【ブログ】第5回 きいてみるフォーラム(東京・笹塚)

2026年6月4日(木)の18時30分からは、月1回開催されている勉強会「今夜でご機嫌@銀座で農業」に参加。
 蔦谷栄一先生(農的社会デザイン研究所)から「稲作と村落の変遷から中世を見直す」と題する講義。中世は近世の土台となった大きな転換点で、日本の田園風景や小農の萌芽も見られた時代とのこと。刺激的で興味深いお話でした。続編が楽しみです。
 終了後は、中華料理店で恒例の懇親会。

6月6日(土)の午前中は、今年から始めた体験農園の講習会に参加。
 葉物野菜は一段落、キュウリやトマト、インゲンの収穫も始まり、とうもろこしや枝豆も(台風で傾いたものの)すくすくと生長しています。
 早くも秋作の準備が始まります。

同じ日の午後は、東京・渋谷区笹塚へ。
 京王線笹塚駅の南口を出たところには玉川上水の流れ。ここでは暗渠ではなく地上を流れています。「南ドンドン橋の旧親柱」も保存されていました。
 北口に回ると、甲州街道沿いに「笹塚跡」の説明版がありました。笹塚って、本当にあったのですね。新宿からの一里塚に当たるそうです。

この日14時から、TEPPAN BABY 笹塚本店(広島スタイルお好み焼き屋さん)2階のイベントスペースを会場に「第5回 きいてみるフォーラム」が開催されました。
 被災の記憶をどのように受け取り、どのように伝えていくかをテーマに定期的に開催されているイベントだそうですが、初めての参加です。
 会場には20名強(常連さん多し)が集まり、オンラインでも同時配信されているそうです。

司会は映画監督の古波津 陽(こはつ・よう)さんと、俳優の佐藤みゆきさん(福島・田村市出身)。
 古波津監督は、福島における被災当事者の声を10年間にわたり記録したドキュメンタリ「1/10 Fukushimaをきいてみる」(全10作品)等を製作されている方。この日のイベントはその自主上映を企画されている知人から教えて頂きました。なお、福島県ホープツーリズム公式アンバサダーも拝命されているそうです。
 佐藤さんは古波津監督の作品に「聞き手」として出演されているそうです。

 さらに、コメンテーターとして文筆朗読家の井上美和子さん(浪江町出身で現在は京都に避難中)も。原発賠償関西訴訟に関わっておられるそうで、9月に予定されている判決に向けての要請書に署名させて頂きました。

最初の登壇者(オンライン)は、災害の記憶を各地で歌い継いでいる門馬よし彦さん
(なお、文責は全て中田にあります)。

 浪江町請戸のご出身。新潟に避難していて「震災が夢であれば」と願って作った曲『Negai』は、「1/10 Fukushimaをきいてみる」シリーズのエンディングで使われているそうです。
 発災直後に実家に祖母を迎えに行った時、編み物をしながら祖父の位牌とともに残ると言っておられたのを、何とか避難させることができたそうです。その祖母は今は「地元は見たくない」とおっしゃっているそうです。
 現在は能登に復興支援で通っておられるという門間さん、「歌はかたちがないからこそ、国境もなく、どこにでも飛んで行って、人の心の中に寄り添っていける立場にいることを大事にしていきたい」等と語られました。

続いて、葛西優香さん(大阪出身)と大橋未来さん(札幌出身)がオンラインで登壇。お二人とも浪江町に移住されている方です。
 昔からの住民(帰還者)と新しい住民たち(転入者)が一緒になって、神社を再建し、盆踊りを復活させる取組みの進捗状況等について説明して下さいました。

お二人は「土地への愛着は人それぞれ。一人ひとりにスポットライトを当てて主役になってもらう」、 「お互いに顔を知らないと具体的な計画は進んでいかない」等と話しておられました。

続くゲストは湯川友太 さんと清水敬太さん(清水さんはオンライン)。
 映画「1/10 Fukushimaをきいてみる 2022」に出演した2人は、当時、神戸の高校2年生(現在は大学生)。福島への合宿旅行で受けた衝撃、学んだこと、そして現在の思いについて語って下さいました。
  「当時は当事者でもない自分が語ることにためらいがあった。しかし今は、相手と向き合うことが重要と素朴に思えるようになった」等の発言。

最後のゲストは、元消防士でママ応援防災アドバイザーの松永ゆりさん。
 防災のために家族で「考える・話し合う・決めておく」ことの大切さになど、お金をかけなくてもできる、今日から始められる防災の心構え等について教えて下さいました。例えば大切な電話番号等はスマホだけではなく紙にもメモして携帯するなど。
 なお、近く新刊『子どもの命を守るママの防災』が出版されるそうです。

この日は、登壇者それぞれの方から参加者に対して質問が出されました。
 「みなさんが考える故郷とは?」「福島に関わるには、どんなきっかけがあるといいですか?」「忘れることは悪いことなのか?」「災害後、家族とどこで合流するか決まっていますか?」
 オンライン参加者からの回答が紹介され、会場参加の方からも回答。小学校2年生で福島から京都に避難された方にとっては、福島と京都の両方が故郷とのことです。

16時30分の終了後、会場で懇親会が開催されました。
 ありがちな、立ったまま軽食といったものではなく、がっつりと広島風お好み焼きまで出して下さいました。美味。
 一人ひとりからの自己紹介。ボランティアで映画の自主上映をされている方など、多くが顔なじみの方が多いようです。和気あいあい、「顔の見える」コミュニティがここには確かに存在していました。

 私からは3番目の質問に関連して、「被災された方々は個人として忘れたいこともたくさんあると思う。しかし原発回帰が急速に進む現在、私たちの社会としては、原発事故のことは絶対に忘れてはならないのでは」と、例によって和やかな雰囲気に抗うような発言。大きく頷いて下さった方もおられました。

17時を回り、古波津監督が締めの発言。
 「忘れることには抗えないが、思い出すという行為が重要。また、被災地のことを広く多くの人に広く知ってもらうためには『翻訳者』が必要。映画はそのための大きな効果がある」との言葉が印象に残りました。

古波津監督、登壇者・主催者の皆様、一緒に参加させて頂いた皆様。有難うございました。
 原発も含めて、被災地の方も含めて、復興については様々な意見や考えがあると思います。被災の現場を訪ねることの大切さを、改めて感じることもできました。
 浪江の盆踊りやホープツーリズム。仮に物見遊山や観光であっても、表面的なことしか理解できないとしても、少しは実態を肌で感じることができるかもしれません。

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