【ブログ】コモンズとしての食(付「めんどなさいばん」)

2024年は、やはり自然のリズムが少しおかしくなっているのでしょうか。
 自宅近くに一画を借りている市民農園。落花生やスイートコーンの発芽がまばらです(左の写真)。どちらも近所のディスカウントストアで求めた「普通」の種なのですが。遅いかと思いつつ追加で撒いてみましたが、どうなるか。

 コットン(これは昨年春に福島・いわきで頂いてきたものを育て、秋に種種したもの)は、不揃いながら芽が出てきました(中央の写真、左の畝)。ゴマ(「普通」)は揃って発芽しています(同、右の上)。
 「菌ちゃん畑」のトマトは、早くも実をつけ始めています(右の写真)。

5月16日(木)19時からは「いま、なぜ「コモンズとしての食」を問うのか?」をオンライン視聴。
 6月にスタートするPARC((特非)アジア太平洋資料センター)自由学校 連続講座「コモンズとしての食-食べ続けるための思想と実践」のプレ企画です(以下はごく一部。また、文責は中田にあります)。

まず、コーディネータの小口広太さん(千葉商科大学准教授/PARC理事)から、各種文献等を紹介しつつ、資本主義経済の限界から食をめぐって様々な分断が生じているなか、食べ続けていくためには柔らかで実践的な現代的なコモンズ(食を「コモン化」すること)が重要である等の説明。
 また、ご自身が関わっておられるフードバンク活動、学生とともに規格外輸入バナナを商品開発し販売している取組み等についても紹介して下さいました。

続いて講師の平賀 緑さん(京都橘大学准教授)から、現状は資本主義的食料システムがまっとうに機能している結果(人や環境が不健康になるほど経済は成長)であるとして、小規模生産者が7割を占める食や農は、コモンズを考えていくうえで適した分野ではないか等の説明がありました。

私からはQ&Aで「コモン」と「コモンズ」の違いについて質問させて頂きました。
 小口さんからは、コモンとは私有化・公有化に対する共有化という動的・実践的な概念であるのに対して、コモンズは場所や空間、モノなど物理的な概念ではないか等の回答。
 平賀さんからは、コモンもコモンズも地域によってさまざまなかたちがある。厳密な定義はできないし、しない方がいいのでは等の回答を頂きました。

なお、本プレ企画の録画記録は5月31日までの期間限定で公開されています。関心を持たれた方は、ぜひ、視聴してみてください。
 また、6月からの連続講座は、現在申し込みを受け付け中とのことです。全8回・オンライン開催で、オプションでフィールドワーク(東京・練馬、白石農園)も予定しているなど、充実した内容となっています。

さて、翌5月17日(金)の夕刻は、東京早稲田でシアターRAKU 創立27周年記念公演『オペレッタ・めんどなさいばん』を観劇。

 シアターRAKUは流山児祥氏が立ち上げたプロのシニア劇団で、平均年齢は68歳とのこと。パレスチナ関係の共通の友人を介して出演者のお一人と知り合い、案内を頂いていたのです。

 初対面で、お互いに本名も住所も知らされていない12人の裁判員(職業だけは明らか)が、時には対立・反発し合いながらも、謎に包まれた面倒な事件の真相解明に共に取り組んでいく様子が、歌とユーモアたっぷりと描かれます。
 少女が自死した事件の被告(交際していた少年)について、ただ一人有罪の意見を述べた農婦の裁判員。その言葉が観客に突きつけられます。

12人の裁判員による共同作業の場も、ある意味で「コモンズ」の一つのかたちかも知れないと感じました(ややこじつけですが)。

(参考)
 ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」
  https://food-mileage.jp/
 メルマガ「F.M.Letter-フード・マイレージ資料室通信」
  https://www.mag2.com/m/0001579997