【ブログ】「核」「原子力」をめぐって。

2022年6月後半。梅雨明けはまだですが晴れの日も増えて気温も上昇。猛暑日も。
 夏の花が咲き、虫たちの行動も活発になってきました。

左からアカシア、クロハナムグリ、ナガフゴマカミキリ、ジャコウアゲハ(いずれも22年6月、東村山市内)

そのようななか、「核」や「原子力」に関連する出来事が相次ぎました。
 6月17日(金)、最高裁第二小法廷は、東京電力福島第一原発事故に関する4件の集団訴訟 … 続きを読む

【ほんのさわり】萬田正治、山下惣一監修『新しい小農』

−萬田正治、山下惣一監修 小農学会編著『新しい小農〜その歩み・営み・強み』(2019/11、創森社)−
 http://www.soshinsha-pub.com/bookdetail.php?id=404

萬田正治先生(鹿児島大学名誉教授)、山下惣一さん(農民作家、佐賀)達の呼びかけにより、2015年7月、福岡市で開催された小農学会設立総会には、全国から農家、研究者、ジャーナリストなど90人ほどが参加しました。
 農的暮らし、田舎暮らし、菜園家族、定年帰農、市民農園、半農半Xなどに取り組む都市生活者も含む「小農」学会では、学会誌の発行、定期セミナーの開催(オーシャン・カレント欄参照)など様々な活動を行っています。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】小農学会オンラインセミナー「フード・マイレージ最前線」

食料の輸送量に輸送距離を乗じたフード・マイレージは、もともとは食料輸送に伴う環境負荷の大きさ(CO2排出量)を把握するために開発された指標ですが、最近のパンデミックやウクライナ危機のなかで、食料の安定供給(安全保障)を考える際のヒントとなるものとしても注目されています。
 以下により、6月17日(金)、小農学会オンライン定期セミナー(zoom)で話題提供させて頂きますので、食料や一次産業に関心のある方のご参加をお待ちしています(参加費無料)。

日時:2022年6月17日(金)19:30〜21:00
  19:30〜 開会、中田からの話題提供「フード・マイレージ最前線」(仮題)… 続きを読む

【ブログ】小農学会オンラインセミナー「フード・マイレージ最前線」

2022年6月4日(土)から19日(日)の間、地元・東村山市の北山公園では菖蒲祭りが開催されました。
 新型コロナウイルス感染の関係で3年ぶりの開催。
 約600種8000株というハナショウブは変わらずに見事、飲食店など屋台は出ていますが、コロナ前に行われていたお囃子の舞台などは今年も実施されませんでした。… 続きを読む

【豆知識】作付規模別にみた米生産費

一般的に生産コストは規模が拡大するに伴って低減します。このスケールメリット(規模の経済)は、米についても明らかに観察されます。
 リンク先の図244は、米の60kg当たり生産費(費用合計)を作付規模別に示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2022/06/244_kibo.pdf
 
 2020年産米の60kg当たり生産費(費用合計)は平均で1万3104円ですが、棒グラフにある通り、作付面積0.5ha未満では平均の1.9倍、0.5〜1ha層では1.5倍となっているのに対し、10〜15ha層では71%、50ha以上層では56%と、作付規模が大きい経営体ほど生産費は低減しています。
 費目別にみると、特に農機具費、賃借料及び料金(作業委託料等)、労働費が大きく低減していることが分かります。… 続きを読む

【メルマガ】F.M.Letter No.244

先日、登録下さっている読者の皆様に以下の拙メルマガを配信させて頂きました。
 なお、本ウェブ掲載にはタイムラグがあり終了してしまったイベント等もありますので、よろしかったら以下から登録(無料)して頂ければ幸いです。
 https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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◇フード・マイレージ資料室 … 続きを読む

【ブログ】水俣と福島-311子ども甲状腺がん裁判

2022年6月11日(土)は曇り。やや蒸します。

久しぶりに東京・池袋の立教大学へ。会場のタカッターホールの前には、12時30分の開場前から行列ができていました。
 この日開催されたのは「水俣と福島」と題するイベント。映画「MINAMATA」の上映と「被ばくと子どもたちの甲状腺がん」についてのトークです。… 続きを読む

