
今年の野菜の小売価格については、例年にない高騰により家計が圧迫されたという記憶が強いのではないでしょうか。
確かに今年は2月以降の全国的な日照不足、長梅雨、激しい気温の変動等により野菜の生育は大きな影響を受け、7〜8月頃にはレタスやキャベツは平年の倍以上という高い水準にまで値上がりしました(リンク先の図207参照)。
https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2020/12/207_yasai.pdf
マスコミでも連日のように報道されたこともあって、消費者には価格高騰の印象ばかり強く残っているのですが、実際の野菜価格は図にあるように秋口にはおおむね落ち着き、さらに現在は、白菜、レタス、大根等の価格下落が続き、平年を下回る水準で推移している現状にあります。
これは、秋の好天により生育が順調だったことに加えて、新型コロナウイルス感染拡大による外食等の業務需要の落ち込みが要因となっています。
米価格が下落する恐れがあることは前号で紹介しましたが、野菜についても今冬は価格下落が著しく、生産者は厳しい年の瀬を迎えています。
ちなみに農林水産省では、1日当たりの野菜摂取量が目標量(350グラム)を大きく下回っている状況もあり、野菜の消費拡大を推進するための「野菜を食べよう」プロジェクトを実施しています。
[資料]
農林水産省「食品価格動向調査(野菜)」
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/kouri/k_yasai/h22index.html
同「野菜を食べよう」プロジェクト
https://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/yasai/2ibent.html
出所:
F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-
No.207、2020年12月15日(火)[和暦 霜月朔日]
https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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