【豆知識】有機農業と生物多様性

多くの消費者にとっての有機農業のイメージとは、農薬を使用しない安全で安心できる食品を生産する農法と捉えられる場合が多いですが、有機農業にはそれ以外の多くの特徴や役割があります。
 その一つが、生物多様性の保全です。
 リンク先の図209は、水田の農法と生物多様性保全との関連を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2021/01/209_tayousei.pdf

この図は、有機栽培、冬季湛水、IPM(総合的病害虫・雑草管理)を実施した水田(実施区)と、していない水田(対照区)におけるトンボやカエルの個体数を調査し、その結果から「生物多様性が非常に高い」「高い」「低い」「非常に低い」の4段階に分け、その構成割合を示したものです。… 続きを読む

【豆知識】2020年まとめ

食や農に関連して、特に私たち消費者にちょっと役に立つ、あるいは考えるヒントになるデータをコツコツと紹介してきましたが、やはりコロナ関連のデータが多くなりました。

新型コロナ感染者数は人口密度が高い都道府県ほど多いこと(No.191)、第一次産業のシェアが高い都道府県は相対的に感染者密度が低いこと(No.194)、東京圏では人口密度の長期的に上昇していること(No.193)を紹介しました。
 食料支出への影響の関連では、米や麺類の家計消費が増えている一方で外食が大きく落ち込んでいること(No.195)、飲食店は一定の経済的地位を有している(No.192)ものの、外食の売上げが大きく落ち込んでいること(No.196)を紹介しました。
 また、緊急事態宣言下で米の買い占めが話題となるなか、米の備蓄/在庫は十分にあること(No.190)、家計消費が増えた以上に外食が落ち込んだため米の1人当たり消費量は減少していること(No.206)、野菜価格も秋口以降低迷していること(No.207)を紹介しました。
 さらに、切り花の購入額も低所得層を中心に減少している状況にあります(No.189)。… 続きを読む

【豆知識】野菜小売価格の推移

今年の野菜の小売価格については、例年にない高騰により家計が圧迫されたという記憶が強いのではないでしょうか。
 確かに今年は2月以降の全国的な日照不足、長梅雨、激しい気温の変動等により野菜の生育は大きな影響を受け、7〜8月頃にはレタスやキャベツは平年の倍以上という高い水準にまで値上がりしました(リンク先の図207参照)。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2020/12/207_yasai.pdf

マスコミでも連日のように報道されたこともあって、消費者には価格高騰の印象ばかり強く残っているのですが、実際の野菜価格は図にあるように秋口にはおおむね落ち着き、さらに現在は、白菜、レタス、大根等の価格下落が続き、平年を下回る水準で推移している現状にあります。
 これは、秋の好天により生育が順調だったことに加えて、新型コロナウイルス感染拡大による外食等の業務需要の落ち込みが要因となっています。… 続きを読む

【豆知識】米の1人当たり消費量の推移

国民1人・1年当たりの米の消費量は、1960年代前半には120kg近くあったのをピークに、2000年頃までに半減しました。これは、経済の高度成長と所得の増大に伴い、食生活のパターンが、それまでの米を中心とするものから、パンや麺、さらには畜産物や油脂を多く消費するものに大きく変化したためです。
 ところが、かつてのように経済が成長していない近年においても、米の消費量は減少し続けているのです(リンク先の図206参照)。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2020/12/206_komeshouhi.pdf

これによると、1996/97年(96年7月から97年6月までの1年間)における米の1人当たり消費量は75.0kgだったのが、2019/20年には56.6kgへと、四半世紀足らずの間に25%も減少してます。

この背景には、引き続いている単身世帯や共働き世帯の増加や、中食(持ち帰り弁当など)・外食への支出の増大等があるとされています。特に2019/20年においては、コロナ禍の影響により家庭における米の消費量は増加したものの、それ以上に外食における米の消費が減少したため、前年に比べて3%以上と大きく減少したのです。… 続きを読む

