◇フード・マイレージ資料室 通信 No.338◇
2026年4月2日(木)[和暦 如月十五日]
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◆ F.M.豆知識 なぜ農業問題は都市住民(消費者)の問題なのか
(1)食料自給率低下の原因は、食料消費(食の選択)の激変
◆ O.カレント 「令和の百姓一揆2026」報告
◆ ほんのさわり 三原由起子『歌集・土地に呼ばれる』
◆ 情報ひろば ブログ更新、イベント情報等
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東京地方はソメイヨシノの花びらが舞う中、新年度を迎えました。新たな門出を迎える皆様の前途に多くの幸いがありますように。
本メルマガは時の流れを体感して頂くため、和暦の朔日(新月)と十五日(ほぼ満月の日)にコツコツと配信しています。
◆ F.M.豆知識
食や農に関連して、私たち消費者にちょっと役に立つ、あるいは考えるヒントになるデータ等をコツコツと紹介します。
(過去の記事はこちらに掲載)
https://food-mileage.jp/category/mame/
-なぜ農業問題は都市住民(消費者)の問題なのか-
(1)食料自給率低下の原因は、食料消費(食の選択)の激変
【ポイント】
米の消費を半減させ、畜産物や油脂の消費を何倍にも増加させた私たちの食の選択が、食料自給率の低下を招きました。

今号から4回連続で、「令和の百姓一揆2026」に合わせて個人で作成したチラシの内容を紹介する予定です。前年に作成したものからデータを更新しています(チラシ全体はこちら)。
今回、この中から紹介するのは最初の「食料自給率低下の原因は、食料消費(食の選択)の激変」と題するグラフです。
https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2026/03/338_ikki1.pdf
上半分の折れ線グラフにある通り、日本の食料自給率は、1960年度のカロリーベース79%、生産額ベース93%から、2024年度にはそれぞれ38%、64%へと大きく低下しています。この間、カロリーベース自給率を45%ないし50%に引き上げるという国の計画が数回にわたって閣議決定されたにもかかわらず、低迷が続いているのです。この日本の食料自給率については、他の主要国と比べても際立って低いものとなっています。
それではなぜ、日本の食料自給率は長期的に低下してきたのでしょうか。その原因として農業政策の失敗、アメリカなど諸外国からの貿易自由化圧力を指摘する意見もありますが、自給率が低下した最大の要因は、実は私たち(国民、消費者)の食の選択の結果にあるのです。
下半分の棒グラフにあるように、私たちは国内で自給できる米の消費量をほぼ半減させました。一方で畜産物は4.2倍、油脂類は3倍へと大きく増やしたのです。つまり、私たちの食生活は著しく洋風化したのです。
ところが、畜産物の生産のための飼料の原料(とうもろこし等)や油脂の原料(大豆、菜種等)は、ほとんどを輸入に依存しています。このことから、結果として、食生活の洋風化は食料自給率の低下につながったのです。
なお、右下の円グラフにあるように、現在、油脂類は摂取過多になっており、栄養バランスの観点からも行き過ぎた洋風化は是正される必要があります。
[データの出典]
農林水産省「食料需給表」、厚生労働省「「日本人の食事摂取基準(2025年版)」から作成。
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/fbs/
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001396865.pdf
◆ オーシャン・カレント
食や農の分野で先進的かつユニークな活動に取り組んでおられる方や、食や農に関わるトピックスを紹介します。
(過去の記事はこちらに掲載)
https://food-mileage.jp/category/pr/
-「令和の百姓一揆2026」参加報告-
【ポイント】
3月29日(日)、東京でも「令和の百姓一揆2026」が開かれ、私も実行委員・スタッフの一人として参加しました。

2026年3月28日(日)、昨年に引き続いての「令和の百姓一揆」の前夜、実行委員会代表の菅野芳秀さん(山形・長井市、農業)の講演会をハイブリッド開催しました。会場は、東北支援を目的に起業したレストラン「トレジオンポート」(東京・赤坂)。ここに30名が参加され、他にオンライン(アーカイブ視聴の方を含む)でも40名近い方が参加して下さいました。
菅野さんは「広がる農終い」など厳しい農村の現状を知って欲しいと訴えつつ、「食といのちの自給圏を創り出そう」と提案。その熱意は多くの参加者の心に響いたものと思われます。詳細は追って拙ブログで紹介させて頂く予定です(4/8に掲載済み)。
なお、入念にリハーサルを重ねたものの、当日は機器の関係でオンラインの配信が遅れるなどご迷惑をおかけしました。お詫びします。
さて、翌29日の「一揆」当日は、これ以上ない好天に恵まれました。東京ではソメイヨシノが満開、気温も上昇し汗ばむほどの陽気です。
スタッフは12時に会場(南青山公園南地区)に集合。役割分担を確認した後、幟や提灯を組み立て、受付を設営します。そして14時30分に集会がスタート。菅野代表は「5年後には農家はいなくなっているかも知れないという危機感を、多くの国民に共有してもらいたい」等と訴えられました。
16時にトラクター7台と軽トラ21台による行進がスタート。さらに17時には人の行進が続きます。表参道を経由して代々木公園までの約3kmを1時間半ほどかけて行進。幟や提灯を掲げ、シュプレヒコールを上げながら行進しました。
ただ、今年の参加者は1200名ほどと昨年の半数程度にとどまったようです。全国17か所で分散開催されたこと、この上ない行楽日和だったことも影響しているものと思われますが、日本の食と農を守るための活動(特に都会の消費者に訴えるための活動)は、特に世界情勢が混迷の度を深める中、これからも継続していく必要があります。
[参考]令和の百姓一揆実行委員会 FBページ
https://www.facebook.com/profile.php?id=61571764336699
◆ ほんのさわり
食や農の分野を中心に、考えるヒントとなる本を紹介します。
(過去の記事はこちらに掲載)
https://food-mileage.jp/category/br/
◆ ほんのさわり
-三原由起子『歌集・土地に呼ばれる』(2022.3、本阿弥書店)-
https://www.honamisyoten.com/item/tochiniyobareru/
【ポイント】
著者がふるさと浪江の「復興」の現実と向き合い、問いかける第2歌集です。

