◇フード・マイレージ資料室 通信 No.347◇
2026年8月13日(木)[和暦 文月朔日]
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◆ F.M.豆知識 総合食料自給率と水稲収穫量の推移
◆ O.カレント 現下の米価の動向と米のコスト指標
◆ ほんのさわり うるしばらともよし他『焼けあとのおにぎり』
◆ 情報ひろば 第13回 食と農の未来フォーラムの延期について
ブログ更新、イベント情報等
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7月28日(火)、熊本で最大震度7の地震が発生しました。犠牲になられた方の冥福をお祈りするとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。8月11日(火)付けの朝日新聞には、東京・銀座にある熊本県のアンテナショップの行列をニュースで見て「涙が湧いてきました。心よりお礼申し上げます。温かいご支援に力を得て頑張ります。どうか見守っていて下さい」との内容の、友人の投稿が掲載されました。
厳しい暑さの中、どうぞお身体を労わって頂ければと祈念しています。
本メルマガは、時の流れを体感して頂くため、和暦の朔日(新月)と十五日(ほぼ満月の日)にコツコツと配信しています。
◆ F.M.豆知識
食や農に関連して、私たち消費者にちょっと役に立つ、あるいは考えるヒントになるデータ等をコツコツと紹介します。
(過去の記事はこちらに掲載)
https://food-mileage.jp/category/mame/
-総合食料自給率と水稲収穫量の推移-
【ポイント】
2025年度のカロリーベースの総合食料自給率は1ポイント低下し37%となりました。長期的に見ても、自給率は米の需給に大きく左右されています。

2026年8月7日、農林水産省は2025(令和7)年度の食料自給率を公表しました。これによると、カロリーベースの総合自給率は37%と前年度に比べて1ポイント低下しました。これは主に米の消費量が減少したためです。
一方、生産額ベースの食料自給率は、米、畜産物の価格上昇に伴い国内生産額が増加したため、前年度に比べて2ポイント上昇し66%となりました。
リンク先の折れ線グラフは、カロリーベース及び生産額ベースの総合食料自給率の長期的な推移を示したものです。
https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2026/08/347_jikyu.pdf
これによると、カロリーベース自給率は2000年頃にかけて低下傾向で推移してきました。なお、1993年が落ち込んでいるのは、冷害により米が大不作(作況指数73)となった年です。
2000年代以降はおおむね横ばいで推移していますが、これは国内農業(分子)が踏ん張っていたというよりは、人口の減少・高齢化等により食料の消費量(分母)が減少傾向にあったことが背景にあります。
(本メルマガ No.287参照)
https://food-mileage.jp/2024/03/16/mame-287/
そして今回、1ポイントの低下も米の動向によるものでした。自給率を計算する上での「分子」に当たる国産供給熱量については、消費・生産が減少しているとはいえ、現在も米が57%を占めています。米は、現在も国内で自給可能な「主食」の地位にあるのです。
一方、棒グラフは米の収穫量の長期推移を示したもので、近年では1994年をピークに、農業の担い手が減少・高齢化するなかで減少傾向を続けています。
なお、近2年は増加に転じているものの、それでも「平成の大不作」時の水準をわずかに下回り、食糧不足と飢餓にあえいだ戦中・戦後の収穫量を下回っているのです(終戦の年の1945年を除く)。
[データの出典]
農林水産省HP「日本の食料自給率」及び「作物統計」から作成
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/012.html
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/sakkyou_kome/index.html#l
◆ オーシャン・カレント
食や農の分野で先進的かつユニークな活動に取り組んでおられる方や、食や農に関わるトピックスを紹介します。
(過去の記事はこちらに掲載)
https://food-mileage.jp/category/pr/
-現下の米価の動向と米のコスト指標-
【ポイント】
米の価格は大幅な値下がり傾向が鮮明となっており、持続的な生産のために要するコストを下回ることが懸念されています。

2026年産の早場米の集荷が始まっています。
JAが集荷の際に農家に渡す前払い金(概算金)は、高知では前年に比べて4割安い1万4000円(いずれも玄米60kg当たり)、鹿児島県が2割安の2万600円程度、宮崎県が4割安の1万8000円となりました。民間在庫水準の高さとも相まって、今後、米価の大幅な値下がり傾向が鮮明になったと報道されています。
これは、本年4月に食料システム法に基いて公表された米のコスト指標(20,535円)を下回っています。コスト指標とは持続的な供給に要する費用のことで、取引当事者間における誠実な協議を促進するために、今回、初めて作成されたものです。今後の米価は、生産者にとって持続可能ではない水準になることが懸念されているのです。
なお、「令和の米騒動」対策として放出された政府備蓄量は、適正水準(100万トン)を大きく下回る30万トン程度となっていますが、現政権は、さらなる積み増し(買戻し)には物価対策の面から消極的とされています。「主食」である米の安定供給を確保していくためには、消費者は安い値段ばかり求めるのではなく、国産米を買い、食べ支えていく覚悟が必要と考えます。
[参考]
農林水産省HP「米のコスト指標」
https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/komecost.html
◆ ほんのさわり
食や農の分野を中心に、考えるヒントとなる本を紹介します。
(過去の記事はこちらに掲載)
https://food-mileage.jp/category/br/
-(作)うるしばらともよし、(絵)よしだるみ『焼けあとのおにぎり』-
https://www.kokudosha.co.jp/search/info.php?isbn=9784337025141
【ポイント】
1人で東京に両親を探しにいくキヨシに、疎開先のおばあちゃんが持たせてくれた5つのおにぎり。戦後の厳しい食糧事情が描かれています。

