【ほんのさわり】とびやあい『田んぼ、はじめました。』

−とびやあい『田んぼ、はじめました。』(イースト・プレス、2017.3)−
 https://www.eastpress.co.jp/goods/detail/9784781614991

 著者は福島出身の栄養士で、本書で漫画家デピューされたという女性。初めての米作りの1年間の奮闘記です。
 「自分で作ったものを食べ、自然の中で生きる」暮らしに漠然とあこがれていた著者は、今はなき危険な池袋のバーのマスター(余談ですが、ご本人はハンサムに描いてくれたと喜んでおられました。)との出会いをきっかけに、米作りを始めることに。仕事をしながらの「半農半X」です。

 全くの素人だった著者が、最初からうまくいくわけはありません。都会の生活で忘れていた肉体労働や自然の厳しさも実感します。それでも地域の人たちや米作り仲間と出会い、助けられ、家族(両親)との関係も見つめ直されます。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】大崎駅前マルシェ「おおさき二十四節気祭

東京・品川区にある大崎駅の南改札口前では、毎週、金・土曜日の12〜19時にマルシェが開催されています。
 今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で一時休止された時期もありましたが、現在は感染拡大防止に留意しつつ、規模を縮小し再開されています。

 出店しているのは、全国の生産者や地元の事業者の方たち。全国各地の新鮮な旬の農産物や加工品などが出品されています。
 主催しているのは設計会社の若い方で、大崎を「食」でデザインし、地域で頑張る生産者や事業者の方が真っ当な対価を得ることができるようサポートされているのです。
 さらには、災害等の際にもお互いに手助けができるようなネットワークづくりも目指しているとのこと。… 続きを読む

【F.M.豆知識】関係人口の推計値

特定の地域に継続的に多様なかたちでかかわり、「観光以上移住未満」とも言われる「関係人口」が注目されています。
 リンク先の図205は、国土交通省による関係人口の推計結果を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2020/11/205_kankeijinko.pdf
 
 これによると、三大都市圏に居住している関係人口は合計861万人で全居住者(4,678万人)の約18%を占めており、その他地域に居住している関係人口は合計967万人で全居住者(5,936万人)の約16%となっています(全国計では1,811万人、全居住者(10,614万人)の約17%)。

 これら関係人口の内訳をみると、産業創出、空き店舗活用、マルシェ出店、ボランティア等の「直接寄与型」が35%、就労型(現地就労)が6%、地域の人と交流したりイベント・体験プログラムに参加したりしている「参加・交流型」が22%、就労型(テレワーク)が10%、地縁・血縁先以外の地域での趣味活動等を実施している「趣味・消費型」が28%となっています。… 続きを読む

【ブログ】大崎駅前マルシェから市民研へ

2020年11月13日(金)の夕刻は、東京・大崎駅へ。
 南改札口前では、毎週金・土曜日の12〜19時、大崎駅前マルシェ「おおさき二十四節気祭」が開催されています。
 今年は新型コロナウイルスの影響で一時休止された時期もありましたが、現在は感染拡大防止に留意しつつ、規模を縮小し再開されています。

 この日も、仕事帰りの多くの人たちで賑わっていました。
 近隣の生産者の中には自ら見えられている方も。東北や九州の方とはネットでつながっており、モニターを通して顔が見え、話ができます。都心にいながら一次産業の現場の空気に触れることができます。… 続きを読む

【ほんのさわり】滝沢秀一『やっぱり、このゴミは収集できません 』

−マシンガンズ滝沢秀一『やっぱり、このゴミは収集できません 〜ゴミ清掃員がやばい現場で考えたこと〜』(白夜書房、2020.9)−
 http://www.byakuya-shobo.co.jp/page.php?id=6413

著者は1976年東京生まれ。お笑い芸人として活躍しつつ、定収入を得るためにゴミ収集会社に就職したという「半ゴミ収集人・半芸人」。本書は2018年の前著の続編です。

 芸人らしく軽妙でぶっ飛んだ文体とイラストで著されているのは、ゴミ収集現場の過酷な現実です。時には得体の知れないゴミに身の危険さえ感じ、住民には「ゴミ屋」と差別されながらも、淡々とゴミを収集して回る日々が描かれています。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】30・10運動

出典:長野・松本市HPより。

食品ロス(食べ残し)が特に多いのが宴会や飲み会です。
 30・10(さんまる・いちまる)運動は、宴会等における食べ残しの量を削減するために長野・松本市で始まったとされ、今は全国に拡がっています。
 これは、宴会等では適量を注文することを前提に、乾杯後30分間は席を立たず料理を楽しむ、お開き前10分間は自分の席に戻って再び料理を楽しむことを推奨する運動です。

 幹事さんの呼びかけのタイミングや内容がポイントで、「乾杯の後の30分間と、お開き前の10分間は自分の席について料理を楽しみ、『もったいない』を心がけ、食品ロス削減の取り組みにご協力ください。それでは、乾杯のご発声を〜」といった例も示されています。… 続きを読む

【豆知識】食品ロス発生量の推移

10月は食品ロス削減月間、10月30日は食品ロス削減の日でした。いずれも昨年10月に施行された「食品ロス削減推進法」で定められたものです。今や食品ロスの削減は、法律で定めなければならないほどの深刻かつ重要な問題なのです。
 リンク先の図204は、近年における日本の食品ロス発生量の推移を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2020/10/204_loss.pdf

 2019年における食品廃棄物の量は2,550万トン(有価物や不可食部分も含む。)で、このうち、本来食べられるにもかかわらず廃棄されている食品(食品ロス)の量は612万トンとなっています。
 これには、売れ残り、返品、食べ残し等が含まれています。… 続きを読む

【ブログ】久しぶりのしごと塾さいはら(山梨・上野原市)など

2020年10月27日(火)の午後は、NPO縮小社会研究会の研究会にオンライン参加。
 この日は藤原辰史先生(京都大学人文科学研究所)から、「分解の哲学」というテーマでお話を伺いました。同名の近著の内容に加え、ポストコロナ時代の思想等についても興味深い内容でした。

 正直、オンライン講演会等の中には退屈でつらいものもありますが、この日は1時間半ほどの時間では全く足らないほどの充実したものでした(動画は縮小研のHPで見ることができます)。… 続きを読む