2025年10月5日（日）の早朝。集合場所の丸ビル前に向かっているとJR新宿駅で事故があり中央線が止まっています。慌ててメトロ丸の内線に乗り換え、ぎりぎり7時15分の集合時間に間に合いました。
幸い他の方にも事故の影響は少なく、無事、予定の7時30分にバスは福島・いわき市に向けて出発。今年最後（3回目）のふくしまオーガニックコットンボランティアツアー（収穫編）です。参加者は30名超、久しぶりに大型バスでの運行です。
バスの中で、（有）リボーンの壹岐健一郎さんが、ふくしまオーガニックコットンプロジェクトの趣旨や経緯を説明するビデオを流して下さいました。
昨年11月に亡くなられた吉田恵美子さんの、懐かしい姿と声。亡くなられたことが、まだ、私には受け入れられていません。
常磐道は渋滞もなく順調。友部SAでは以前から気になっていた納豆ドッグを購入、（意外と？）なかなか美味です。
いわき湯本ICで常磐道を降り、いつもお世話になっている柏屋さんで手洗いをお借りして、名物の薄皮まんじゅうなどを購入。
種まき、草取りでも訪ねたいわき市神白（かじろ）のほ場に到着したのは、10時40分頃。吉田さんの素敵な笑顔の看板が、新たに設置されていました。
プロジェクトの共同代表の田中亜季さん、鈴木純子さんからの挨拶と説明。
東京電力福島第一原発事故によるいわゆる風評被害のなか、畑が荒れてしまわないようにと始まった本プロジェクトの経緯、今回が14回目の収穫になること、完全に開ききってコットンがフワフワしているものだけを収穫すること等について、写真入りの資料を配って丁寧に説明して下さいました。
地元の方の指導を受けながら、早速、畑へ。
まずは日本古来の原種に近い茶綿の収穫です。まだ花も咲いており、しばらく収穫できる期間がある様子。ビニール袋いっぱいのコットンが収穫できました。
一方、白い洋綿の方は、この畑は少し時期が早かったようです。
落花生も収穫して、お土産に持たせてくださいました。
各自、買ってきた弁当等の昼食。せっかくいわきに来ているのに、東京駅で買ってきたおむすびではちょっと味気なかったような。
午後は野田の畑に移動。
地権者の方が出てこられて挨拶して下さいました。歓迎するとのお言葉、有難いことです。
こちらの畑の洋綿は多くが開ききっており、大量の収穫ができました。実際に収穫してみると繊維が長く、昨日、日本オーガニックコットン協会の方の「洋綿の方が製品化しやすい」という言葉が実感できました。
畑の周囲には満開のヒガンバナ。夏が長かったせいか今年はだいぶ遅いそうです。
ツチイナゴ（かな）、ホタルガ、翅がぼろぼろのヤマトシジミ、モンキチョウなど。
人数も多く、収穫は予定より早く終了。
ここもいつもお世話になっているいわき湯本温泉の古滝屋さんに到着したのは14時半頃。
9階にある原子力災害考証館へ。全くの民間ベースの資料館ですが、展示等は充実しています。
いつも思うことですが、特にこの日は少し時間に余裕があったこともあり、じっくりと時間をかけて展示を見る（できれば詳しい方に説明して頂く）プログラムがあってもいいのではないでしょうか。特に中間貯蔵施設の問題など、東京に住んでいる人たちにとっても他人ごとではないはずです。
この日も何人か参加者の方が何名か見学に来られていましたが、15時前から入浴できると連絡があると、そそくさと大浴場に向かわれました。
16時前にバスは古滝屋を出発。ご主人の里見さんご夫妻が見送って下さいました。
友部SAで休憩、参加者全員で感想などシェアしつつ（皆さん満足された様子。ただ私は、単に「楽しかった」で済むツアーではないと思っているのですが）、順調に19時過ぎに東京駅前に到着です。
主催者、旅行会社、現地でお世話になった皆様、今回もお世話になり有難うございました。
原発事故から14年が過ぎ、昨秋には吉田恵美子さんが亡くなられたこともあって、本プロジェクトやツアーの内容も大きく変わってきました。
仕方がないことではありますが、原発推進を掲げる自民党新総裁も誕生するなか、本プロジェクトの起点となった原発事故の意味を問い直し、今後のこの国のエネルギーの在り方等についても「自分ゴト」として考えていく必要があると痛感しています。
東京電力福島第一原発事故とは、決して終わってしまった過去の話ではありません。例えば除染土等についても、法律に定められている福島県外での最終処分まで、あと20年の期限しかないのですから。
（ご参考）
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