【オーシャン・カレント】「合理的な価格」とは

【ポイント】
 持続的な食料供給のためには、コストが合理的に価格に反映(転嫁)されることが必要です。このことについて私たち消費者も理解し、実践していく必要があります。

農林水産省「適正な価格形成に関する協議会」第2回資料より

本年6月に改正・施行された食料・農業・農村基本法において、基本理念の最初に位置付けられた「食料安全保障の確保」とは「良質な食料が合理的な価格で安定的に供給され、・・・」と定義されています(第2条1項)。… 続きを読む

【豆知識】農業生産資材価格の高騰

【ポイント】
 農業生産資材の価格は2021年頃から高騰し、現在も高い水準で推移しています。これらコスト上昇分は、農産物価格には十分には反映(転嫁)されていません。

肥料、飼料等の農業生産資材の価格は、国際需給の引き締まり、円安の進行、ウクライナ危機等の影響により、2021年半ば以降、大きく上昇しています。
 リンク先の図301は、2020年以降の主な資材価格指数の推移を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2024/10/301_bukka.pdf続きを読む

【ブログ】豆を煮る匂いのある街

2024年も10月に入り(早いな~)、東京地方はこのところ雨模様の日が続いています。

自宅近くに一画を借りている市民農園。
 菌ちゃん畝に植え付けた冬野菜の苗は、まあ順調。ネットを掛けていますが虫喰いがあります。品川カブ、ほうれん草、春菊に加えて、遅れて蒔いた大根の芽も出揃ってきました。
 ところが落花生は、葉が茂るばかりでほとんど花が着きません。ゴマは青いまま、それでも少しずつ刈り取っています。
 それより何より、作業をしていると夏の間はほとんどいなかった蚊が、ここにきて大襲来。カメムシも例年より多いような。… 続きを読む

【ブログ】ふくしまオーガニックコットンボランティアツアー2024「収穫」編~さよなら天ぷらバス~

東京地方は10月に入ってようやく秋めいてきましたが、まだ真夏日を記録する日も。
 2024年10月5日(土)は、細かな雨が落ちるなか朝7時過ぎに東京駅丸ビル前へ。
 この日は「ふくしまオーガニックコットンボランティアツアー2024<収穫編>」の開催日。「さよなら天ぷらバス」という副題が付されています。… 続きを読む

【ブログ】おいしい未来をつくる読書会#3『フード・マイレージ』

自宅近くに一画を借りている市民農園。
 「菌ちゃん」畝に冬野菜を補植しネットをかけ替え。今夏はナスは全く不作でしたが、今頃になって花をつけ始めてています。
 露地の畝は左から品川かぶ、ほうれん草、春菊。いずれも芽を出し始めました。
 コットンの花(これも今頃になって多く咲き始めました)には、蜜を吸いに来たイチモンジセセリの姿。

2024年9月28日(土)20時から開催されたのは… 続きを読む

【ブログ】拙メルマガ300号記念「お礼の集い」

2024年9月も秋分の日を迎え、ようやく東京地方は秋の気配。
 とはいえ猛暑が過ぎただけで、気温は引き続き平年を大きく上回って推移しています。

 自宅近くに一画を借りている市民農園。
 「菌ちゃん畑」にようやくキャベツ、白菜等の苗を植え付け。畝立てをして、北品川商店街で頂いてきた品川かぶのほか、春菊、ほうれんそう、にんじんを播種。さて、「異常」気象のなか果たして無事に生育してくれるでしょうか。

それに先立つ2024年9月18日(火)、私にとって一生、忘れることのできない会が開催されました。… 続きを読む

【ほんのさわり】小倉武一『誰がための食料生産か』

−小倉武一『誰がための食料生産か』(1987年10月、家の光協会)−
 https://ci.nii.ac.jp/ncid/BN01427367

【ポイント】
 戦後日本の農政、経済政策の中枢を担った著者が40年近く前に提起している問題の多くが、そのまま現在にも通じる(解決されていない)ことに驚かされます。

300号の節目にふさわしい本がないか探していたところ、本棚の奥から出てきたのが本書です。農林水産省に入省してから間もない頃に読んだ本の一冊で、何重にも多くの線が乱雑に引かれています。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】審議会でも開始された次期基本計画についての議論

【ポイント】
 国の食料・農業・農村政策審議会で、次期の食料・農業・農村基本計画についての議論が始まっています。

農林水産省HPより

食料・農業・農村政策審議会とは、食料・農業・農村に関する重要事項について調査審議する機関として、食料・農業・農村基本法(改正後の法では第52条)に基づいて設置されている審議会です(「農政審」と略して呼ばれることもあります)。学識経験者、各種団体(生産、流通、消費等)、マスコミ等の代表22名の委員から構成され、現在の会長は大橋 … 続きを読む

【豆知識】農林水産業総生産の国際比較

【ポイント】
 日本の農林水産業の総生産は、先進国の中ではアメリカに次いで2位ですが、為替レートの影響もあり、他国と異なり一貫して減少しています。一人ひとりが将来の農業や食料供給のあり方について考えていく必要があります。

日本における農林水産業の地位について、国際的な比較を試みました。
 リンク先の図300は、国際連合の統計を用いて、主な先進国(G7各国及びオーストラリア、韓国、オランダ)の農林水産業の総生産(付加価値ベース)と、GDP(国内総生産)に占めるシェアの推移を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2024/09/300_GDP.pdf続きを読む