【メルマガ】F.M.Letter No.339-pray for peace.

◇フード・マイレージ資料室 通信 No.339◇
 2026年4月17日(木)[和暦 弥生朔日]
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◆ F.M.豆知識  なぜ農業問題は都市住民(消費者)の問題なのか
   (2)最初に飢えるのは都市住民?
◆ O.カレント  戦争被災地・表参道
◆ ほんのさわり 菅野静枝『非戦行脚29年』
◆ 情報ひろば  ブログ更新、イベント情報等
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 天候不順を伴いながらも、東京地方では日々気温が上昇。早くも猛暑の予感に怯える日々です。
 本メルマガは時の流れを体感して頂くため、和暦の朔日(新月)と十五日(ほぼ満月の日)にコツコツと配信しています。

◆ F.M.豆知識
 食や農に関連して、私たち消費者にちょっと役に立つ、あるいは考えるヒントになるデータ等をコツコツと紹介します。
 (過去の記事はこちらに掲載)
https://food-mileage.jp/category/mame/

-なぜ農業問題は都市住民(消費者)の問題なのか-
 (2)最初に飢えるのは都市住民?

【ポイント】
 東京都を始めとする大都市部では、将来にわたって十分な食料が供給される保障はありません。戦争や災害が起こった時に最初に飢えるのは都市住民である可能性が高いのです。

「令和の百姓一揆2026」に合わせて個人で作成した「なぜ農業問題は都市住民(消費者)の問題なのか」の内容を紹介する2回目です(全体は以下)。
https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2026/03/260329__ikki.pdf
 このうち今回紹介するのは、2番目の「最初に飢えるのは都市住民?」と題するグラフです。
https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2026/04/339_ikki2.pdf

日本の食料自給率(2023年度)はカロリーベースで38%、生産額ベースで61%と、主要先進国の中で極めて低い水準にあることは知られていますが、当然ながらこの水準は都道府県によって大きな違いがあります。
 基礎的な栄養価であるエネルギーに着目したカロリーベース自給率を都道府県別にみると、北海道213%、秋田202%等と、これら道県では地域内で消費する量以上の食料が生産され域外に移出されていることが分かります。
 一方、大都市部についてみると、東京0%、大阪1%、神奈川2%等と極めて低いものとなっています。人口の大都市部への集中により、食料の生産地と消費地とが大きく離れ、分断されてしまっている現状にあるのです。

 このような状況は、これまでは経済効率性の観点から合理的なものとされていました。しかし、最近の世界情勢から現実にエネルギー輸入には支障が生じており、生産地から消費地までの円滑な輸送についての懸念が顕在化してくる恐れもあります。エネルギーと同様に輸入に依存している食料についても、将来にわたってこれまでどおり輸入できる保障はありません。
 戦争や災害が起こった時に最初に飢えるのは、東京をはじめとする都市の住民である可能性が高いのです。

[データの出典]
資料:農林水産省「都道府県別食料自給率」から作成。
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/zikyu_10.html

◆ オーシャン・カレント
 食や農の分野で先進的かつユニークな活動に取り組んでおられる方や、食や農に関わるトピックスを紹介します。
 (過去の記事はこちらに掲載)
https://food-mileage.jp/category/pr/

-戦争被災地・表参道-

【ポイント】
 今年も「令和の百姓一揆2026」で行進した表参道は、第二次世界大戦の末期に大きな空襲の被害を受けた地です。

(中田撮影、2026.4/14)

本(2026)年3月29日(日)に行われた「令和の百姓一揆2026」では、これ以上ない好天の下、トラクター・軽トラ、人の行進が行われました。コースは前年と同じで、青山公園南地区から表参道を経由して代々木公園までの約3kmです。
 表参道交差点を通過する頃には夕暮れが近づき、提灯の明かりが目立つようになってきました。実はここが空襲で大きな被害を受けた地であったことを、ごく最近になって知りました。終戦から3か月前の5月25日の山の手大空襲により、4000人近くが亡くなり2万人近くが負傷したのです。

「一揆」から半月後の4月14日、改めて表参道を訪ねました。2007年に区政60周年を迎えた港区が建立した「和をのぞむ」の碑については、これまで存在自体知りませんでした。見慣れたはずの一対の大きな石灯篭の基部は確かに黒く変色しており、これは焼死した人の脂や血が滲んだ痕ともされているそうです。
 交番の裏手にある秋葉神社はすっかり改修されていますが、かつては狛犬も一部が欠け、黒く焼けていたとのこと。さらに裏道を入ったところにある善光寺(広壮な伽藍に驚きました)の境内には「戦災殉難諸精霊供養塔」「陸軍経理学校生徒隊慰霊碑」があり、毎年、追悼のための法要が行われているそうです。
 日本で有数の繁華街である表参道にも、気を付けて見れば、約 80年前の戦争の痕が今なお刻み付けられていることに気づきます。

[参考]
「1945年5月、港区に大規模な空襲がありました」(広報みなと)
https://www.city.minato.tokyo.jp/kouhou/kuse/koho/minato2025/202505/20250501top/03.html

◆ ほんのさわり
 食や農の分野を中心に、考えるヒントとなる本を紹介します。
 (過去の記事はこちらに掲載)
https://food-mileage.jp/category/br/

