◇フード・マイレージ資料室 通信 No.348◇
2026年8月27日(木)[和暦 文月十五日]
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◆ F.M.豆知識 ぶっかけそうめんの自給率等
◆ O.カレント 今日8月27日と原子力発電
◆ ほんのさわり 鳥井昭美『夕日沈む彼方へ』
◆ 情報ひろば ブログ更新、イベント情報等
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今日は地元の小中学校で始業式。幸い、少し涼しい朝でした。
本メルマガは時の流れを体感して頂くため、和暦の朔日(新月)と十五日(ほぼ満月の日)にコツコツと配信しています。
◆ F.M.豆知識
食や農に関連して、私たち消費者にちょっと役に立つ、あるいは考えるヒントになるデータ等をコツコツと紹介します。
(過去の記事はこちらに掲載)
https://food-mileage.jp/category/mame/
-ぶっかけそうめんの自給率等-
【ポイント】
いくら野菜や果実を自給しても、カロリーベース自給率やフード・マイレージは、主食(穀物)の産地に大きく左右されるのが現実です。

2026年8月25日(火)のお昼は、ぶっかけそうめんをつくってみました。
食材は自宅から約500mの体験農園で収穫したオクラ(大3本、30g)と、玄関先のプランタのスダチ(1個、10g)。それにスーパーで買ったそうめん(乾麺100g、国内製造)と卵。麺つゆと塩昆布とすりごまも使いました。
この献立のカロリーベース自給率及びフード・マイレージ等を試算したのがリンク先の表348です。
https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2026/08/348_bukkake.png
そうめんは「国内製造」と記載されていることから、原料の小麦はカナダ(2024年度の最大の輸入相手国)からの輸入品、鶏卵の飼料原料であるとうもろこしはアメリカ(同)からの輸入と仮定しました。
試算結果によると、カロリーベースの食料自給率はわずか2.6%でしかありません。これは、野菜や果実のカロリーは穀物に比べると非常に少ないためです。
また、フード・マイレージは10,166 kg・km、輸送に伴うCO2排出量は162gと試算されました。
一方、そうめん(輸入小麦)をご飯(新潟産米)に変更すると、自給率は83%へと大きく上昇します。また、輸送に伴うCO2排出量は約3割削減され、これはテレビを2.2時間みた場合に排出されるCO2の量に相当します。
これらの試算結果から、2つのことが示唆されます。
一つは、どのような食材を選択するかによって、自給率や輸送に伴うCO2排出量は大きく異なるものにになることです。例えばおなじそうめんでも、輸入小麦を使用しているものか、国産小麦を使用しているものかで大きく異なります。
もう一つは、例えば東京都では野菜や果実の栽培は比較的盛んですが、食料安全保障(生命・健康の維持)の観点からは、カロリーベース自給率0%には重要な意味があると考えられることです。
[参考]本記事の詳細は拙ブログにも掲載してあります。
ぶっかけそうめんの自給率(夏休みの自由研究)
https://food-mileage.jp/2026/08/26/blog-664/
[データの出典]
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」、拙著『フード・マイレージ』(2018、日本評論社)から作成
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_00001.html
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/7625.html
◆ オーシャン・カレント
食や農の分野で先進的かつユニークな活動に取り組んでおられる方や、食や農に関わるトピックスを紹介します。
(過去の記事はこちらに掲載)
https://food-mileage.jp/category/pr/
-今日8月27日と原子力発電-
【ポイント】
今日8月27日は、茨城・東海村で日本で最初の原子の火が灯ってから69年目に当たります。一方、朝刊各紙にはまた中部電力の不祥事の記事。改めて原子力発電について考えてみました。

69年前の今日、日本で最初の原子の火が灯りました。1957(昭和32)年8月27日、茨城・東海村の日本原子力研究所(現 日本原子力研究開発機構)に設置された実験用原子炉が「臨界」に達したのです。これ以降、日本は原子力の平和利用(原子力発電)に邁進していくこととなります。
ところが本日付の各紙朝刊では、また中部電力の不祥事が報道されています。
廃炉作業を進めている浜岡原子力発電所1、2号機を巡り、国の認可法人(廃炉推進機構)に対して実態より作業が進捗したと報告することで費用請求が過大になった可能性があるというものです。中部電力は、地震の想定振動に関するデータ不正(捏造)により浜岡原発3、4号機の再稼働審査が白紙となる不祥事を起こしたばかりです。
2011年3月の東京電力・福島第一原子力発電所の過酷事故の際には、東電の事業者としての責任が厳しく問われました。東電自身、設計段階の技術力不足や継続的な安全性向上の努力が不足していたことを「反省」しています。
しかし、東電だけではなく他の事業者による不祥事や事故が相次いでいる状況を踏まえると、原子力発電という複雑で巨大なシステム自体、果たして人間が適切に管理・制御できるのかという疑問もわいてきます。
生成AI普及等により電力需要が大きく増加する中で原子力発電は「最大限活用」することとされている一方、最終処分場の選定も遅々として進んでいない状況の中、原子の火が灯ってから69年後の今日、改めて原子力発電について考えてみました。
[参考]
茨城県HP「昭和32年日本初の原子の火がともる」
https://www.pref.ibaraki.jp/bugai/koho/kenmin/profile/kensei-history/1957-01.html
東京電力ホールディングHP「事故の総括」
https://www.tepco.co.jp/fukushima/review/
◆ ほんのさわり
食や農の分野を中心に、考えるヒントとなる本を紹介します。
(過去の記事はこちらに掲載)
https://food-mileage.jp/category/br/
-鳥井昭美『夕日沈む彼方へ-少年の目から見た満州引揚げ記』-
[参考:高専シンポジウムHPの掲載手記]
https://sunset.kosen-sympo.org/section1/
【ポイント】
終戦当時8歳の少年が目撃・体験した、過酷で貴重な旧満州からの引き揚げの記録。著者は、現在のファッショ的な思想の復活を危惧し警鐘を鳴らしています。

