【ブログ】2026年9月1日(火)

9月1日は「防災の日」です。
 1923(大正12)年9月1日に発生した関東大震災は死者・行方不明者10万5千余人という大惨事をもたらしましたが、その教訓とともに、自警団(つまり一般住民)や官憲、軍隊により朝鮮人に対する大規模な殺傷事件があったという歴史的事実も、記憶にとどめておかなければなりません。

2026年9月1日(火)の午後は、東京・墨田区に向かいました。
 京成押上線八広駅に下車、荒川の堤防を登ってみると、曇り空の下、河川敷の満開のヒマワリなど平和な光景が広がっています。
 堤防の反対側を見下ろすと、変わった概観の建物と、碑のようなものが見えました。

近づいてみると、「関東大震災時 韓国・朝鮮人殉難者追悼之碑」とあります。
 この地で殺害された多数の韓国・朝鮮の方々を追悼するために、地元の市民グループの手によって2009年に建立されたものだそうです。

背後に人の気配がしたので振り返ってみると、大学生らしい2人の女性。長い時間、手を合わされていました。
 隣接するのが(一社)ほうせんかが運営する資料館。
 入ってみると3名ほどの方がおられ、先ほどの2人の女性に続いてさらに2人の男性が入ってきました。この日は来館者が多いようです。

103年前のこの日、震災後の大火災から逃れるために、荒川を前にしたこの地に15万人もの避難民が押し寄せたそうです。自警団・軍隊は、その群衆の中から朝鮮人を選別し、橋を渡らせずに殺害したというのです。
 その事実を示す目撃者等の証言や写真のパネルが、資料館の四方の壁を埋めています。「加害者」側の人の貴重な(勇気ある)証言もあります。
 できれば認めたくないほどの恐ろしい歴史的事実を示すパネルです。

1975年頃、一人の女性小学校教師が荒川など地域の歴史について聞き取りを進める中で、この地で多くの朝鮮人が殺傷されたことを知ったそうです。その彼女の活動がきっかけとなって、追悼する会(ほうせんか)の設立、追悼式の開催、資料館の設置等につながったそうです。
 1982年には河川敷で大規模な発掘も行われましたそうですが、ご遺骨は発見されなかったとのこと。官憲等が移動させたとの説が有力だそうです。

若い女性の方のお話も伺うことができました。
 入管(仮放免)問題等も含め、様々な社会的課題に関心を持って仲間と活動されているとのこと。詳しく説明して下さった資料館スタッフの方の姿とともに、心励まされる思いがしました。

駅に戻って都営地下鉄・蔵前駅に移動。隅田川を渡って徒歩数分のところにあるのが都立横網町公園です。ここには、関東大震災朝鮮人犠牲者追悼碑がありますが、追悼式典に小池百合子都知事が追悼文送付をやめて今年で10年となり、ヘイトスピーチが行われることもニュースにもなっています。
 その追悼碑の前には、人だかりができていました。近づいてみると、一人の高齢男性が「〇〇人は嫌いだ、出ていけ」等と大声で叫んでいます。酔っぱらっているのか呂律は回らず、まっすぐ立っていることもできない様子。やがて20名ほどの警察や都職員の方(?)に囲まれるようにして、立ち去っていきました。

静かになった追悼碑に花を手向け、手を合わせました。他にも何人もの方が手を合わせていきます。長い時間、目をつぶって碑を見つめる男性の姿もありました。

東京都慰霊堂に入ると、この日三回目となる遭難者慰霊大法要が行われていました。関東大震災及び第二次世界大戦の遭難者を慰霊するものです。
 読経の中、多くの方が次々と焼香されます。高齢の方が多いものの、手を引かれた小学生の姿もありました。ベビーカーを押す若いカップルの姿も。

厳かな空気の慰霊堂から外に出ると、遊園地で遊ぶ子どもたちの歓声が聞こえてきました。何とも平和な光景です。ただ、先ほどの男性の叫び声が子どもたちの耳に届いていたかもと思うと、心が波立ちます。
 写真の背景に見える記念館で、震災や第二次大戦の遺品等を見学しました。

先ほど訪ねたほうせんかでは、9月5日(土)に関東大震災から103年目の「韓国・朝鮮人犠牲者追悼式」が挙行されるそうです。ほかに定期的に「証言音声を聞く会」等も開催されているとのこと。
 求めさせて頂いた『関東大震災 朝鮮人虐殺の記録』は、ほうせんかの代表を務めておられた故 西崎雅夫さんが収集された証言を、東京の地区別に編集されたものです。自分にとって身近な新宿や池袋、多摩地区でも惨劇があっことを知り、胸が苦しくなります。

池袋のワーカーズコープ連合会へ。18時から「農あるまちづくり講座・フォローアップ講座」がハイブリッド形式で開催されました。
 
 この日のゲストは代表取締役・峯岸裕高さん((株)corot、埼玉・所沢市)。
 「地産地消・農商工連携で都市農業を支える!」をテーマに、体験型宿泊施設と飲食店の運営、地域農産物流通(PR、販路開拓)と農業コーディネートなど、幅広い事業内容についてグラフや写真も用いた詳細なスライドを用いて、具体的に説明して下さいました。
 日本農業が多くの問題点を抱えている中、「農家と耕す地域の未来」の実現を標榜されているとのことです。
 一昨年の所沢での「農あるまちづくり講座」、現地見学に続き、この日も刺激的で興味深いお話を伺うことができました。

その後は会場参加の有志の数名で、いつもの居酒屋さんで懇親会。生憎とご多忙な峯岸さんはお茶だけ飲んで途中で退席されました。お忙しいなか、貴重なお話を有難うございました。

ところで「農あるまちづくり講座」は、蔦谷栄一先生(農的社会デザイン研究所)の主催により、都市住民等の農への参画を広げることを目的として、これまで東京・埼玉など8か所で開催されてきました。
 本年10月からは東京・小金井でも開催されます(チラシはこちら)。
 来年3月にかけて原則毎月第2、第4木曜日に全11回の講座を開催。有識者、農業者、実践家、行政関係者など多彩な講師が登壇される予定の充実したプログラムです。私も、全回参加は無理かもしれませんが申し込ませて頂きました。農業のみならず、これからの経済社会のあり方に問題意識をお持ちの多くの方と、ともに学ぶことができることを期待しています。


(参考)
 ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」
https://food-mileage.jp/
 メルマガ「F.M.Letter-フード・マイレージ資料室通信」
https://www.mag2.com/m/0001579997
 フェイスブック「フード・マイレージ資料室(分室)
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