東京の下町で生まれ育った小学6年生のキヨシは、1年前に両親と別れ、福島のおばあちゃんの家に疎開しています。
日本が負けたことを知ったキヨシは、おばあちゃんに、東京に行って両親や家の様子を確かめてきたいと懇願します。強く反対していたおばあちゃんも、最後にはキヨシのすがるような思いに渋々うなづき、往復の鉄道切符と、5つのまん丸のおにぎりを持たせてくれました。
「まっ白なご飯を見るのは何年ぶりだろう」とキヨシは感激します。お米は、おばあちゃんが大切にしまってあった着物を、農家で取り換えてもらったものでした。
混雑する夜行列車の中でおにぎりを食べようとすると、隣にいた小さな男の子が「食べたい」と母親の膝の上で暴れ、泣き叫びました。キヨシはだまっておにぎりを半分に割って差し出します。
ようやく到着した東京は、一面の焼け野原でした。1時間ほど歩いてようやくたどり着いたわが家も、ガレキの山しかありません。「何もない」と途方にくれて2つ目のおにぎりをほおばろうとした時、偶然、同級生が通りがかり、空襲の様子を聞くことができました。やせ細った彼に、キヨシは3つ目のおにぎりを差し出します。
結局、両親の消息は何もつかめないまま上野駅に向かったキヨシは、そこで見知らぬ少年(おそらく戦災孤児)に、4つ目のおにぎりを奪い取られてしまいます。
夜行列車でようやく福島に帰ってきたキヨシ。おばあちゃんに東京での出来事を話しながら、最後に残った5つ目のおにぎりを「一緒に食べようね」と取り出します。
今年は戦後81年。戦争を実体験された方も少なくなりました。
しかし、厳しい飢餓にあえいだ時代があったという事実は、国家・民族としての記憶として継承していかなければならないと考えます。もっとも当時は、東京は焼け野原でも地方には何とか食料はあったのですが、現在は、その地方の食料生産を担う力がぜい弱化しているのです。
◆ 情報ひろば
拙ウェブサイトやブログの更新情報、食や農に関わる各種イベントの開催情報等をお届けします。
▼ 拙ブログ「新・伏臥慢録」更新情報
〇 三原由起子さん「ふるさと・浪江町に寄せる歌人の想い」(第12回 食と農の未来フォーラム)[7/30]
https://food-mileage.jp/2026/07/30/blog-659/
〇 OFF TOKYO FIELD TRIP「祭りの日に出会う、浪江の今」(第226回霞ヶ関ばたけ)[8/3]
https://food-mileage.jp/2026/08/03/blog-660/
〇 2026年7月の南相馬[8/7]
https://food-mileage.jp/2026/08/07/blog-661/
〇 青木農園で考える本気の都市農業(東京・多摩市)[8/10]
https://food-mileage.jp/2026/08/10/blog-662/
▼ 第13回 食と農の未来フォーラムの延期について
8月中下旬に熊本の有機農家の方をゲストにお迎えして開催する予定でしたが、延期します。日程等は決まり拙ウェブサイト、SNS等でご案内させて頂きます。
▼ 筆者が関心のあるイベント等を勝手に紹介します。
参加等を希望される際には、事前に主催者にお問い合せ下さい。
〇 スマガク「狭山丘陵はなぜ守られたのか」
講師:清水 淳さん(北川かっぱの会)
日時:8月22日(土)14:00~16:40
場所:東村山市中央公民館(東京、本町2-33)
主催:NPO法人PAGE2 スマイル大学実行委員会
(詳細、問合せ等↓)
https://www.facebook.com/PAGE2higashimurayama/posts/pfbid02Wff8ASHeZbjBDBRUNLiAMRq9kU1Dh2veMF7UUBrRSPUoY227ZSQC2x5XXMjN1jUBl
〇 2026年度棚田学会大会・シンポジウム
「棚田と米と消費者の関係を再考する-令和の米騒動は何を問いかけたのか-」
日時:8月22日(土)14:00~17:00
場所:早稲田大学3 号館301 教室(東京・新宿区西早稲田1)
主催:棚田学会
(詳細、問合せ等↓)
https://www.tanada-gakkai.com/%E6%A3%9A%E7%94%B0%E5%AD%A6%E4%BC%9A%E8%A1%8C%E4%BA%8B/%E5%A4%A7%E4%BC%9A-%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%9D%E3%82%B8%E3%82%A6%E3%83%A0/
〇 農あるまちづくり講座 フォローアップ講座
「地産地消・農商工連携で都市農業を支える!」
講師:峯岸裕高さん((株)corot、埼玉・所沢市)
日時:9月1日(月)18:00~19:00
場所:日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会(東京・池袋)オンライン
主催:都市農業研究会
(詳細、問合せ等↓)
参加を希望される方は、中田宛て、このメールに返信してください。
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* 米令寺忽々のコツコツ小咄
「良い帰省の旅を」
「ボン(盆)・ボヤージュ」
お盆ですね。帰省される方はどうぞ気を付けて。被災地の皆様も、どうぞお身体を大切にして下さい。
コツコツ小咄は個人のフェイスブックで週3日お披露目中。月ごとの「まとめ」は以下に掲載しています。
https://food-mileage.jp/category/iki/
* 次号No.348は8月27日(木)[和暦 文月十五日]に配信予定です。
正確でより役に立つ情報発信に努めてまいりますので、読者の皆さまのご意見・ご批判、ご要望等をお聞かせ頂ければ幸いです(このメールに返信頂ければ筆者に届きます)。
* 和暦については、高月美樹さん『和暦日々是好日』を参考にさせて頂いています。いつも有難うございます。
https://www.lunaworks.jp/
* 本メルマガは個人の立場で配信しており、意見や考え方は筆者の個人的なもので、全ての文責は中田個人にあります。
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◆ F.M.Letter -フード・マイレージ資料室 通信-【ID;0001579997】
発行者:中田哲也
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