【ブログ】日本農業新聞論説委員 学習会で話題提供させて頂きました。

農業分野では最も権威ある日刊専門紙・日本農業新聞。
 私も現役時代は職場の上司の「お下がり」で様々な情報を頂いていましたが、昨年3月に完全に退職した後は日農の有用さを改めて実感、し電子版の有料会員に登録させて頂きました。4コマ漫画「ゴリパパ一家」もの毎日の楽しみです・

その日本農業新聞の論説委員会の学習会に招いて頂きました。何とも光栄なことです。
 2026年5月28日(木)10時40分頃に東京・秋葉原の日本農業新聞社本社ビルに到着し、エレベータで8階へ。立派な役員フロアに気後れを感じていると係りの方が迎えに来て下さり、控室で水を出して下さった後、特別会議室に案内して下さいました。
 入室すると、20名以上の論説委員、役員、記者の方達がずらりとテーブルに並ばれています。ますます緊張。
 壁には「令和の百姓一揆」の際に個人で作成した「農業問題は都市農業の問題」の幟を、お願いしたとおり掲げて下さっています。

左は日本農業新聞電子版より。

10時50分、論説委員長の鈴木祐子さんの司会により開会。
 「より豊かな未来の食のために-いま、改めて考える私たちの食と農」というタイトルのスライドを映写しながら説明させて頂きました(説明資料の全体はこちら)。

前半は、改めてフード・マイレージについて、後半はトピックスという構成です。

フード・マイレージの定義、計算方法、輸入食料のフートー・マイレージの国際比較(日本は先進国の中で突出)を説明。
 さらに、地産地消は輸送に伴うCO2排出量を抑制する面でもメリットがあることを、日本農業新聞本社ビルでたまねぎの料理教室を行うことを仮定したケーススタディについてを説明。
 地場(練馬区)産のたまねぎを使用した場合は、輸入品(中国産)を使用した場合に比べて約170gのCO2削減効果があること、これは年間を通じてエアコンの温度を調節する取組みの1.5倍の効果があります。
 フード・マイレージは輸送面に限定されているという限界はあるものの、気づきのヒントとしては有用であることを説明させて頂きました。

フード・マイレージ(地産地消)を意識することは自らの健康だけではなく、自給率、地球環境への負荷の低減等にも有用であること(「プラネタリー・ヘルス・ダイエット」も紹介)、さらに中東危機等が顕在化するなか、輸送面に着目することがさらに重要になっているのではないかと問題提起させて頂きました(フード・マイレージの現代的意義)。

後半のトピックスについては、まず、「統計の見方、使い方」についていくつかの話題提供。
 まず、「浜松市のぎょうざ日本一が三連覇」について。実は総務省「家計調査」におけるぎょうざ支出額には冷凍食品や外食が含まれておらず、これらを含めればやはり日本一は宇都宮市かも、とコメントさせて頂きました。
 もっとも、浜松ぎょうざ(もやしがトッピング!)は頂いたことがありませんが、美味しそうです。

次は本年2月20日付けの日本経済新聞の記事を紹介。今般の農林業センサス結果を受けて「農家が初の若返り」との注目される記事です。
 ところがデータを拾ってみると、平均年齢が低下したのは高齢層が大きく減少した結果に過ぎないのではないか、とコメント。
 もっとも三重県においては(記事にある通り)新規就農者への助成策が充実していることもあって、35歳未満層が増加しています。

同じく2025年農林業センサス結果についての農水省統計部公表資料では、大規模層(20ha以上層)の経営耕地面積のシェアが上昇していることを指して「規模拡大が進展」とあります。
 しかし、これもデータをよく見ると、小規模層を含む全体の経営耕地面積が大きく減少した結果、大規模層のシェアが拡大したのではないかとコメント。

そして昨年の「令和の百姓一揆」の際に話題となったいわゆる「時給10円」円について。
 この「時給」の計算は、農水省が公表している農業所得を農業労働時間で除した数字ですが、統計処理としては適切とは言えません。労働時間には雇用労働者や法人経営の有給役員等の労働時間が含まれている一方、所得の計算上は、雇用賃金や法人経営の有給役員等の給与は経費として差し引かれているのです。
 さらに、このようなショッキングな数字をあえて強調しなくても、ミクロの経営統計でもマクロ統計でも農業の所得が低いことは明らかである旨を説明させて頂きました。

 ちなみに上記の計算方法では、米価格の上昇もあり、2024年の水田作経営の「時給」は846円となります。

そして、本年の「令和の百姓一揆」についても紹介。
 東京での行動に参加した個人的な感想としては、 昨年は「令和のコメ騒動」で世間の注目が高かったこち、今年は同時開催したところが多かったにしても、東京での参加者は昨年の3割弱に留まり淋しく感じました。
  「喉元過ぎれは・・・」ということでしょうか。これからも地道に農業・農村の現状を都市の消費者等に訴えていくことの必要性を改めて感じたと紹介させて頂きました。
  また、「なぜ農業問題は都市住民(消費者)の問題なのか」と題する個人作成のチラシの内容も紹介させて頂きました。

最後に「おわりに」として(おわりと言えば名古屋城)、食食と農に係る問題点の多くは「食と農の間の距離」が拡大していることに起因しており、そり距離を縮めていくことの大切さを強調しさせて頂きました。

このための個人的なささやかな取組みとしての「食と農の未来フォーラム」についても紹介祖せて頂きました。
 第10回はちょうどこの日の夕方の開催だったこともあり、この日の学習会に参加して下さった皆さんも関心を持って下さったようです。

参加された論説委員、役員、記者の方たちとの間で質疑応答、意見交換。
 都内でもどんどん農地が宅地化されており、利用していた市民農園も相続の関係で閉鎖されたことを報告して下さった方。

小農学会でも話題となった「日本の人口に占める農家の割合」についての質問も。
 農家(農業経営体)と比べるなら世帯数、人口(労働人口)と比べるなら農業就業者数が適切であり、数字は手元にないが、いずれもGDPに占める割合(約1%)よりは高いのではと回答。
 ところが後日、数字を確認してみると前者(世帯数)は0.96%とGDP並みであることが確認できました(労働力人口としては農林業で2.5%)。

また、個人的にローカルな活動にも取り組み始めたと配布させて頂いた地元のミニコミ誌『みんなの恩多町』を紹介させて頂いたところ、循環型の社会(農業)の構築が必要と言うのであれば、そのための指標の開発が必要ではないか等のご意見も頂きました。今後の重要な課題です。

現場取材を続けておられる記者の方からは「米関係の統計の簡素化のスピードが速すぎるのではないか」とのご意見(苦言)も。職員数が減少している等の事情はよくご存じのようです。

終了後も、多くの方が来て下さって名刺交換し、ご意見などを聞かせて頂きました。
 実際に取材された現場の実情等を踏まえたご意見や質問は、私にとっても大変有意義なものでした。大きな刺激にもなりました。
 このような機会を頂いた鈴木論説委員長はじめ皆様に感謝申し上げます。

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(参考)
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