【ほんのさわり】寺本英仁『ビレッジプライド』

寺本英仁『ビレッジプライド-「0円起業」の町を作った公務員の物語』(2018.11、プックマン社)
 https://bookman.co.jp/book/b427817.html

 1971年生まれの著者は、東京農業大学を卒業後にUターンして石見町(現 邑南町(おおなんちょう))役場の職員となりました。
 公務員になったのは、幼い頃からおばあちゃんに「公務員になりなさい、安泰だよ」と言われていたためで、最初の頃はあまり仕事に熱心ではなかったと告白しています。… 続きを読む

【ほんのさわり】横山祐典『地球46億年 気候大変動』

「懐疑派」の人たちの主張の一つが、地球は過去にはもっと温暖な期間もあったし、産業革命以降たかだか数百年の気候変動など、長い地球の歴史においては取るに足らない、というものです。

 本書の著者は熊本市出身の古気候学者。
 南極の氷床コアから得られたデータによると、地球は約10万年周期で氷期(全球氷結という時期もあったとのこと)と間氷期(温暖期)を5回以上繰り返したことが分かるそうです。
 現在は間氷期にあるそうですが、恐竜がいた中世期白亜紀の平均気温は現在より10℃以上高かったとのこと(これは「懐疑派」の主張の通りです)。

 地球が誕生して以来、気候は大きく変動してきました。… 続きを読む

【ほんのさわり】青木美希『地図から消される街』

-青木美希『地図から消される街-3.11後の「言ってはいけない真実」』 (2018.3、講談社現代新書)-
 http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000190725

著者は北海道新聞等を経て朝日新聞の記者。
 携わった「手抜き除染」報道等は新聞協会賞を受賞し、さらに本書は貧困ジャーナリズム大賞、日本医学ジャーナリスト協会賞特別賞を受賞しています。… 続きを読む

【ほんのさわり】金子美登ほか『有機農業の技術と考え方』

-中島紀一、金子美登、西村和雄 (編集)『有機農業の技術と考え方』(2010.7、コモンズ)-
 http://www.commonsonline.co.jp/books2010/2010/07/08/%E6%9C%89%E6%A9%9F%E8%BE%B2%E6%A5%AD%E3%81%AE%E6%8A%80%E8%A1%93%E3%81%A8%E8%80%83%E3%81%88%E6%96%B93%E5%88%B7/ 

本書は、有機農業推進法の制定(2006)後の有機農業の全体像を整理するとともに、将来の方向性について考察したものです。

 編著者の一人・中島紀一先生(茨城大農学部教授(当時))によると、農薬や化学肥料を使用しないというのは「有機農業の入り口についての部分的な認識」に過ぎないとのこと。… 続きを読む

【ほんのさわり】吉田 裕『日本軍兵士』

本書は、日本だけでも310万人(軍人・軍属230万人、民間人80万人)が戦没したアジア・太平洋戦争について、「兵士の目線」で「兵士の立ち位置」から、凄惨な戦場の現実(死の現場)を直視することを試みたものです。

 まず、戦病死者が非常に多いことが指摘されています。  戦場における死の最大の原因は、戦闘による死(戦死)ではなく、餓死を中心とした戦病死でした。戦況の悪化(制海・制空権の喪失)に伴い補給路は寸断され、戦争末期には輸送された食糧の半分近くが前線に到達せずに失われたそうです。
 これら食糧不足や心身の疲労に加え、ストレスや恐怖等によって体内の調節機能が変調を来し、身体が生きることを拒否する「戦争栄養失調症」が蔓延していました。
 さらに飢餓が深刻になると、食糧強奪のために友軍を襲撃・殺害するような事件があったことも紹介されています。… 続きを読む

【ほんのさわり】鈴木善次(監修)『食農で教育再生』)

(監修)鈴木善次、(編著)朝岡幸彦、菊池陽子、野村卓
 『食農で教育再生-保育園・学校から社会教育まで』
 (農山漁村文化協会、2007.2)
 http://shop.ruralnet.or.jp/b_no=01_4540063049/ 

本書は、食育基本法が成立(2005年)し「食育」という言葉が流行になっていた当時、それ以前から地道に「食農教育」に取り組んできた研究者や実践者により、将来の日本の「食」のあり方、教育のあり方について検討されたものです。… 続きを読む

