-(作)うるしばらともよし、(絵)よしだるみ『焼けあとのおにぎり』-
https://www.kokudosha.co.jp/search/info.php?isbn=9784337025141
【ポイント】
1人で東京に両親を探しにいくキヨシに、疎開先のおばあちゃんが持たせてくれた5つのおにぎり。戦後の厳しい食糧事情が描かれています。

東京の下町で生まれ育った小学6年生のキヨシは、1年前に両親と別れ、福島のおばあちゃんの家に疎開しています。
日本が負けたことを知ったキヨシは、おばあちゃんに、東京に行って両親や家の様子を確かめてきたいと懇願します。強く反対していたおばあちゃんも、最後にはキヨシのすがるような思いに渋々うなづき、往復の鉄道切符と、5つのまん丸のおにぎりを持たせてくれました。
「まっ白なご飯を見るのは何年ぶりだろう」とキヨシは感激します。お米は、おばあちゃんが大切にしまってあった着物を、農家で取り換えてもらったものでした。
混雑する夜行列車の中でおにぎりを食べようとすると、隣にいた小さな男の子が「食べたい」と母親の膝の上で暴れ、泣き叫びました。キヨシはだまっておにぎりを半分に割って差し出します。
ようやく到着した東京は、一面の焼け野原でした。1時間ほど歩いてようやくたどり着いたわが家も、ガレキの山しかありません。「何もない」と途方にくれて2つ目のおにぎりをほおばろうとした時、偶然、同級生が通りがかり、空襲の様子を聞くことができました。やせ細った彼に、キヨシは3つ目のおにぎりを差し出します。
結局、両親の消息は何もつかめないまま上野駅に向かったキヨシは、そこで見知らぬ少年(おそらく戦災孤児)に、4つ目のおにぎりを奪い取られてしまいます。
夜行列車でようやく福島に帰ってきたキヨシ。おばあちゃんに東京での出来事を話しながら、最後に残った5つ目のおにぎりを「一緒に食べようね」と取り出します。
今年は戦後81年。戦争を実体験された方も少なくなりました。
しかし、厳しい飢餓にあえいだ時代があったという事実は、国家・民族としての記憶として継承していかなければならないと考えます。もっとも当時は、東京は焼け野原でも地方には何とか食料はあったのですが、現在は、その地方の食料生産を担う力がぜい弱化しているのです。
出典:
F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
No.347、2026年8月13日(木)[和暦 文月朔日]
https://food-mileage.jp/2026/08/24/letter-347/
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