毎年、8月も6日、9日、15日が過ぎると戦争関係の報道もめっきり少なくなりますが、15日に直ちに平和が訪れた訳ではありません。特に旧植民地等の「外地」に居住していた人たちにとっては、さらなる苦難が始まったのです。
著者は1937年東京生まれ。6歳の時に父親の勤務先があった旧満州(中国東北部)に移住し小学校に編入学。1945年8月にはソ連が条約を破棄して侵攻、翌1946年から集団引揚げが開始されました。
本書は、終戦当時8歳の少年だった著者による過酷な、かつ貴重な体験記です。
牧歌的ともいえる満州での生活は敗戦により一変しました。置き去りにされた日本人は迫害され、食べものもなく、極寒の収容所で次々と命を失います。子どもを中国人に託す母親や、日本人同士の醜悪な人間関係の様子も描かれています。
何とか生き延びて1947年(10歳の時)に帰国し、父親の郷里で小学校3年生に編入した後も、同級生や周囲からいじめや迫害を受けたことも記されています。「思い出したくない出来事」も少なくなかったそうです。
「戦争は人を変える。餓鬼にする」とする著者は、「いま、戦争当時の強権政治のあり方、無慈悲さ、残酷さが忘れられている」「当時、国民に刷り込まれたファッショ的な思想が復活しつつあるように思えてならない」と警鐘を鳴らしています。
なお、本書は、著者が教授を務めた久留米高専の教え子たちの要望を受けてウェブ掲載した手記を、佐藤 弘氏(元西日本新聞、小農学会事務局)が再構成し、自費出版されたものです。多くの方に手に取って頂きたい冊子です。入手を希望される方は中田まで連絡(本メールに返信)下さい。あるいは佐藤氏の連絡先をご存じの方は、直接、お問合せ下さい。
◆ 情報ひろば
拙ウェブサイトやブログの更新情報、食や農に関わる各種イベントの開催情報等をお届けします。
▼ 拙ブログ「新・伏臥慢録」更新情報
〇 食の安全保障と食品ロスを考える(井出留美さん講演会)[8/19]
https://food-mileage.jp/2026/08/19/blog-663/
〇 ぶっかけそうめんの自給率(夏休みの自由研究)[8/26]
https://food-mileage.jp/2026/08/26/blog-664/
▼ 筆者が関心のあるイベント等を勝手に紹介します。
参加等を希望される際には、事前に主催者にお問い合せ下さい。
〇 農あるまちづくり講座 フォローアップ講座
「地産地消・農商工連携で都市農業を支える!」
講師:峯岸祐高さん((株)corot、埼玉・所沢市)
日時:9月1日(火)18:00~19:00
場所:日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会(東京・池袋)オンライン
主催:都市農業研究会
(詳細、問合せ等↓)
参加を希望される方は、中田宛て、このメールに返信してください。
〇 今夜はご機嫌@銀座で農業 9月
日時:9月7日(月)18:30~20:00
場所:中央区立環境情報センター(東京・京橋)
主催:今夜はご機嫌@銀座で農業
(詳細、問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/1065640639601328
〇 川そうじ
日時:9月12日(土)9:00~11:00
場所:北川(東京・東村山市野口町)
主催:北川水辺倶楽部
(詳細、問合せ等↓)
https://kitagawa-kappa.org/miclub/index.html
〇 北山公園水田1日ボランティア募集(稲刈り)
日時:9月15日(火)9:00~15:00
場所:北山公園内水田(東京・東村山市野口町)
主催:東村山市
(詳細、問合せ等↓)
https://higashimurayama-parks.jp/news/%e3%80%90%e5%8c%97%e5%b1%b1%e5%85%ac%e5%9c%92%e3%80%91%e5%8c%97%e5%b1%b1%e5%85%ac%e5%9c%92%e6%b0%b4%e7%94%b01%e6%97%a5%e3%83%9c%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%83%86%e3%82%a3%e3%82%a2%e5%8b%9f%e9%9b%86-4/
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* 米令寺忽々のコツコツ小咄
帰省途中、浜名湖を眺めつつ
「いい加減、関西流の捌き方にしたら?」
「背に腹はかえられぬって、言うけどな」
コツコツ小咄は個人のフェイスブックで週3日お披露目中。月ごとの「まとめ」は以下に掲載しています。
https://food-mileage.jp/category/iki/
* 次号No.349は9月11日(金)[和暦 葉月朔日]に配信予定です。
正確でより役に立つ情報発信に努めてまいりますので、読者の皆さまのご意見・ご批判、ご要望等をお聞かせ頂ければ幸いです(このメールに返信頂ければ筆者に届きます)。
* 和暦については、高月美樹さん『和暦日々是好日』を参考にさせて頂いています。いつも有難うございます。
https://www.lunaworks.jp/
* 本メルマガは個人の立場で配信しており、意見や考え方は筆者の個人的なもので、全ての文責は中田個人にあります。
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◆ F.M.Letter -フード・マイレージ資料室 通信-【ID;0001579997】
発行者:中田哲也
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