【ほんのさわり】枝廣淳子『地元経済を創りなおす』

-枝廣淳子『地元経済を創りなおす』(2018.2、岩波新書)-
 https://www.iwanami.co.jp/book/b345708.html 

 著者は東京都市大学教授で、幸せ経済社会研究所所長。
 アル・ゴア『不都合な真実』を翻訳・紹介するなど地球環境・エネルギー問題の分野を中心に活躍されてきた著者ですが、近年は地域経済に強い関心を持っておられるようです。
 著者によると「未来は地域にしかない」とのこと。… 続きを読む

【ほんのさわり】山下祐介『限界集落の真実』

山下祐介『限界集落の真実-過疎の村は消えるか?』(2012.1、ちくま新書)
 http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480066480/

 本書は、2007年頃から「限界集落」に関する議論が高まり、さらに2011年の東日本大震災よって問題が先鋭化する中、あえて「常識」に抵抗するために発表されたそうです。
 その「常識」とは、「少子高齢化の進行により多くの集落が消えつつある」、「限界集落のように効率性の悪い地域には、この際、消滅してもらった方がいい」というもの。

 これに対して著者は、自身のフィールドワーク(青森、新潟、高知、鹿児島等)を基に、ダム建設や災害による移転は別にして、「少子高齢化が原因で消えた集落など、探し出すのが難しいくらい」としています。… 続きを読む

【ほんのさわり】富山和子『水と緑と土』

富山和子『水と緑と土-伝統を捨てた社会の行方(改版)』(2010.7、中公新書)
  http://www.chuko.co.jp/shinsho/2010/07/190348.html

 本書の主題は、日本人と川(水)との関わりです。
 歴史的に日本人にとっての最大の課題とは川とどうつきあうかということであり、同時に、日本人にとって自然の恵みとは川が運んでくれる水と土壌の惠みに他なりませんでした。… 続きを読む

【ほんのさわり】司馬遼太郎『潟のみち』

司馬遼太郎『潟のみち』(2008.10、朝日文庫(街道をゆく9))
 https://publications.asahi.com/kaidou/09/index.shtml

 「農業というのは、日本のある地方にとっては死に物狂いの仕事であったように思える」
 本書の冒頭の文章です。

 1975年11月、新潟・亀田郷(現在は新潟市の一部)を訪ねる作家は、それに先立ち、亀田郷の土地改良の歴史と現状を描いた映画を観て衝撃を受けます。… 続きを読む

【ほんのさわり】勝俣 誠(監修)『世界から飢餓を終わらせるための30の方法』

-勝俣 誠(監修)、特定非営利活動法人ハンガー・フリー・ワールド(編集)『世界から飢餓を終わらせるための30の方法』(2012/4、合同出版)-
 http://www.godo-shuppan.co.jp/products/detail.php?product_id=322 

 監修者は1946年東京生まれの明治学院大学教授・国際平和研究所(PRIME)所長(刊行当時。現在は同大学名誉教授)。開発経済学、アフリカ地域研究の第一人者の方。
 また、ハンガー・フリー・ワールド(HFW)は、飢餓のない世界を作ることを目的に活動する国際協力NGOです。… 続きを読む

【ほんのさわり】生源寺眞一『(新版)農業がわかると社会のしくみが見えてくる』

-生源寺眞一『(新版)農業がわかると社会のしくみが見えてくる 高校生からの食と農の経済学入門』(2018.4、家の光協会) -
  http://www.ienohikari.net/book/9784259518660

著者は1951年愛知県生。農林水産省試験場研究員、東京大学農学部教授・同学部長等を経て、現在は今年度から開学した福島大食農学類の初代学類長を務めておられます。また、日本農業経済学会長、日本学術会議会員等を歴任されるなど、日本の農業経済学の分野における第一人者です。… 続きを読む

【ほんのさわり】菊池勇夫『飢饉』

菊池勇夫『飢饉』 (2000.7、集英社新書)
 https://amzn.to/2Pgpus1

本書は、1950年青森県生まれで日本近世史・北方史を専門とする著者が、日本における飢饉の歴史を明らかにし、その発生メカニズムや未然に防ぐための社会システムのあり方等を論じた書です。

「日本書記」以来、数年に一度、あるいは毎年のように日本のどこかで飢饉は発生していたとのこと。… 続きを読む