【ほんのさわり】2020年まとめ 

今年も食や農の分野を中心に、考えるヒントとなる多くの本と出合えることができました。
 地球と人類の将来ビジョンを考えるのに参考になった本は西川 潤『2030年 未来への選択』(No.186)、宮台真司、飯田哲也『原発社会からの離脱』(No.190)、古沢広祐『食・農・環境とSDGs』(No.196)、中野佳裕「いまこそ〈健全な社会〉へ」(No.198)、ハラリ『サピエンス全史』(No.200)、斎藤幸平『人新世の「資本論」』(No.207)です。

農村や自然との関わりでは、鷲田清一/山極寿一『都市と野生の思考』(No.191)、宇根 … 続きを読む

【オーシャン・カレント】2020年まとめ

食や農の分野について先進的かつユニークな活動に取り組んでおられる方や、食や農に関わるトピックス等を紹介してきました。
 新年最初の号では、ガンジーの研究者である石井一也先生(香川大、No.184)を紹介させて頂きました。
 桜と日本文学(No.188)、土用の丑の日(No.197)、閏月と自然のリズム(No.193)についても紹介しました。

政策・制度関連では、3月に策定された新たな食料・農業・農村基本計画(No.191)、花いっぱい応援プロジェクト(No.189)、国産農林水産物等販売促進緊急対策等(No.196)、農福連携(No.203)、改正種苗法(No.207)を紹介しました。
 また、鳥インフルエンザはヒトには感染しないこと(No.206)も紹介しました。… 続きを読む

【豆知識】2020年まとめ

食や農に関連して、特に私たち消費者にちょっと役に立つ、あるいは考えるヒントになるデータをコツコツと紹介してきましたが、やはりコロナ関連のデータが多くなりました。

新型コロナ感染者数は人口密度が高い都道府県ほど多いこと(No.191)、第一次産業のシェアが高い都道府県は相対的に感染者密度が低いこと(No.194)、東京圏では人口密度の長期的に上昇していること(No.193)を紹介しました。
 食料支出への影響の関連では、米や麺類の家計消費が増えている一方で外食が大きく落ち込んでいること(No.195)、飲食店は一定の経済的地位を有している(No.192)ものの、外食の売上げが大きく落ち込んでいること(No.196)を紹介しました。
 また、緊急事態宣言下で米の買い占めが話題となるなか、米の備蓄/在庫は十分にあること(No.190)、家計消費が増えた以上に外食が落ち込んだため米の1人当たり消費量は減少していること(No.206)、野菜価格も秋口以降低迷していること(No.207)を紹介しました。
 さらに、切り花の購入額も低所得層を中心に減少している状況にあります(No.189)。… 続きを読む

【ブログ】2020年暮れのウルトラマン

異例続きだった2020年も、いよいよ押し詰まってきました。
 12月25日(金)も快晴。日本海側や山間いの大雪とは異なり、東京地方はしばらく降水がありません。

 自宅近くに借りている市民農園も豊作。趣味なら無邪気に喜べますが、11年ぶりという野菜価格の低迷は気がかりです。
 大根を引っこ抜き、鎌でキャベツを収穫(キャベツの刃? 錆びてるな~)。… 続きを読む

【著作等】『給食ニュース』12月号の監修をさせて頂きました。

以前からお世話になっている(株)少年写真新聞社の『給食ニュース』2020年12月8日号の監修をさせて頂きました。
 地産地消の大切さについて写真や図を用いて分かりやすく説明して下さっています(編集部では、私の試算に合わせてわざわざ世田谷産のブドウを買いに行かれたそうです)。
 地域農業の大切さが、子どもたちに伝わっていけばいいですね。… 続きを読む

【ほんのさわり】斎藤幸平『人新世の「資本論」』

−斎藤幸平『人新世の「資本論」』(集英社新書、2020/9)−
 https://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/1035-a/

改めて小稿で紹介する必要もないベストセラー。
 著者は1987年生まれの大阪市立大学大学院経済学研究科准教授で、ベルリン・フンボルト大学哲学科博士課程を修了された「マルキスト」です。

今さらマルクス主義? … 続きを読む

【オーシャン・カレント】改正種苗法

去る2020年12月2日、種苗法の一部を改正する法律が成立しました。

 今回の改正は、国内で開発された優良品種の海外流出を防ぐことが目的でしたが、一部、誤った情報が広く拡散するという混乱がありました。
 例えば、伝統種や固定種等の自家増殖(農家自ら種を採り増やすこと)を一律に禁止するものではありません。現在、栽培されている多くの品種(一般品種)は、今後も自由に自家増殖ができます。県の試験場等が開発した登録品種については許諾料が必要となりますが、許諾が必要なことは現在と変わらず、法改正によって生産者のコストが大きく上昇する事態は想定されません。
 また、海外の多国籍企業を優遇したり、遺伝子組換え作物の利用を推進したりするものでもありません。

いずれにせよ、生産者のみならず消費者の中でも種についての関心が高まっていること自体は、日本の農業や食料供給のあり方を見直す機会となるという意味で貴重です。… 続きを読む

【豆知識】野菜小売価格の推移

今年の野菜の小売価格については、例年にない高騰により家計が圧迫されたという記憶が強いのではないでしょうか。
 確かに今年は2月以降の全国的な日照不足、長梅雨、激しい気温の変動等により野菜の生育は大きな影響を受け、7〜8月頃にはレタスやキャベツは平年の倍以上という高い水準にまで値上がりしました(リンク先の図207参照)。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2020/12/207_yasai.pdf

マスコミでも連日のように報道されたこともあって、消費者には価格高騰の印象ばかり強く残っているのですが、実際の野菜価格は図にあるように秋口にはおおむね落ち着き、さらに現在は、白菜、レタス、大根等の価格下落が続き、平年を下回る水準で推移している現状にあります。
 これは、秋の好天により生育が順調だったことに加えて、新型コロナウイルス感染拡大による外食等の業務需要の落ち込みが要因となっています。… 続きを読む

【ブログ】分からなくなったら現場に出て聞け(宇井純さん)

2020年12月8日(火)は好天。自宅からほど近い東村山市の北山公園へ。
 公園近くの民家カフェで雑穀とお豆中心のランチ。野菜やミカンは庭先で育てているそうです。窓からは見事な紅葉。

北山公園では、今年は中止された菖蒲祭りの来年の開催に向けて、準備の作業中。… 続きを読む