【F.M.豆知識】関係人口の推計値

特定の地域に継続的に多様なかたちでかかわり、「観光以上移住未満」とも言われる「関係人口」が注目されています。
 リンク先の図205は、国土交通省による関係人口の推計結果を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2020/11/205_kankeijinko.pdf
 
 これによると、三大都市圏に居住している関係人口は合計861万人で全居住者(4,678万人)の約18%を占めており、その他地域に居住している関係人口は合計967万人で全居住者(5,936万人)の約16%となっています(全国計では1,811万人、全居住者(10,614万人)の約17%)。

 これら関係人口の内訳をみると、産業創出、空き店舗活用、マルシェ出店、ボランティア等の「直接寄与型」が35%、就労型(現地就労)が6%、地域の人と交流したりイベント・体験プログラムに参加したりしている「参加・交流型」が22%、就労型(テレワーク)が10%、地縁・血縁先以外の地域での趣味活動等を実施している「趣味・消費型」が28%となっています。… 続きを読む

【豆知識】食品ロス発生量の推移

10月は食品ロス削減月間、10月30日は食品ロス削減の日でした。いずれも昨年10月に施行された「食品ロス削減推進法」で定められたものです。今や食品ロスの削減は、法律で定めなければならないほどの深刻かつ重要な問題なのです。
 リンク先の図204は、近年における日本の食品ロス発生量の推移を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2020/10/204_loss.pdf

 2019年における食品廃棄物の量は2,550万トン(有価物や不可食部分も含む。)で、このうち、本来食べられるにもかかわらず廃棄されている食品(食品ロス)の量は612万トンとなっています。
 これには、売れ残り、返品、食べ残し等が含まれています。… 続きを読む

【豆知識】農福連携の効果

近年、農業分野と福祉分野が連携して障がい者等の農業分野への就労等を促進する「農福連携」の取組みが拡がっています(詳しくは次の「オーシャン・カレント欄」参照)。
 農福連携は、農業者及び障がい者の双方に、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
 リンク先の図203は(一社)日本基金が実施したアンケート調査結果の一部です。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2020/10/203_nofuku.pdf

 障がい者を雇用または福祉事業所等に農作業を委託している農家等(回答数 … 続きを読む

【豆知識】買物と持続可能性

持続可能性(Sustainability)という概念が最初に提起されたのは、1987年の「ブルントラント報告」(国連環境と開発に関する世界委員会、1987)とされ、1992年の地球サミット等を経て、現在の国連「持続可能な開発目標」(SDGs)に受け継がれています。
 その目標 12.は「持続可能な生産消費形態を確保する」。一人ひとりが持続可能な消費形態をとる(買い物をする)ことが求められています。

 リンク先の図202は、PwC(PricewaterhouseCoopers)『世界の消費者意識調査2020』の一部で、農水省勉強会における矢矧晴彦氏(PwCコンサルティング合同会社)の講演資料を引用・加工させて頂いたものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2020/09/202_kaimono2.pdf続きを読む

【豆知識】(改めて)フード・マイレージを考える意味

拙メルマガもお陰様で200号を超えたこともあり、改めてフード・マイレージについて紹介させて頂きます。
 フード・マイレージは、食料の輸送量(t)に輸送距離(km)を掛け合わせた数値(単位はt・km(トン・キロメートル))で、日本の輸入食料全体のフード・マイレージは約8.4千億 t・kmと、韓国・アメリカの3倍近くとなっています。
 また、輸入食料が日本の港に到着するまでに約17百万トンのCO2が排出されていると試算され、日本が輸入する食料の大量・長距離輸送は地球環境に相当の負荷を与えています。

