【豆知識】都市緑地の浸水被害防止効果


 (↑グラフをクリックすると大きく表示されます。)

都市農業は、消費者に近いという利点を生かし、新鮮な農山物の供給、農業体験・交流活動を通じた都市住民の農業への理解の醸成、心安らぐ緑地空間の提供など多面的な役割を果たしています。
 特に東日本大震災等を契機として、都市農地(農業)がもつ防災機能に対する関心が高まっています。

本年4月、(株)日本政策投資銀行から興味深いレポートが公表されました。農地を含む都市緑地が有する防災機能(雨水流出防止・貯留機能)が定量的に計測されているです。

具体的には、東京の神田川上流地域(善福寺川との合流地点までの約23平方km)を対象地域として、緑地が減少または創出された場合のシナリオ毎に、10年に1回おこる可能性のある集中豪雨が発生した時の被害状況がどのように変化するかについて、シミュレーション分析を行っています。… 続きを読む

【ほんのさわり】飯田泰之ほか『地域再生の失敗学』

-飯田泰之、木下斉、川崎一泰、入山章栄、林直樹、熊谷俊人
『地域再生の失敗学』(2016.4、光文社新書)-

1975年生まれの気鋭のマクロ経済学者・飯田恭之氏が、5人の有識者(プレーヤー、研究者、首長)との対談等を通じて、今後の地域再生策について鋭く考察しています。

著者は「地域再生」を、地域における平均所得が向上することと定義づけています。
 所得向上がなければ地域の存続すら危ぶまれるとのこと。一方、地域の平均所得が増加することは、文化や伝統、コミュニティ再生等より広義の地域再生にとっての必要条件であるとしています。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】舘野廣幸さん(舘野かえる農場)

舘野廣幸(たてのひろゆき)さんは1954年、栃木・野木町生まれ。
 山形大学農学部を卒業後に実家の農業を継ぎ、1992年頃から稲作と原木しいたけを中心とした有機農業に取り組んでおられます(原木しいたけは2011年以降休止中)。現在、日本有機農業研究会理事、埼玉大学非常勤講師等を務められ、『有機農業・みんなの疑問』(2007、筑波書房)等の著作もあります。

農家の長男に生まれた舘野さんは、実はもともと農業が好きではなかったとのこと。
 家業を継ぐのが運命と半ばあきらめながら漠然と農作業を続けていたある年(約30年前)、病気が発生して稲の育苗に失敗。その翌年には何種類もの農薬を使用して消毒したものの、またも苗は壊滅。それで必死に勉強し、病気の原因は菌ではなく育てる環境にあることを知り、わらにもすがる思いで農薬を使わずに栽培したところ、病気が少なくなり光明が射してきたとそうです。
 これが、舘野さんが有機農業に取り組むきっかけとなったとのこと。… 続きを読む

【豆知識】若返る林業就業者

前回は、食料自給率が長期的に低下傾向にあるのに対し、木材自給率は近年、上昇に転じていることを紹介しました(もっとも水準としては、カロリーベース食料自給率よりも低いものとなっています)。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2017/04/72_mokuzai.pdf

今回は、林業に関するユニークな動きを示している指標を、もう一つ紹介します。
 リンク先の図73は、産業別の就業者数に占める40歳未満の者の割合の推移を示したものです。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2017/05/73_40saimiman.pdf続きを読む

コツコツ小咄まとめ(2017.5/15~19)

日曜日恒例、先週分のコツコツまとめです。新しい週に向けて脱力感を。

2017.5/15(月)
 今年はひょっとするかもと期待を隠し切れない週始めのコツコツ小咄。
「君と毎朝、沖縄そばを食べたいな」
「いやね、その気(ソーキ)にさせないでよ♡」… 続きを読む

【ブログ】川口エンドウを知る講座&ランチ会

前日の強い風雨は夜のうちに収まり、2017年5月14日(日)の「母の日」は好天に恵まれました。
 東京・八王子では、街路樹のマロニエが美しい花を咲かせています。

徒歩数分のアミダステーションへ。郊外にある延立寺というお寺の別院が、様々な市民活動の場として活用されています。… 続きを読む

【ブログ】「都会の農園」での交流会@お台場

2017年5月13日(土)は朝から雨模様。前線を伴った低気圧が接近中とのこと。
 お台場(東京臨海副都心地区)へ。東京テレポート駅は多くの乗降客で混雑していますが、外に出ると風雨が強くなっています。

駅に隣接する複合施設・ダイバーシティ東京に向かいますが、なぜか連絡通路しところどころ屋根が途切れており、雨に当たってしまいます。
 ビルに入ると華やかで現代的なショッピングモールやレストラン。外国人を含む多くの観光客で賑わっています。

表示を確認してエレベータで屋上へ。… 続きを読む

【ブログ】屋敷林 お別れ製材ワークショップ

2017年5月6日(土)も好天(畑は水不足気味です)。東京・世田谷へ。
 典型的な都会郊外の私鉄駅・小田急成城学園駅から二子多摩川駅行きのバスに乗り換え。バス停を降りた一帯は外環東名ジャンクションの大規模な工事中です。

ネットで調べ、主催者の案内地図よりて1つ手前のバス停で降りたのですが、これが失敗。工事に伴う通行止めの道路が多く、遠回りしてようやく会場に。

この日、開催されたのは「世田谷区の屋敷林 続きを読む

【ブログ】2017GEW前半なあなあ日記

2017年もゴールデンウィークに突入。
 休みが続くと何をしていたか思い出せなくなるので、以下、個人的備忘的な「なあなあ」日記です。
 連休中もお忙しい方には、ユルい記事ですみません。

4月29日(土)は昭和の日(旧・みどりの日)。
 所用で新宿に出たついでに新宿御苑へ。この日は「みどりの月間」の行事の一環で無料開放日でした。… 続きを読む

【ほんのさわり】三浦しおん『神去なあなあ日常』

-三浦しおん『神去なあなあ日常』(2012年9月、徳間文庫)-

直木賞・本屋大賞作家の三浦しをんさんによる「青春林業小説」です。
 主人公の平野勇気クン(18歳、横浜在住)は、高校卒業後、適当にフリーターでもして食っていこうと思っていたのが、ひょんなことから三重県の山奥にある神去村(かむさりむら)に林業研修生として放りこまれてしまうんだ。
 ちなみに「なあなあ」とは、「ゆっくり行こう」「まあ落ち着け」ってニュアンスの村の人たちの口癖。神去の人たちが「なあなあ」を大事にしているのは、百年単位でサイクルする林業に携わっている人が多いためらしい。

都会っ子の主人公には林業の仕事はキツく、ダニやヒルも襲来するし、ケータイも使えずコンビニもない田舎の生活にも馴染めない。最初のうちは何とか逃げ出すことばかり考えていた。… 続きを読む