【ブログ】2022年6月の「今夜もご機嫌@銀座で農業」

2022年6月6日(月)の梅雨入り以降、東京地方は雨がちで肌寒い日が続いています。時候は二十四節気の芒種(ぼうしゅ。稲などの穀類の種を播く季節)です。

 9日(木)も雨が落ちてきそうな曇り空。
 終業後、お茶の水駅聖橋口で開催されているサンクレールマルシェへ。毎月第2・第4の木・金曜日、全国各地のこだわりの特産品などが販売されています。… 続きを読む

【ほんのさわり】西川芳昭『食と農の知識論』

−西川芳昭『食と農の知識論-種子から食卓を繋ぐ環世界をめぐって』(2021/2、東信堂)−
 https://www.toshindo-pub.com/book/91638/

1960年、奈良県の採種農家に生まれた著者は、大学で作物遺伝学を専攻し、現在は龍谷大学において、重要な遺伝資源である種子の持続可能な保全と利用方法等について社会経済的な観点から研究されています。

近年、SNS等において不安を煽るような誤った断片的な情報が氾濫しています(在来種の自己増殖が禁止される、多国籍企業による遺伝子組み換え種子に席巻される、かびないパン、食べてはいけない・・・等々)。そして、これらに騙され信じる人が増えていることを著者は強く憂慮しているとのこと。
 例えば、主要農作物種子法の廃止や種苗法改正に反対する主張には、科学リテラシーや法律知識が不足しているものが多く、なかには明らかに非科学的なデマ(問えばF1が少子化につながる等)もあると著者は指摘します。… 続きを読む

【ブログ】湘南小麦刈り体験(麦踏み塾、神奈川・伊勢原市)

自宅近くに一画を借りている市民農園では、春夏野菜がすくすくと育っています。キュウリは最初の収穫も。
 初めて植えたズッキーニは大きな葉っぱと花。実が太くなってきました(面白いな)。

2022年6月5日(日)は曇り空の下、神奈川・伊勢原市へ。
 初めて伺いましたが、実は私にとって「聖地」の一つです(後述)。

この日は「… 続きを読む

【オーシャン・カレント】高値が続くたまねぎ

農林水産省は、毎週、小売店における主な野菜価格の動向を調査し公表しています。
 具体的には、キャベツ、ねぎ、レタス、ばれいしょ、たまねぎ、きゅうり、トマト、にんじんの8品目を対象に、毎週1回、各都道府県10店舗の量販店(全国470店舗)を調査員(農林水産省が委託する民間調査機関の調査員)が訪問して調査しているものです。

去る5月24日に発表された最新の調査結果によると、5月16日の週(16〜18日)のたまねぎの小売価格(全国平均)は1kg当たり550円と、前週に比べると5%低下したものの、平年(過去5年平均)の2.2倍という高い水準で推移しています。
 これは、最大の産地である北海道において、昨年夏の干ばつの影響で収穫量が減少したことに加え、後続産地である佐賀など西日本産地においても低温や干ばつの影響で肥大が進んでいないためです。また、作付けを中止した高齢農家等が多かったことも影響しているとも言われています。
 さらに、輸入価格についても、最大の輸入相手国・中国のロックダウンの影響により上昇しています。… 続きを読む

【豆知識】農産物価格と生産資材価格の推移

輸入食料(及び輸入食料を原料とした加工品)の値上げが続くなか、国内農産物の価格は総じて低迷が続いていますが、一方で、国内の農業生産に必要な資材の価格は上昇しています。
 リンク先の図243は、国内の農産物価格指数と農業生産資材価格指数の推移を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2022/05/243_kakakusuii.pdf
 
 これによると、2022年3月の農産物価格指数(2015年=100)は総合で111.3と、近年ほぼ横ばいで推移しています。
 しかし米については、2019年頃に比べると20%以上低下しており、逆に野菜価格については、最近、上昇がみられます(次の「オーシャン・カレント欄」参照)。… 続きを読む