【メルマガ】F.M.Letter No.342-pray for peace.

◇フード・マイレージ資料室 通信 No.342◇
 2026年5月31日(日)[和暦 卯月十五日]
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◆ F.M.豆知識  過去最高を更新し続ける名目GDP
◆ O.カレント  蔵書室ふもと(東京・杉並区善福寺)
◆ ほんのさわり グリーンズ『リジェネラティブデザイン』
◆ 情報ひろば  ブログ更新、イベント情報等
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 時候は「麦秋至(むぎのときいたる)」。蒸し暑くなってきました。今年は10年ぶりの「スーパーエルニーニョ」の発生も予想され、猛暑と豪雨のリスクが高まっています。
 本メルマガは時の流れを体感して頂くため、和暦の朔日(新月)と十五日(ほぼ満月の日)にコツコツと配信しています。

◆ F.M.豆知識
 食や農に関連して、私たち消費者にちょっと役に立つ、あるいは考えるヒントになるデータ等をコツコツと紹介します。
 (過去の記事はこちらに掲載)
https://food-mileage.jp/category/mame/

-過去最高を更新し続ける名目GDP-

【ポイント】
 名目GDPが5年連続で過去最高を更新するなか、第一次産業のシェアは小さく経済成長への貢献も小さいものとなっていますが、言うまでもなく産業の重要性は経済(お金)だけで測れるものではありません。

去る2026年5月19日(火)、内閣府は2025年度の名目国内総生産(GDP)を公表しました。リンク先のグラフは1994年以降の名目GDPの推移を経済活動(産業)別に示したものです。
https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2026/05/342_GDP.pdf

これによると、横ばいないし低迷していた名目GDPは2011年度を底に増加基調に転じ、2020年度以降は5年連続で過去最高を更新しています。
 これを経済活動(産業)別にみると(2025年度の数値は未公表)、第三次産業(サービス業等)がGDPの74.7%と大半を占めています。さらに内訳をみると不動産業12.7%、卸売・小売業12.4%、専門・科学技術、業務支援サービス業(研究開発サービス、広告業等)9.2%等となっています。
 一方、第二次産業(製造業、建設業等)のシェアは24.4%で、第一次産業(農林水産業)については棒グラフからは読み取れないほどで、そのシェアは折れ線グラフに示した通り低下傾向で推移し、2021年度以降は1%を割り込む水準となっていました(2024年度は1%台を回復)。

また、2020年度から24年度までの名目GDPの増加率(経済成長率)は12.7%となっていますが、これに対する産業別の寄与率をみると、やはり第三次産業は82%と大部分を占めています。一方、第一次産業の寄与率は0.6%に過ぎず、経済成長にはほとんど貢献していない実態にあります。しかしながら言うまでもなく、産業の重要性や「豊かさ」に対する寄与度は、経済(お金)だけで測れるものではありません。
 それにしても株価も毎日のように最高値を更新しているそうですが、その恩恵はどこに行っているのでしょうか。

[データの出典]
内閣府「国民経済計算(GDP統計)」から作成
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html

◆ オーシャン・カレント
 食や農の分野で先進的かつユニークな活動に取り組んでおられる方や、食や農に関わるトピックスを紹介します。
 (過去の記事はこちらに掲載)
https://food-mileage.jp/category/pr/

-蔵書室ふもと(東京・杉並区善福寺)-

【ポイント】
 「蔵書室ふもと」は地域に開かれた「本のある居場所」。このような場所が増えてくれば、私たちの街はさらに住みよいものになっていくものと思われます。

写真は中田撮影(2026.5/16)

緑と水の豊かな善福寺公園にほど近い住宅街に、2階建てのアパートがあります。ありふれた外見ですが、小さな看板が置かれ、中から子どもたちの声が聞こえてきます。
 ここが「蔵書室ふもと」。英治出版の編集者・廣畑達也さんがパートナーの方とともに、「そこにいることがゆるされる“本のある居場所”になれたら」と、自宅近くのアパートの一室を借りて2022年11月にオープンされました。
 中に入ると、壁はびっしりと本で埋まっています。オーナー自らが編集を担当した本を始め、様々な専門書や文芸書、絵本や漫画まであります。いずれもオーナーの思いがこもった本ばかりのようです。

ここには誰でも自由に、ふらっと来て、本を読むことができます。それだけではなく、友だちと遊んだり、おしゃべりしたり、昼寝したりと、ここに来る子どもや大人の目的は様々のようです。
 様々なイベントも開催されています。読書会(朝活、夜活)、映画鑑賞会、哲学対話、朗読会の練習会など、利用者の方が主催されているものも多いそうです。
 月1回、毎月第3土曜日には持ち寄り食事会も開催されています。先日伺った時は、近所の人たちが食材を携えて三々五々集まってきて、子どもたちも一緒にたこ焼きを作り、それをみんなで頂きながら、和やかな会話とゆったりと流れる時間を楽しませて頂きました。自作の「怖い話」を朗読してくれた小学生もいました。

 このような地域に開かれた「居場所」が増えてくれば、私たちの街はさらに住みよいものになっていくものと思われます。

(参考)
「fumoto_library 蔵書室ふもと」インスタグラム
https://www.instagram.com/fumoto_library/

◆ ほんのさわり
 食や農の分野を中心に、考えるヒントとなる本を紹介します。
 (過去の記事はこちらに掲載)
https://food-mileage.jp/category/br/

