【豆知識】DID(人口集中)地区人口割合と農家割合の推移

「食と農の間の距離」が拡がってしまい、多くの消費者が産地や生産者のことを「自分ゴト」として意識できなくなったった要因・背景には様々なものがありますが、その一つは単純(かつ明白)なものです。
 リンク先のグラフの緑の折れ線グラフは、総世帯数に占める農家世帯の割合の推移です。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2022/01/233_DID.pdf

1960年には農家は全世帯の26%以上を占めていました。言わば全人口の1/4以上は農家出身だったのです。ところがこの農家の割合は大きく低下し、現在は4%弱と、農家は本当に少数派となってしまっています。

一方、赤い折れ線グラフは、総人口に占めるDID(人口集中)地区人口の割合です。… 続きを読む

【ブログ】2021年最後のしごと塾さいはら(山梨・上野原市)

2021年12月12日(日)は、山梨・上野原市西原(さいはら)へ。
 地元の方たちの協力を得て、山里での農作業やものづくりを学ぶ「しごと塾さいはら」が、10年以上、月1回ほどのペースで続いています。ただし昨年と今年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあってあまり活動できませんでした。
 私は… 続きを読む

【ほんのさわり No.231】小口広太『日本の食と農の未来』

小口広太『日本の食と農の未来−「持続可能な食卓」を考える』(2021.9、光文社新書)
 https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334045609

著者の小口広太(おぐち・こうた)さんは1983年長野・塩尻市生まれ(実家は農家)。日本農業経営大学校専任講師等を経て、現在は千葉商科大学人間社会学部准教授(博士(農学))。

あとがきには「本書の執筆を決意したきっかけは大江正章さんが亡くなられたこと。本書は大江さんの遺志を引き継ぎたいという決意表明」と記されています。学生時代から可愛がられ、一緒によく飲み、議論したとのこと。本書に掲載されている事例の多くは、大江さんと一緒に歩いた「現場」だそうです。

本書の問題意識は、現在の日本の食と農は、グローバル・フードシステムの下で「食の海外依存」「国内農業の荒廃」という二重の脆弱性を抱えていることにあります。… 続きを読む

【オーシャン・カレント No.231】大江正章さんを偲ぶ会

2020年12月15日、出版社コモンズやNPOアジア太平洋資料センタ−等で活躍された大江正章(おおえ・ただあき)さんが逝去されました。地域、農と食、アジアと日本の関わりなど幅広いテーマについて、編集者・ジャーナリストとして多くの現場に足を運んで取材し、深い考察を重ねてこられました。

 大江さんが亡くなった後、多くの友人・知人たちが「呼びかけ人」となって計画・準備してきた「偲ぶ会」が、大江さんが亡くなってから約1年後の12月18日(土)に、以下により開催される運びとなりました。
 多くの方のご参加、あるいはご賛同をお待ちしています。

日時:2021年12月18日(土)13:00〜17:30(予定)
 開催方法:基本的にオンライン(申し込み不要)… 続きを読む

【豆知識 No.231】「地域主義」について

大江正章さんが一貫して取り組んでおられたテーマの一つが、「地域主義」でした。
 現在、地域主義というと、グローバル化に対抗するEU統合など政治的な動きを指す言葉としても用いられますが、ここで言う地域主義は、それとは若干意味合いが異なります。

玉野井芳郎(元東京大名誉教授、沖縄国際大教授)は、地域主義を「地域に生きる生活者たちが、その自然・歴史・風土を背景に、その地域の共同体にたいして一体感をもち、経済的自立性、政治的自律性(自治)、文化的独自性を追求すること」と定義しています。

この言葉から40年以上が経過した現在、経済や情報(思想や哲学も)のグローバル化が進むなか、人々は拠って立つところ(地域や場)を喪失し、ふわふわと浮遊しているかのようです。情報等には容易にアクセスできるものの自分の血肉とはならず、モヤモヤは募るばかり。コロナ禍もあって人と人との直接的なコミュニケーションも困難になっています(リンク先の図(マンガ?)231参照)。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2021/12/231_tiiki.pdf続きを読む