【ほんのさわり】赤松利一『藻屑蟹』

−赤松利一『藻屑蟹』(徳間文庫、2019.3)−
 https://www.tokuma.jp/book/b493527.html

著者は1956年香川県生まれ。会社も家庭も破綻して東日本大震災後の東北で土木作業員、除染作業員を経験。その後上京し「住所不定」の生活を送りつつ、漫画喫茶で書き上げた本書で第1回大藪春彦新人賞を受賞(2018)したという方(!)。 

 福島・浜通りにある某市でうだつの上がらないパチンコ店の店長をしていた主人公は、毎夜、札束の夢を見てうなされるほどのカネの亡者。高校時代の同級生に誘われて除染作業の監督者になり、そこで知り合ったベテラン原発作業員の遺書をネタに電力会社を脅そうとたくらみます。
 何でもカネで解決しようとする電力会社、日当は「中抜き」され人権さえ無視される原発作業員、補償金や義援金が生む断絶、原発事故からの避難者と地元住民との軋轢なども描かれます。著者が「自分で見てきたこと」を基にしているそうです。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】リスコミ「共に考える 食品中の放射性物質」

東電福島第一原発の事故から10年近くが経過し、基準値を超える食品はほとんど検出されなくなっている一方で、震災直後と比べて報道等で情報を得る機会は減っています。また、いわゆる「風評被害」も払拭されてはいません。 

 内閣府食品安全委員会、消費者庁、厚生労働省及び農林水産省は、食品に関するリスクコミュニケーション「共に考える 食品中の放射性物質」をオンラインで開催します。学識経験者や行政からの情報提供を受けて、関係者の間で意見交換を行うものです。ポケマル等でお世話になっている福島・いわき市の生産者の方も登壇される予定です。
 動画等は2021年3月1日(月)から公開、7日(日)までの間に意見・質問等を受け付け、回答は後日ウェブサイトに掲載されるとのことです。 

(参考)消費者庁HP… 続きを読む

【F.M.豆知識】被災三県のGDPの推移

東日本大震災と東京電力福島第一原発の事故から、間もなく丸10年を迎えます。その間、特に被害が大きかった三県(岩手、宮城、福島)の経済はどのように推移してきたでしょうか。
 リンク先の図212の下半分は、三県及び全国の県内(国内)総生産の推移を、震災前の2010年を100とした指数で示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2021/02/212_kenGDP.pdf

 全国のGDPは2018年には110となりました。つまり経済は10%成長したのです。
 これに対して被災三県のGDPは、2011年には岩手を除いて落ち込んだものの、その後回復し、おおむねね全国の水準を上回る成長を続けてきました。ただし福島については、最近はほぼ全国と同水準となっています。… 続きを読む

【ブログ】髙坂勝さん「適疎へ」(脱成長MTG)

2021年2月も後半。寒暖の激しい日が続きます。記録的な少雨で栃木・足利では大規模山火事も。
 蠟梅(ロウバイ)、辛夷(コブシ)、山茱萸(サンシュユ)など、低木に咲く黄色い花が目を楽しませてくれています。

2月23日(火、休日)の13時30分から、第21回脱成長ミーティングが開催されました。 … 続きを読む

【ほんのさわり】田尾陽一『飯舘村からの挑戦』

−田尾陽一『飯舘村からの挑戦−自然との共生をめざして』(ちくま新書、2020.12)−
 https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480073631/

著者は1941年神奈川県生まれ。東京大学大学院で物理学を専攻した後、ITベンチャーを起業し、大手セキュリティ会社の役員まで務めらた方。エネルギー研究者になった背景には、4歳の頃に広島市郊外に疎開した時に原爆の光を目撃した原体験があるそうです。

2011年6月、原発被災地を訪ねた著者たちは、全村避難指示が出されていた福島・飯館村の地元の農家の方たちと連携して「ふくしま再生の会」を立ち上げました(翌年にNPO化)。それから何度も現地を訪ね、村内の放射線量の測定活動を始められたのです。それから10年、住民目線で原発被害地域の再生に取り組んでこられました。
 なお、著者は2017年に避難指示が解除された直後、飯舘村に移住されています。… 続きを読む

【ブログ】人をつなぐ食(祖師ヶ谷大蔵~高円寺~山口・下関)

2021年も時候は立春から雨水へ。例年以上に気温の変動が激しいようです。

2月18日(木)の夕刻は、国際人権NGO ヒューマンライツ・ナウ(HRN)主催のウェビナー「ミャンマー軍の国際人権・人道法違反と企業の責任を考える」を視聴。 
 今回のクーデタの背景と国際関係、ビジネスの人権に対する責任など多角的な議論が行われました(ロヒンギャ難民キャンプの子どもが描いた絵も紹介されました)。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】フラワーバレンタイン

間もなく迎えるバレンタインデーは女性が男性にチョコレートを贈る日として定着していますが、世界の多くの国では愛や感謝を伝えるために花を贈る習慣があるそうです。

 日本でも(一社)花の国日本協議会の呼びかけにより、今年も「フラワーバレンタイン」キャンペーンが行われています。
 ジェンダーに関わらず、様々な愛のかたちを「花」を贈ることで伝えようというもので、今年のキャッチフレーズは「花は自由なラブレター」。世の中がコロナ禍で重苦しい空気に沈むなか、大事な人に花を贈ってみてはいかがでしょうか。

ところで2017年11月に飯舘村を訪問させて頂いた際には、いち早く農業(花き栽培)を再開されたハウスを見学させて頂きました。3月末に避難指示が解除されたばかりの飯舘村に、トルコギキョウやアルストロメリアが色鮮やかに咲き誇っていたことが、強く印象に残っています。

(参考)… 続きを読む

【豆知識】原発被災地の人口移動の推移

10年前の東京電力福島第一原子力発電所の事故により、12市町村に避難指示が出され、多くの方が避難を強いられました。自主避難された方も多数おられました。

その後、避難指示は徐々に解除され、現在では汚染度が高い帰還困難区域(双葉町、浪江町、大熊町、富岡町、南相馬市、葛尾村及び飯舘村の一部)を除き避難指示はすべて解除されています。
 なお、東日本大震災と原発事故に伴う福島県から県外への避難者数は、最も多かった頃からは半減しているものの、現在も28,959人を数えます(2021年1月13日時点、福島県集計)。

さて、リンク先の図211は、原発事故に伴い避難指示が出された12市町村の転出入者数の推移を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2021/02/211_juminidou.pdf続きを読む

【ブログ】ミュニシパリズムの経験から学ぶ(縮小社会研究会)

2021年2月13日(土)の夜には、10年前を思い出させるような福島県沖地震。
 2日後の15日(月)は東京地方は久々の本格的な雨になりました。家屋等が被害を受けた被災地にもかなりの雨が降ったようです。
 東京地方は午後には晴れ間が広がり、夕方には虹が現れました。

 前日(14日(日))20時からはネーネーズ続きを読む