◆ ほんのさわり
-グリーンズ『リジェネラティブデザイン』(2026.7、英治出版)-
https://eijipress.co.jp/products/2359

【ポイント】
 リジェラティブデザインとは、人と社会と環境を再生するための具体的な考え方。一人ひとりが「内なる自然」を取り戻すことの大切さも強調されています。

編著者のグリーンズは、ウェブマガジン「greenz.jp」で環境・社会問題解決に向けての情報発信等を行っているNPO法人。
 本書は、そのウェブマガジンに連載された「リジェネラティブデザイン」に関する30名近くの先駆者に対するインタビュー記事を中心に構成されたものです。ちなみに450ページを超える大部な本ですが、具体的な実践内容等についての記事は分かりやすく、解説も含めて読みやすいものとなっています。

本書によると「リジェネラティブデザイン」とは、人と社会と環境を再生して「すこやかさ」を取り戻すための具体的な考え方(概念)とのこと。環境に対してポジティブな働きかけを行うという意志が含まれているということで、サステナブルとは異なるそうです。

 本書では、リジェネラティブデザインのために必要な7つのデザインコードが提示されています。その内容は「見えないものに目を向ける」「多様な関係性をつくる」「すでにある資源をいかす」等の、具体的ですが、一見、些細なことにも思えます。しかし、小さな行動が多くの人によって積み重ねられていけば、やがて地球という大きなシステムにポジティブな影響を及ぼすことができるとのことです。

 そのコードに沿ってインタビュー記事が分類・掲載されています。
 例えば、不耕起栽培の実証研究を行っている金子信博さん(福島大・名誉教授)、「菌築家」小野司さん、混生密生農法を実践する小林泰紘さん(かすかべ農園)、自給自足の酒造りに取り組む仁井田穏彦・真樹さん(仁井田本家)等々。
 最後に登場する坂田昌子さん(環境NGO虔十の会)は「内なる自然」を取り戻すことの大切さを強調されています。それは人間も生態系の一部であることを自覚し、自然に対する倫理観を呼び戻すために必要とのことです。

あとがきでは、「これまで国や行政など誰かに「お任せ」にしてきたことを、自分たちの手に取り戻し、小さくても自分たちなりの実践をしていくこと」が重要であると強調されています。私たち一人ひとりの主体性と具体的な実践が求められているのです。

◆ 情報ひろば
 拙ウェブサイトやブログの更新情報、食や農に関わる各種イベントの開催情報等をお届けします。

▼ 拙ブログ「新・伏臥慢録」更新情報
〇 「ちょうどいい食」とは(第224回 霞ヶ関ばたけ)[5/18]
https://food-mileage.jp/2026/05/18/blog-642/

〇 浪江町 樋渡・牛渡地区の田植え踊り[5/21]
https://food-mileage.jp/2026/05/21/blog-643/

〇 坂田昌子さん ゆるゆるガイドウォーク@高尾[5/26]
https://food-mileage.jp/2026/05/26/blog-644/

▼ 筆者が関心のあるイベント等を勝手に紹介します。
 参加等を希望される際には、事前に主催者にお問い合せ下さい。

〇 第28回適正技術フォーラム
 「日本の脱炭素化の方向性を問う─洋上風力発電と原発をめぐってー」
 日時:6月6日(土)14:45~17:15
 場所:オンライン
 主催:適正技術フォーラム
 (詳細、問合せ等↓)
https://atfj.jp/news/28thforum/

〇 第12回路地裏シネマ『プラスチックの海』上映会&トーク
 日時:6月12日(金)~13日(土)5回開催
 場所:路地裏ガレージマーケット (さいたま市中央区鈴谷7)
 主催:路地裏シネマプロジェクト
 (詳細、問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/1593111565115706/

〇 ロビー展示関連講演会
 「3.11から15年 被災地の現状と課題 ふるさとを想う歌人の視点」
 日時:6月17日(水)14:00~16:00
 場所:調布市西部公民館(調布市上石原3)
 主催:調布市
 (詳細、問合せ等↓)
https://www.city.chofu.lg.jp/100070/p060152.html
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* 米令寺忽々のコツコツ小咄
「今年のお盆こそは、故郷のお墓参りに行かなきゃ。AIと同じ」
「えっ、どういうこと?」
「どちらも帰省(規制)が必要ですから」

 コツコツ小咄は個人のフェイスブックで週3日お披露目中。月ごとの「まとめ」は以下に掲載しています。
https://food-mileage.jp/category/iki/

* 次号No.343は6月15日(月)[和暦 皐月朔日]に配信予定です。
 正確でより役に立つ情報発信に努めてまいりますので、読者の皆さまのご意見・ご批判、ご要望等をお聞かせ頂ければ幸いです(このメールに返信頂ければ筆者に届きます)。

* 和暦については、高月美樹さん『和暦日々是好日』を参考にさせて頂いています。いつも有難うございます。
https://www.lunaworks.jp/

* 本メルマガは個人の立場で配信しており、意見や考え方は筆者の個人的なもので、全ての文責は中田個人にあります。
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◆ F.M.Letter -フード・マイレージ資料室 通信-【ID;0001579997】 
 発行者:中田哲也
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