2026年4月18日(土)~19日(日)、今年もプレゼントツリーくまもと山都の植樹ツアーに参加させて頂きました。
大切な人のために、地域のために、地球のために樹を植えているプレゼントツリーの取組み、これまで国内60ヶ所・海外2カ所で50万本以上の植樹を行っているそうです(主催はNPO法人 環境リレーションズ研究所)。
2026年4月18日(土)は始発で羽田へ。朝8時発のJAL625便は満席、10時前に阿蘇くまもと空港に到着。
あれれ、いつの間にか「阿蘇くまもん空港」に表記が変更されています。熊本出身の尾田栄一郎氏が描く『ONE PIECE』の大きな壁画も。
細かな雨が落ちる中、一行を乗せたバスはスタート。今年もECO九州ツーリストの寺崎 彰さんがガイドして下さいます。参加者はスタッフを含めて10名強と昨年より少なめです。

九州中央自動車道を経由して山都町へ。バスの車中で参加者一人ひとりから自己紹介。初参加の方が多いようです。
山都町の中心部・浜町にある本(もと)さつまやに到着したのは11時20分過ぎ。ここで有機茶農家の下田美鈴さんも合流して下さいました。
岸本料理長からお店とお料理についての説明。今年で創業152年目になるそうです。あか牛、サクラマス、有機野菜など地元産の食材を使ったお弁当。ジビエ(鹿肉のチャーシュー)も。ご馳走様でした。

食事の後、バスで白糸台地にある犬養公民館に移動。ここで藤吉勇治先生から、白糸台地に生息する生きもの等についてレクチャーを頂きました。
藤吉先生が会長を務めておられる矢部郷自然観察会が発足したのは1986年。40年にわたって子どもを中心とした観察会を続けておられるそうで、その内容をまとめた小冊子も求めさせて頂きました。子どもを観察会の主役にするため、ジュニア・レンジャー(子ども自然観察指導員)を認定するといった独自の取組みもされているそうです。
この地域では永年にわたって有機農業が行われているため(化学合成農薬が使用されていないため)、多様な生き物の宝庫となっているとのこと。珍しい鳥や昆虫、水生生物の写真を見せて下さいます。地域生物多様性増進法に基づく「自然共生サイト」(2023年)にも認定されているそうです。

観察サイトまで徒歩で案内して下さいました。
雨は上がり、陽が差してきて気温も上昇。通潤用水から水が流れ込んでいる棚田の背後の丘は過去の Present Tree の植栽地です。遠目には順調に育っているようですが、シカや野ウサギの食害を受けている苗木もあるそうです。
準備して下さっていた網で、それぞれ水の中を探ってみます。たちまちアカハライモリ、タイコウチ、サワガニ等が捕獲できました。水面にはシオカラトンボが舞い、シュレーゲルアオガエル等の鳴き声が聞こえます。
藤吉先生がそれぞれの名前や生態などについて説明して下さいます。生き物に対する先生の熱い思い(愛)も伝わってきました。

周辺は、見事な棚田や茶畑の景観。
天水に頼っていた白糸台地は、江戸時代末期に通潤橋・用水が開削されることによって本格的な農業ができるようになりました。そして現在も農業が続けられることによって、棚田等の景観は維持されています。特に下田さん達が有機農業に取り組んできたことによって、豊かな生物多様性も保全されているのです。
しかしこれら景観や生物多様性といった価値は、お米やお茶の価格には十分には反映されておらず、山都町の農業も厳しい状況にあります。下田さんから「このままでは山都町の農業も、あと5年」という、菅野芳秀さん(山形・長井市、農業)と同じ言葉が出たことに驚きました。

1万5千年の歴史があるとされるパワースポット・幣立神宮へ。
今回は石段を社殿まで登るのはやめて、のんびりと脇の山道を五百枝杉(いおえすぎ)まで歩いてみました。大きな枝が折れてしまっています。熊本は10年前の地震だけではなく、毎年のように豪雨等の被害を受けています。
山道脇にはマムシグサの花。

馬見原(まみはら)は、肥後と日向を結ぶ「日向往還」の宿場町。古くからの交通の要衝です。
馬見原橋は車道の下に歩道があり、足下に五ヶ瀬川の流れを眺めることができます。橋のたもとには見事な八重桜。地元出身の寺崎さんの案内(自慢話)で商店街を散策。小規模ですが落ち着いた街並みです。ドーナツや桜コロッケを求める人も。

