
フード・マイレージとは、食料の輸送量に輸送距離を掛け合わせた指標。この単純な数値が、私たちの身近な食生活と地球環境問題との関わりについて気付くきっかけとなります。
また、産地や生産者のことに思いを馳せるよすがともなります。
本サイトは、フード・マイレージ指標を参考にしつつ、より豊かな未来の食の実現に向けて、食べ物や農林水産業についてともに考えるために、開設したものです(主宰者が個人で運営しているものです)。
-より豊かな未来の食のために-
以下には記事を新着順に掲載してあります。カテゴリー毎の記事は上の「メニュー」からご覧下さい。
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−ドキュメンタリ映画『いただきます2 −ここは、発酵の楽園』-
https://itadakimasu2.jp/
この映画の製作(プロデューサー、監督、撮影、編集、デザインなど)を全て一人で担っているのが、オオタヴィンさん(愛知出身、東京・高尾在住の日本人の方です)。… 続きを読む
米と並ぶ主要食糧である小麦は、需要量の9割を輸入に依存しているため、政府が自ら計画的に輸入すること(国家貿易)により安定供給を図っています。
輸入小麦の政府から民間への売渡価格については、国際相場の変動の影響を緩和するため、6ヶ月間の平均買付価格をベースに算定し、年2回改訂を行っています。
小麦の国際価格は、最近、米国・カナダ産小麦に対する中国の旺盛な買付け、2月中旬の米国中央部の寒波による小麦生育への影響懸念などにより上昇しています。このため、2021年4月からの輸入小麦の政府売渡価格は、前期に比べて5.5%引上げられました。
物価や家計への影響は限定的と考えられていますが、大手製粉メーカー等は製品の値上げを発表しています。… 続きを読む
1993(平成5)年は記録的な冷夏と日照不足のため米は大不作に。需要を大幅に下回ることが明らかとなり、消費者の買いだめが広がるなどパニック的な「平成の米騒動」が発生しました。
リンク先の図215の青い棒グラフは、1960年以降の米の生産量(水稲の収穫量)を表しています。
1970年代には1300万トン前後の年もあった生産量は、豊凶の影響を受けつつも右肩下がりで推移し、「米騒動」の1993年には761万トンと大きく落ち込みました。その後も減少が続き、最近3年は1993年の生産量を下回っているのです。
https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2021/04/215_kome.pdf
それにもかかわらずパニックが全く起こっていないのは、米の消費量が大きく減少しているためです。1960年代には1人年間120kg近くあったのが現在は50kg台前半と、実に4割近くの水準となっています(赤い折れ線)。… 続きを読む
◇フード・マイレージ資料室 通信 No.215◇
2021年4月12(月)[和暦 弥生朔日]発酵(?)… 続きを読む
2021.3/31(水)
今週最初のコツコツ小咄。
「本当は桜の下でドッカーンと盛り上がりたいんだけどね」
「打ち上げ花火(花見)は無理ね」
「今年もひっそりと花を愛でることにするわ」… 続きを読む
農林水産省は「みどりの食料システム戦略」中間取りまとめ案を公表しています(5月までに策定予定)。
策定の背景には、世界的に気候危機、新型コロナ禍に直面し、国内的には生産基盤の脆弱化が進むなか、EUが “Farm to Fork” … 続きを読む
コロナ禍により経済活動が停滞する中で、最近、世界の食料価格が値上がりしています。
リンク先の図214は、FAO(国連食糧農業機関)が公表している食料価格指数(食肉、酪農品、穀物、植物油、砂糖の価格指数の平均)の推移を示したものです。
https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2021/03/214_FAO.pdf
食料価格は、その生産が気象条件に左右されること、価格弾性値が小さいこと等から、工業製品等に比べて変動しやすいという特徴があります。特に2007年頃からは世界的な異常気象に加え、投機資金の流入もあって大きく上昇しました。
その後は比較的落ち着いていましたが、2020年頃から再び上昇基調が顕著となっているのです。… 続きを読む
◇フード・マイレージ資料室 通信 No.214◇
2021年3月27日(土)[和暦 如月十五日]… 続きを読む
2021年の春は早いようです。
地元の東京・東村山市でも3月のうちに桜が満開に。
心浮き立つ季節のはずですが、新型コロナウイルス感染が拡大傾向にあるのが気掛かりです。
年度が明けたばかりの4月3日(土)の午後は、東京・八王子へ。久しぶりのイベントでの外出です。
駅の北口にそびえる再開発ビル・八王子オクトーレの12階(見下ろすと目がくらむよう)にある… 続きを読む
−國分功一郎『原子力時代における哲学』(晶文社、2019/9)−
https://www.shobunsha.co.jp/?p=5494
東電福島第一原発の事故を受けて「原発をなくしたいと心の底から思っている」著者が、2013年に行った連続講座「原子力時代の哲学」の記録です。ともすれば難しい哲学の用語なども、一般市民向けに分かりやすく解説してくれています。
科学技術に酔っていた1950年代、核兵器ではなく原子力という技術(「核の平和利用」)自体の危険性を正面から指摘した唯一の哲学者が、ハイデッガーでした。
人類は、地上の生態系を超越した原子力技術を開発・獲得したことにより、まるで神になったかのような錯覚(全能感)に浸りました。… 続きを読む
河北新報社(宮城・仙台市)は3月1日(月)、東日本大震災で津波被害を受け、あるいは原発事故により避難区域が設定された岩手(12)、宮城、福島(各15)の計42市町村の首長を対象としたアンケート調査結果を公表しました。
これによると、復興の進み具合を0〜100%の数値で示す「復興度」については、岩手、宮城では「90%以上」と考える首長が9割以上を占めています。これら両県では、大半の首長が復興は総仕上げの段階に入ったと認識していることが伺えます。
ところが、福島県では過半数の首長が復興度は「30〜70%」と回答しており、原発事故の影響が明らかとなっています。
また、復興の完了時期の見通しについては、3県で「2021年度末ごろ」が7人、「25年度末ごろ」が5人等となっていますが、福島県内では7人が「見通せない」と回答しています。… 続きを読む