◆ ほんのさわり 
-菅野静枝『非戦行脚29年~戦前にしないために』(2023.10、学習の友社)-
https://gakusyu.hateblo.jp/entry/2023/10/19/110554

【ポイント】
 戦犯処刑者の孫の妻だった著者は、夫の一周忌の日から非戦のための全国行脚を行い、戦争経験者等へのインタビューを続けています。

東日本大震災から15年目に当たる2026年3月11日(水)、渋谷の映画館のロビーで『金子文子~何が私をこうさせたか』の上映開始を待っていた時、やはり映画を待っておられた小柄な高齢の女性から声をかけられました。髪は短く刈り込み、尼さんのような風貌です。
 お話を伺うと非戦のために全国行脚を続けられているとのことで、せっかくのご縁なのでその場でご著書を求めさせて頂きました(押し売りしたみたいでごめんなさい、としきりに恐縮しておられました)。
 その菅野静枝さん(すがのしずえさん、「静」は旧字)は1940年東京・下町生まれ。高校卒業後、テレビタレント、喫茶店や書店員等など様々な職業を経験されました。1990年に菅野 武氏(廣田弘毅の孫)と結婚するも957日で死別、その一周忌の日から非戦のための全国行脚を始められ、延べ3万人以上の戦争経験者等にインタビューされているそうです。本書は、その内容の一部を収録した2冊目の著書です。

私はこの本によって、初めて山の手大空襲のことを知りました(オーシャン・カレント欄参照)。
 10代で鉄血勤皇隊の一人として沖縄戦の地獄を体験した太田昌秀氏(元沖縄県知事)や長崎の原爆で被爆し家族を失った女性、かつて従軍慰安婦や加害兵士だった方へのインタビューも収録されています。
 また、東京大空襲等で両親を亡くした当時7歳の女性にとって、幼い弟とともに行くところは上野駅の地下道しかありませんでした。いわゆる「駅の子」です。そこでは毎日2~3人、多い日には6人もの餓死者が出るなど、戦争末期から戦後にかけての東京の食糧事情は極めて厳しいものでした。

ちなみに1945年の東京都の人口は現在の4分の1の約350万人。万一、戦争等が起こった場合の大都市・東京の飢餓のリスクは、現在は格段に大きくなっている可能性があります。
 人口の90%近くが戦後生まれとなっている現在、86歳となった著者は「新たな戦前にしない」ための行脚を続けておられます。

◆ 情報ひろば
 拙ウェブサイトやブログの更新情報、食や農に関わる各種イベントの開催情報等をお届けします。

▼ 拙ブログ「新・伏臥慢録」更新情報
〇 菅野芳秀さん「食といのちの自給圏を創り出す」(第9回 食と農の未来フォーラム)[4/8]
https://food-mileage.jp/2026/04/08/blog-633/

〇「令和の百姓一揆 2026」参加報告[4/9]
https://food-mileage.jp/2026/04/09/blog-634/

〇 坂田昌子さんによる森の再生ワークショップ@笠間[4/16]
https://food-mileage.jp/2026/04/16/blog-635/

▼ 筆者が関心のあるイベント等を勝手に紹介します。
 参加等を希望される際には、事前に主催者にお問い合せ下さい。

〇 「PTくまもと山都」2026植樹ツアー、
 日時:4月18日(土)~19日(日)
 場所:熊本・山都町
 主催:Present Tree
 (詳細、問合せ等↓)
https://blog.presenttree.jp/2026/02/23/17433/

〇 『ラディカル・ラブ~サティシュ・クマール巡礼の旅』上映会&トーク
 日時:5月1日(金)~2日(土)、午前及び午後に数回開催
 場所:路地裏ガレージマーケット(さいたま市中央区鈴谷7)
 主催:路地裏シネマプロジェクト
 (詳細、問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/822682617544617/

〇 本木上堰 春の浚い/森林再生ボランティア
 日時:5月4日(月)~5日(火)
 場所:福島・喜多方市山都
 主催:本木・早稲谷 堰と里山を守る会
 (詳細、問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/2012616232944064/

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* 米令寺忽々のコツコツ小咄
「誰がこんなに農地を荒らしてしまったんだ! ここから立ち上がるぞ!」
「えっ、どこから?」
「耕作放棄(蜂起)地」

 コツコツ小咄は個人のフェイスブックで週3日お披露目中。月ごとの「まとめ」は以下に掲載しています。
https://food-mileage.jp/category/iki/

* 次号No.340は5月1日(金)[和暦 弥生十五日]に配信予定です。GW真っただ中、忘れないようにしないと。
 正確でより役に立つ情報発信に努めてまいりますので、読者の皆さまのご意見・ご批判、ご要望等をお聞かせ頂ければ幸いです(このメールに返信頂ければ筆者に届きます)。

* 和暦については、高月美樹さん『和暦日々是好日』を参考にさせて頂いています。いつも有難うございます。
https://www.lunaworks.jp/

* 本メルマガは個人の立場で配信しており、意見や考え方は筆者の個人的なもので、全ての文責は中田個人にあります。
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◆ F.M.Letter -フード・マイレージ資料室 通信-【ID;0001579997】 
 発行者:中田哲也
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