今回も宿泊はごかせ温泉・木地屋。気持ちのいい温泉を浴びてレストランで夕食・交流会。
私からは、鈴木理事長の昨年に続き、「令和の百姓一揆」に合わせて個人で作成した「なぜ農業問題は都市(消費者)住民の問題なのか」と題するチラシをお配りし、説明させて頂きました。
その後は地元の芋焼酎などをたらふく。そのままベッドへ。
翌日はいよいよ植樹イベントの当日。ところがお天気は良くありません。昨年も雨模様だったのが2日目には上がったのですが、今年は叶いませんでした。
10時頃に植栽地に到着。スポンサーであるロクシタン、ジェットスターの方たちも別のバスで来て、合流します。熊本市から個人で来られた方も。
山道を植栽地に向かいますが、ぬかるんでいて何度も足を取られそうになります。スベるのは慣れてはいるのですが。

開会式も、しっかりとした雨のなか。
鈴木理事長からは「6年間通い続けているが初めての雨になったが、これは森にとっては恵みの雨。毎年、地元の方たちがこぞって歓迎して下さる熱意を有難く思っている」等の挨拶。
副知事、町長、地権者代表の方たちからも歓迎の挨拶を頂きました。熊本県立矢部高校林業科学科の生徒さんたちの姿も。

植樹のお手本を見せて頂いたのち、班に分かれてそれぞれ担当する場所へ。
地元の方がリボンを付けた杭を立て、その脇に苗を置いて下さっています。20cmほどの深さの穴を掘り、苗を入れて、足で踏んでしっかりと固定していきます。
11時20分頃に植樹イベントは終了。閉会式も雨のなか。
森林組合の方に伺ってみると3月頃までは水不足だったそうで、恵みの雨となったことは間違いないようです。今年もお世話になり有難うございました。

昼食会場の通潤酒造・寛政蔵へ。水道をお借りして靴の泥を落としてから会場へ。
蔵を改装した、広々とした気持ちのいいカフェです。

通潤酒造は1770年創業の老舗で、山下泰雄さんは12代目になるそうです。今年も蝶ネクタイのおしゃれな姿。
鶏の西京焼き、オーガニック野菜など。新しい日本酒も飲ませて頂きました。ご馳走様でした。

交流会では、スポンサーであるロクシタンジャポン、ジェットスターの方からの説明。
それぞれ植樹という社会的な活動に対する企業の理念や、これまでの実績について説明して下さいました。
続いて寺崎 彰さんからのプレゼン。
九州脊梁山地の素晴らしい四季の姿を描いた動画も上映して下さいました。紅(黄)葉は300種類もあるそうです。なお、動画はECO九州ツーリストのHPからも視聴することができます。
下田美鈴さんからは、「経済林を自然林に返したい。有機農業がどの程度生物多様性に貢献するかを知りたいと思い、藤吉先生に協力して頂き生き物調査も行ってきた」等の活動紹介がありました。
地元の特産品の販売も。今年も下田茶園のお茶などを求めさせて頂きました。
その後はリニューアルされた通潤橋の物産館に立ち寄って買い物などしてから、15時過ぎに熊本空港に到着。ここで解散です。雨は上がっています。
下田美鈴さん始め山都町の皆様、全行程を同行して下さった寺崎 彰さん、主催者であるNPO法人環境リレーションズ研究所の鈴木敦子理事長、スタッフの皆様、今年もお世話になり有難うございました。また来年を楽しみにしています。

さて、せっかく熊本に来たので熊本市内でもう1泊。20年前の熊本在住・在勤中からお世話になっている方たちと水前寺で会食。美味しいお料理とお酒、楽しい会話を有難うございました。
翌日はレンタカーを借りて、ミルクロードを産山村まで。

農家レストラン・山の里で、あか牛の焼肉定食を頂きました。
こちらも長くお世話になっている畜産農家の方(2024年に公開されたドキュメンタリ映画の主役でもあります。)の声が聞きたいと思って電話すると、何と「山の里」まで来て下さいました。久々にお目に掛かりましたがお元気そうです。地元のお豆腐迄頂きました。申し訳ありません。

熊本地震で倒壊した阿蘇神社は、見事に再建されていました。道の駅 あそ望の里くぎのにもくまモンとワンピース。ジェラートを頂いて一休み。
16時過ぎにレンタカーを返却して空港へ。あか牛メンチカツと「しろ」(米焼酎)ハイボール。

17:25発JAL634便は定刻に出発。ところが気流が悪いとのことでなかなかベルト着用のサインが消えず、トイレに行けません。
19時過ぎに無事に羽田空港に到着。リムジンバスで所沢に向かいます。
山都町の棚田も阿蘇の景観も、地域に農林業があり、さらに農林業を担う方がおられるお陰でこれまで維持されてきました。貴重な財産(heritage)を未来につないでいくために、都市の消費者等(私もその一人)に何ができるのか、東京の夜景を眺めながらぼんやりと考えていました。下田美鈴さんの「あと5年」という言葉が耳から離れません。
(参考)
ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」
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https://www.mag2.com/m/0001579997
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