【ほんのさわり】とびやあい『田んぼ、はじめました。』

−とびやあい『田んぼ、はじめました。』(イースト・プレス、2017.3)−
 https://www.eastpress.co.jp/goods/detail/9784781614991

 著者は福島出身の栄養士で、本書で漫画家デピューされたという女性。初めての米作りの1年間の奮闘記です。
 「自分で作ったものを食べ、自然の中で生きる」暮らしに漠然とあこがれていた著者は、今はなき危険な池袋のバーのマスター(余談ですが、ご本人はハンサムに描いてくれたと喜んでおられました。)との出会いをきっかけに、米作りを始めることに。仕事をしながらの「半農半X」です。

 全くの素人だった著者が、最初からうまくいくわけはありません。都会の生活で忘れていた肉体労働や自然の厳しさも実感します。それでも地域の人たちや米作り仲間と出会い、助けられ、家族(両親)との関係も見つめ直されます。
 米作りを通じて、回りの方たちとの新しい関係性が紡がれていくのです。

 最後の場面。田んぼに入った時のポチャ、ズブブ・・・。「やっぱりこの感覚が大好き!!」という言葉で、本書は閉じられています。