはスタートできました。
まず、中田から、パワーポイントの資料(全体版はこちら)を共有しつつ「食と農の市民フォーラムの開催について-なぜ農業問題は都市住民(消費者)の問題なのか」と題して、以下のような説明と問題提起を行いました。
まず、本フォーラム開催の趣旨について。
現在の食と農の様々な深刻な問題(食料自給率の低迷、生産基盤の脆弱化、栄養バランスと食生活の乱れ、膨大な食品ロスなど)の原因は、「食と農の間の距離」が離れてしまっていることにあるとし、本フォーラムは主に都会の市民(消費者)の方たちを対象に、食と農の現場の課題を身近に感じ、自主的な行動変容につなげて頂くことを期待して開催するものと説明しました。

今後は月1回程度、オンラインでゲストをお迎えしての開催を予定しており(年数回はリアルで料理教室や現地検討会を開催)、当面の予定として第2回、第3回の案内をさせて頂きました。
第2回は7月23日(水)、大友 治さん(本木・早稲谷 堰と里山を守る会、福島・喜多方市山都)を予定。この日、参加して下さっていた大友さんご自身から「予告編」として発言して頂きました。
第3回は8月26日(火)、鈴木純子さん(ふくしまオーガニックコットンプロジェクト、福島・いわき市)をゲストにお迎えして開催する予定です。
募集の準備ができ次第、改めて案内させて頂きます。

フード・マイレージの概要、3月30日(日)に東京で開催された「令和の百姓一揆」の模様も紹介。

そして、「一揆」に合わせて個人で作成したチラシ(「なぜ農業問題は都市住民(消費者)の問題なのか」)について説明(データは最新のものに更新)。
食料自給率低下の原因は消費者の食の選択が激変したためであること。東京都の食料自給率はカロリーベースで0%に過ぎず、最初に飢えるのは都市住民である可能性が高いこと。

国内農業を支える生産基盤がぜい弱化(担い手の数や農地面積は大きく減少)していること。米価高騰が社会問題となっているが、実は米の価格は一貫して低下してきており、今回の「高騰」でようやく一般物価の水準に追いついたに過ぎないこと。
そして、私たち消費者にできることとして、農を「自分ゴト」にすること、身近なものに感じること。そのためには、まずは農業の生産現場の現状を「知ること」が不可欠ではないかと訴えさせて頂きました。

中田からの説明・問題提起に引き続いて、本フォーラムの運営(食や農にあまり関心のない方をどのようにすれば巻き込んでいけるか等)について、参加者の皆様から意見、アドバイス等を頂きました。
基本的な方向性としては、参加者を増やすことに固執するのではなく、仲間を一人でも増やしていくというスタンスが重要では、とのアドバイス。
深刻さを訴えるだけでは関心を持ってもらえない。マルシェも対面して話すこと自体がエンタメになっている。楽しいと思ってもらえることが必要では、等の意見。
一方、食は伝えるための重要なツールになる、農業生産の現場に子どもたちを連れて行く取組みは大きな効果があった、農業体験は共同体意識を取り戻すきっかけになる等の意見もありました。
一方、物理的距離が離れていてもIT技術を活用することで身近に感じてもらえるのでは、といったアドバイスも。
さらに、徳野先生のグラフにあった5%の「期待する消費者」に対応できるような生産者がいなくなっているのでは。「商品化」については生産サイドからも進めてきたという側面もあるとの生産者の方からのコメント。
生産者と消費者の間にあるアグリビジネスにも注目する必要があるという意見も頂きました。
なお、この日は参加して下さった方全員に一言ずつでも発言して頂きたかったのですが時間が足らず、申し訳ありませんでした。
さて、終了後、チケットを申し込んで下さった方にお礼を兼ねて、この日の説明資料、頂いた主な意見等の概要メモ(申込者限り)とともにアーカイブのリンクを配信しようとしたところ、何と、録画ができていません。録画のボタンを押し忘れたということのようです。痛恨のミスです。
当日は多忙で参加できないもののアーカイブを当てにして申し込んで下さった方も何人もおられ、本当に申し訳ないことです。心からお詫び申し上げます。
なお、申し出て下されば参加費を払い戻させて頂く旨も書き添えましたが、口座番号等を知らせて下さった方は(これ自体、負担ですが)現時点のところいらっしゃいません。
次回に向けて、何らかの対応を取らせて頂きたいと考えています。

第2回「食と農の未来フォーラム」は、以下により開催する予定です。
準備ができ次第ご案内させて頂きますので、多くの方のご参加をお待ちしています。
〇 日 時:7月23日(水)(予定)、19時から2時間程度
〇 ゲスト:大友 治さん(本木・早稲谷 堰と里山を守る会、福島・喜多方市山都)
〇 テーマ:「江戸時代から中山間地域の棚田を潤す本木上堰の現状と課題」(仮題)
(参考)https://www.facebook.com/sekitosatoyama
〇 内 容:中田から中山間地域の現状等について説明 10分程度
ゲストによるご講演 1時間程度、質疑応答・意見交換 40分程度
私もここ数年連続で「堰(せき)さらいボランティア」に参加させて頂いています(本年の様子はこちら)。大友さんのお話は、現地でのオリエンテーション等で毎回、伺っていますが、まとまった形で伺うのは初めてで、私も楽しみにしています。
ぜひ多くの方に、大友さんの話を聞いて頂き、中山間地域の現状について思いを馳せて頂きたいと思っています。
(ご参考)
ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」
https://food-mileage.jp/
メルマガ「F.M.Letter-フード・マイレージ資料室通信」
https://www.mag2.com/m/0001579997