【ブログ】第11回路地裏シネマ『ラディカル・ラブ』上映会及びトーク

2026年5月2日(土)は、埼玉・与野へ。快晴、気温も上がる予報です。
 以前、さいたま新都心に2年ほど勤務したことがあるので全く土地勘が無い訳ではないのですが、埼京線沿いはあまり知りません。南与野駅に着いてGoogleMapで「史跡」を検索してみると、色々と出てきました。

線路沿いを南下していくと、清流があり生き物の観察会等も行われているらしい「河童の森」。
 さらに少し西に進んだところにあるのが日向不動堂で、その境内に真鳥(まとり)日向守城跡と記された碑があります。鎌倉幕府の有力御家人・畠山重忠の家臣だった真鳥日向守の居城があったそうですが、遺構は何もありません。
 碑は、1989年、新住居表示制度の施行により「日向」の地名が消滅することを惜しんだ地元有志の方たちが建てたものだそうです。

Mapには、いくつかの古墳も表示されました。
 その一つ、写真左の日向(ひなた)古墳は住宅地の中にある小さな円墳。説明板かと思うと「土砂等投げ捨て禁止」の看板しかありません。
 少し離れたところにあるのが本杢(ほんもく)古墳。こちらも住宅地の中ですが規模が大きく、一帯が緑地として整備されており、説明板もありました。

ここから北に向かって10分ほど歩くと、この日の目的地である「路地裏 Garage Market」の看板が出ていました。
 矢印の通り路地を左に折れてすぐのところに、何となくごちゃごちゃとした、面白そうな建物がありす。元は材木屋さんの倉庫だったそうで、入ってみると中は広々とした快適な空間で、食べものや雑貨等のお店が出ています。
 金魚のちっちゃな稚魚等が泳ぐ水槽の上に置かれた棚では、野菜が育てられています。水を循環させるアクアポニックスと言う仕組みだそうです。

さて、この日開催されていたのは「第11回路地裏シネマ」。ドキュメンタリ『ラディカル・ラブ ~サティシュ・クマール 巡礼の旅~』の上映会とトークです。
 主催者の一人「ちーちゃん」さんは、以前に東京・桧原村でのゴマ栽培プロジェクトで何度かご一緒した方。10数年ぶりの懐かしい再会となりました。
 会場である2階も広く、ゆったりとしたソファに着席。定刻の10時過ぎ、主催者の挨拶に続いて上映が始まりました。

サティシュ・クマールは現代を代表するエコロジー思想家。ガンディーの非暴力思想に感化されて、核兵器保有国に廃絶を訴える1万3,000kmの巡礼の旅の様子等が描かれます。
 サティシュは9歳の時にジャイナ教の修行僧になったものの後に還俗。このことで母親から勘当されるものの、平和巡礼の後に許されたというエピソードも紹介されています。
 サティシュは「我々は今、分岐点にいる。今後も同じ暴力の道をたどるのか、あるいは倫理と思いやりの道に戻るのか」と語ります。

画像は『ラディカル・ラブ』予告編より。

上映後は、「ちーちゃん」さんの進行により、ガンディー研究者の石井一也先生(香川大学法学部教授)をゲストに招いてのトークです(文責・中田)。

 石井先生は「サティシュは現代を代表するガンディアンの一人して著名だが、この映画で描かれている生い立ちや母親との関係は興味深かった」等の感想。
 また、「一般にインド独立運動の指導者として知られるガンディーだが、近代文明を批判する思想家としても重要。手紡ぎを奨励したガンディーの思想は、生産性ばかり重視する現代の経済学とは正反対。手紡ぎは効率が悪いとされるが、逆に見ると機械織りに比べて数十倍の雇用が確保されると言える。ガンディーの思想は現在も重要な意味を有している」等の解説も。

ちなみに「ちーちゃん」さんも、映画で描かれているサティシュの巡礼と同様、お金を持たずに北海道から沖縄までヒッチハイクの旅をした経験があるそうです。

会場との質疑応答・意見交換も、石井先生と旧知の方も多く盛り上がりました。
 その流れで全員で記念撮影も。私も端っこの方から顔を出しました。

修了後は、石井先生はじめ何人かの方とランチを頂くことができました。
 出店されていたネパールカレーは本格的で美味、ご馳走様でした。
 壁には路地裏シネマプロジェクトの掲示も。次回(第12回)は6月12日(金)、13日(土)に『プラスチックの海』上映会&トークを行う予定とのこと。
 カフェスペースの壁の猫は、「ちーちゃん」さんが描いたものだそうです。多才な方です。

食事をしながら私から、「映画では『今は分岐点』とあったが、この映画が公開された2024年以降、世界はますます悪い方向に進んでいるのではないか。確かに素晴らしい映画だったが、良かったね、面白かったねと記念撮影しているような場合ではないのでは」等と発言。
 我欲で戦争を起こす超大国のリーダーや、圧倒的な支持を背景に原発再稼働や軍拡に邁進する現政権のふるまいが念頭にあります。どうも私が発言すると場が暗くなります。
 「映画の中でサティシュも言っていたように、楽観的であることが大切だよ」といったアドバイスを下さった方も。

この日は、学生も連れて世界的に災害ボランティアの活動をされている方、市民科学に関するNPOの理事をされている方もおらました。また、このような貴重な「場」を開設・運営されている方、手作りの上映会を定期開催されている方も含め、それぞれに実践されている方ばかりです。
 そのような方たちが明るく笑顔で語り合っている姿を目のあたりにするうち、ぐじぐじと思い悩んでいるばかりの自分が恥ずかしく思えてきました。

 むろん世界や社会はすぐに簡単に変わるわけではありませんが、あきらめず、絶望もせず、自らの身の丈に合わせて、できることを、身の回りから進めていくことの大切さを理解することができました。
 さらに、リアルな「場」で、様々な方と顔を突き合わせて語ることの大切さ、素晴らしさも再認識する機会にもなりました。

主催者の「ちーちゃん」さん達、石井先生、お話しさせて頂いた皆様、有難うございました。路地裏 Garage Marketには、上映会も含め、また伺いたいと思います。

(付記)
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