【豆知識】ふくしま心のケアセンターへの相談件数等の推移

【ポイント】
 原発被災者等からの相談件数は、近年もほぼ横ばいないし増加傾向で推移しており、相談内容は多様化、複雑化するとともに深刻化しているとのことです。

「ふくしま心のケアセンター」は、福島県から事業委託を受けた(一社)福島県精神保健福祉協会が設置・運営する機関で、看護師、保健師、臨床心理士、精神保健福祉士、社会福祉士、作業療法士等が相談を受けること等により、原発被災者等の総合的な心のケア対策を行っています。

リンク先の図288は、2013年以降の相談件数等の推移を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2024/03/288_sodan.pdf

2022年度における相談支援件数は5,847件となっており、相談者の90%近くの震災前の居住地は、広範な避難指示が出された相馬・双葉地域です。
 相談の背景(複数)については、健康上の問題が71%、家族・家庭問題が54%、居住環境の変化が44%等となっており、また、67%の方が精神的・身体的不調の症状を訴えておられるそうです。

相談支援件数(棒グラフ)の推移をみると、2017年度にかけては減少傾向で推移していたものの、原発事故の自主避難者への住宅支援が見直されるなかで18年度から増加に転じ、ここ数年は相談支援件数、実相談者数(下の折れ線グラフ)ともにおおむね横ばいで推移しています。
 一方、実相談者一人当たりの相談支援件数(青い折れ線グラフ)は、2017年度までは4〜5件程度だったのが、近年は10件以上と上昇傾向で推移しています。

また、被災者相談ダイヤル(ふくここライン)への相談件数(赤い折れ線グラフ)は2022年度で242件と、これも増加傾向で推移しています。2022年度は再相談が8割を占め、一人で何度も相談される方が増えているそうです。

避難指示の解除が進み、徐々に帰還される方も増えていますが、センターは「被災者からの相談内容は、多様化、複雑化するとともに深刻化している」としています。

[データの出典]
 「ふくしま心のケアセンター活動記録誌2022(令和4)年度」から作成。
 https://kokoro-fukushima.org/activityreport/

出典:
 F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
 No.288、2024年3月24日(日)[和暦 如月十五日]
  https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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