【オーシャン・カレント346】俺たちの伝承館(福島・南相馬市小高)

【ポイント】
 震災と原発事故の記憶をアートで伝える民間のミュージアム。多くの方に訪ねて感じて頂きたい施設です。

おれたちの伝承館HPより

去る7月26日(日)、福島・南相馬市小高区にある「俺たちの伝承館」をようやく訪ねることができました。南相馬市の中で最も南部に位置する小高区にも原発事故に伴う避難指示が出され、2016年に解除されました。「おれたちの伝承館」が開館したのは2023年夏。震災と原発事故の記憶をアートで伝える民間(私設)のミュージアムで、写真家である中筋 純さんが運営の中心を担っておられます。

この日は生憎の強い雨でした。入り口を入ってすぐには帰還困難区域を示すバリケードが展示され、その隣には餓死した牛と、牛が噛んでやせ細った牛舎の柱を模したオブジェが飾られています。
 部屋の中央には畳が2畳敷かれ、寝そべって見上げると、山内若菜さんの天井画が降ってくるような迫力です。

この日はフォトジャーナリスト・片岡遼平さんによる「終わらぬ震災-それぞれの15年」と題する個展も開催されていました。片岡さんが長年の取材の中から紡ぎ出した同名のフォトルポルタージュの出版を記念したもので、片岡さんご自身が解説して下さいました。
 「原発回帰」が進む世の中の流れに、中筋さんは強い怒りをお持ちのように見受けられました。この日も東京から大学生のグループが訪ねてくるそうです。

大規模な国の施設である東日本大震災・原子力災害伝承館(双葉町)や東京電力の廃炉資料館(富岡町)とは異なり、震災・原発事故の単なる記録にとどまらず、記憶の風化への抵抗と再生に向けての強い意志を、五感で受け止めることのできる展示になっており、心が揺さぶられます。
 原子力災害考証館furusato(いわき湯本温泉・古滝屋内)とともに、ぜひ多くの方に訪ねて頂きたい施設です。

(参考)おれたちの伝承館HP
https://suzyj1966.wixsite.com/moyai
 原子力災害考証館furusato
https://furusatondm.mystrikingly.com/

出典:
 F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
 No.346、7月28日(火)[和暦 水無月十五日]
 https://food-mileage.jp/2026/08/12/letter-346/
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