地産地消は、新鮮で安心できる食材の入手、地域農業の活性化等の面で注目されていますが、さらに食料の輸送に伴うCO2を削減するという効果もあります。… 続きを読む

【F.M.豆知識】人類史と農地面積

 45億年前に形成された地球という惑星上に人類の祖先が現れたのが250万年前、ホモ・サピエンスが出現したのは20万年前とされます(諸説あります)。
 そして、農耕が始まったのは1万年ほど前と、地球史、人類史のなかではごく最近のことです。
 リンク先の図200は、世界の農用地面積の超長期推移を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2020/09/200_landuse.pdf

 イギリス・オックスフォード大学の研究者等の共同作業により構築・運営されている長期データベース“Our … 続きを読む

【豆知識】猛暑日の年間日数の経年変化

今年の8月は暑い日が続き、ほぼ連日、全国の多くの地域で最高気温が35℃を超える「猛暑日」となっています。
 リンク先の図199は、全国(都市化が進んだ地域を除く13地点の平均)の猛暑日の年間日数の経年変化を示したものです。
 棒グラフ(赤)は各年の年間日数(全国13地点における平均で1地点あたりの値)で、直線(紫)はこの期間の傾向線を示しています。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2020/08/199_moushobi.pdf

 これによると、最近30年間(1990〜2019年)の平均年間日数は2.3日と、統計期間の最初の30年間(1910〜1939 … 続きを読む

【豆知識】世界の貿易額の推移と見通し

過去数十年の間、世界の経済活動は地球的規模に拡大してきました(グローバリゼーション)。
 リンク先の図198は、世界の貿易額(輸出額)の推移と、2020年の見通しを示したものです。
  https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2020/08/198_trade.pdf

 IMF(国際通貨基金)のデータによると、1970年代頃から増大し始めた世界の貿易額は、次第にペースを早め、2000年度に入ってから加速度的に急増しました。
 2008〜9年の世界金融危機等から減少した年はあるものの、現在の世界の貿易総額は20兆ドル近くと、1950年代の200倍以上、1990年代に比べても4倍以上という巨大なレベルにあります。… 続きを読む

【F.M.豆知識】うなぎの供給量等の推移

今日は土用の丑の日(次節参照)。日本の食文化ともかかわりの深いウナギですが、その供給量は近年大幅に減少しています。
 リンク先の図197は、ウナギの国内供給量(国産及び輸入)と価格の推移を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2020/07/197_unagi.pdf

 これによると、ウナギの国内供給量は1980年代半ば以降から増加し、2000年には史上最多の約16万トンとなりました。8割以上は輸入で、特に中国における日本向けのヨーロッパウナギの養殖に支えられたものでした。
 その後、供給量は急速かつ大幅な減少に転じ、最近は5万トン程度で推移しています。… 続きを読む

【豆知識】外食の売上げの推移

(一社)日本フードサービス協会(JF)は、毎月、会員の飲食関連会社を対象として売上高等を調査しています。
 これによると、2020年2月頃まではほぼ前年同月並みで推移していた売上高(全店舗)は、新型コロナウイルスの感染が拡大してきた3月は前年同月に比べ17%減少し、さらに緊急事態宣言が発出された4月には40%と大幅に落ち込みました。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2020/07/196_gaishoku.png

 その後、徐々に緊急事態宣言が解除された5月には32%減と4月よりいくぶん回復したものの、引き続き大幅な減少となっています。
 また、客数は38%減少している一方、客単価は逆に前年同月を9%上回っています。… 続きを読む

【豆知識】2020年4月の食料費支出

新型コロナウイルス感染症に伴う外出自粛は、私たちのライフスタイルや消費行動に大きな影響を及ぼしたことは、統計からも明らかになっています。
 リンク先の図195は、2020年4月の食料等への支出の様子を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2020/06/195_kakei.pdf

 これによると、消費支出全体は前年同月に比べ実質11.1%減少しています。
 食料に対する支出額も6.6%減少していますが、その内訳をみると、費目ごとに大きな差があります。… 続きを読む