著者は1979年福島・双葉郡浪江町(なみえまち)生まれ。実家はおもちゃと自転車を扱う商店だったそうです。1997年、高校生の時に第1回全国高校詩歌コンクール短歌部門優秀賞を受賞。進学のために上京した後も歌を詠み続け、多くの賞の候補となってきました。現在は日本歌人クラブ参与、現代歌人協会会員。東京・下北沢でご主人と出版社を営んでいるそうです。
この歌集は、第一歌集『ふるさとの赤』(2013年5月出版)から9年後、ふるさと浪江町に改めて向き合うことを決心して出版されたものだそうです。
浪江町は避難地域12市町村のなかでも避難指示の解除が遅く(2017年に一部解除)、現在も町内には広大な帰還困難区域が残り、住民基本台帳に登録されている人数に対する実際に居住している人数の割合は17%にとどまっています。一方、巨額の復興予算をつぎ込んで様々なプロジェクトが進行中です。
この歌集の中でとりわけ有名な歌の一つが、次の一首です。
「復興と言われてしまえば本当の心を言葉にできない空気」
著者は別のエッセイで、「「復興」と言えば何でもアリの風潮に、福島では本当の心を言葉にできない空気になっていると感じている」「そのような空気感を打ち破りたい」との気持ちからこの歌を詠んだと書いています。
著者の実家の商店も取り壊されて更地になり、入り口がどこだったかも分からなくなってしまっているとのこと。しかし、
「壊されし店の二階のわれの部屋空気となって留まっている」
街と、人々の暮らしの記憶は、魂となって留まっているというのです。
それにしても東京電力・福島第一原発事故から16年目に入った現在もなお、被災者は何という理不尽な境遇に置かれていることでしょうか。そして、東京都民を含め多くの国民が原発事故など過去のものとして忘れつつあることも、理不尽極まりないことではないでしょうか。
◆ 情報ひろば
拙ウェブサイトやブログの更新情報、食や農に関わる各種イベントの開催情報等をお届けします。
▼ 拙ブログ「新・伏臥慢録」更新情報
〇 「入れ放題の豚汁の具」の向こう側[3/23]
https://food-mileage.jp/2026/03/23/blog-631/
〇 『NOTO hundreD-能登の食と人と文化を感じるタビ』キックオフイベント[3/25]
https://food-mileage.jp/2026/03/25/blog-632/
▼ 筆者が関心のあるイベント等を勝手に紹介します。
参加等を希望される際には、事前に主催者にお問い合せ下さい。
〇 ハンセン病問題を知る企画2026春~「らい予防法」から考える
日時:3月31日(火)~4月5日(日)9:30~18:00
場所:東村山市立中央公民館1階展示室(東京・東村山市)
主催:ハンセン病問題を知る企画 実行委員会
(詳細、問合せ等↓)
https://hansen-higashimurayama.jimdofree.com/
〇 坂田昌子さんによる森の再生ワークショップ@笠間
日時:4月11日(土)10:00~16:00
場所:かさまコモンフォレスト(茨城・笠間市小原地区)
主催:NPO法人友部コモンズ
(詳細、問合せ等↓)
https://www.instagram.com/p/C8b3dlgSxaF/
〇 「PTくまもと山都」2026植樹ツアー、
日時:4月18日(土)~19日(土)
場所:熊本・山都町
主催:Present Tree
(詳細、問合せ等↓)
https://blog.presenttree.jp/2026/02/23/17433/
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* 米令寺忽々のコツコツ小咄
「トランプ定食をお願いします」
「えっ、何ですか?」
「日替わりを」
コツコツ小咄は個人のフェイスブックで週3日お披露目中。月ごとの「まとめ」は以下に掲載しています。
https://food-mileage.jp/category/iki/
* 次号No.339は4月17日(金)[和暦 弥生朔日]に配信予定です。
正確でより役に立つ情報発信に努めてまいりますので、読者の皆さまのご意見・ご批判、ご要望等をお聞かせ頂ければ幸いです(このメールに返信頂ければ筆者に届きます)。
* 和暦については、高月美樹さん『和暦日々是好日』を参考にさせて頂いています。いつも有難うございます。
https://www.lunaworks.jp/
* 本メルマガは個人の立場で配信しており、意見や考え方は筆者の個人的なもので、全ての文責は中田個人にあります。
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◆ F.M.Letter -フード・マイレージ資料室 通信-【ID;0001579997】
発行者:中田哲也
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