【ブログ】ぶらり歴史散歩~岡山路(1/2)

久しぶりに岡山へ。
 40年ほども前ですが、大学時代の4年間を過ごした地であり、妻の実家もあります。

2023年8月18日(金)の終業後はJR東京駅へ。
 台風7号の接近・通過に伴って前日までダイヤが大幅に乱れていた東海道新幹線も、この日は平常運転で一安心。駅はUターンで混雑していますが、博多行き18時12分発のぞみ57号には空席も。
 大きな焼き鯖のお弁当とビール。21時25分定刻に岡山着。タクシーで妻の実家へ。… 続きを読む

【ほんのさわり273】阮 蔚『世界食料危機』

−阮 蔚『世界食料危機』(2023.9、日経プレミアシリーズ)−
 https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/22/08/08/00308/

著者(るあん・うえい氏)は中国・湖南省生まれ。上海外国語大学日本語学部を卒業し上智大学大学院で経営学修士を修了。現在は農林中金総合研究所の理事研究員を務めておられます。
 著者は農業調査のために世界を回る中で、アメリカ等の大規模で工業化された農業と、途上国などの零細個人農家の間に埋めがたい格差があることに気付きました。… 続きを読む

【オーシャン・カレント273】スプーン(平和祈念展示資料館)

去る8月13日(日)、東京・新宿にある平和祈念展示資料館を初めて訪ねてみました。
 企画展「43人が描く空想未来漫画『2100年8月15日』」と、漫画を描くワークショップが開催中(10月1日まで)で、小さな子どもを連れた家族連れ等が多数来場していました。
 シベリアの収容所で乏しい黒パンを切り分けている場面を描いたジオラマは、抑留者たち全員の目がその手元を見つめています。来場者の男の子も、真剣な表情で眺めていました。

特に印象に残ったのが、数多くのスプーンなど食器の展示でした。
 抑留者たちは、いつの日か故郷に帰り、腹いっぱい食べることを信じて食器を手作りすることで、明日への生きる望みをつないでいたそうです。… 続きを読む

【豆知識273】米の生産・消費量と食料自給率の推移

戦中戦後は、日本の歴史上もっとも深刻な飢餓に見舞われた時代でした。
 米は1941年4月に配給制に移行し、成人の配給量は一人一日当たり二合三勺 (約330g)と定められました。これを1年間に換算すると約120kgになります(1945年には約108kgに削減)。
 遅配・欠配が常態化していたとはいえ、実はこの量は、現在の米消費量(50kg超)の2.3倍に当たります。それでも、多くの戦災孤児等が飢えて亡くなっていきました。
 添付先の折れ線グラフにあるように、米の消費量は、現在まで一貫して減少しています。… 続きを読む

【ブログ】基本法見直しと食料安全保障、スプーンの記憶

猛暑続き、時々ゲリラ的豪雨。大型で強い台風6、7号が連続して接近。
 自宅近くの市民農園では、美味しかったトマトはほぼ終了。ナスは大豊作、オクラやピーマンも豊作。3個目のスイカは近く収穫予定。
 福島・いわきで種を頂いてきたコットンは、清楚で綺麗な花を咲かせています。

2023年8月9日(水)の終業後は、東京・京橋にある中央区立環境情報センター続きを読む

【ほんのさわり272】福岡伸一、伊藤亜紗、藤原辰史『ポストコロナの生命哲学』

−福岡伸一、伊藤亜紗、藤原辰史『ポストコロナの生命哲学』(2021.9、集英社新書)−
 https://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/1085-c/

生物学者、美学者、歴史学者による論考と鼎談により、現在の政治、経済、社会、科学からは「いのち」に対する基本的態度(「生命哲学」)が抜け落ちていることに警鐘を鳴らしている本です。
 「ウィルス同様、自らの身体も制御不能な自然物。ウィルスとは共生するしかない」と断じる生物学者(福岡)、「今こそ自然に耳を研ぎ澄ませて、効率優先の食と農のシステムを見直すチャンス」とする歴史学者(藤原)など、多くの示唆に富む本書ですが、今号のメルマガで特に紹介したいのは、美学者・伊藤亜紗の論考です。

障がいのことを考える時、本書等で伊藤が紹介する「はとバスツアー」のエピソードが、私の頭から離れることはありません。… 続きを読む

【オーシャン・カレント272】NPO法人ユメソダテ(東京・世田谷区)

2018年に設立されたユメソダテの理念は、社会がユメ(夢)を育て、ユメが人を育て、人が社会を照らす循環づくりです。
 知的・発達障がいのある方(当事者)の認知発達を促すフォイヤーシュタイン教材やブレインジム(体操)の体験会、障がいのある方のための「お買い物体験講座」、千葉大学とコラボしてのニコニコみかんソースの製造・販売など、幅広い活動をされています。
 また、2022年10月に開園した夢育て農園(世田谷区)では、障がいのある方々を対象に、畑作業をしながら認知・身体機能を高める「人を育てる畑コース」を設け、毎週木曜日には支援者の方々とともに認知身体発達の取組みと併せて畑作業を行っています。また、順天堂大学等と連携し、畑作業等が心身の状態を改善していることについてのエビデンスの収集・発表も行っています。

理事長の前川哲弥さんは1962年生まれ。農林水産省、経済協力開発機構(OECD)勤務を経て、現在は家業の精密機器運送業を営みつつNPO活動に勤しんでおられます。
 知的障がいのあるご子息の将来の自立に不安を感じていた前川さんは、障がいのある当事者の方々にお話を伺ったそうです。すると、何人かの方が「ユメ」(希望、目標など)を生き生きと語られたとのこと。「社会がユメを育て、ユメが人を育てる」ことに気づき、仲間とともにNPOを立ち上げたのだそうです。… 続きを読む

【豆知識272】知的・発達障がい者の農作業によるストレス軽減効果

近年、農福連携の取組み(障がい者等が農業分野で活躍することを通じ、自信や生きがいを持って社会参画を実現していく取組み)が広がっています。
 農作業は、障がい者等のストレスを減らす効果がある(「農の福祉力」)とされていますが、順天堂大学大学院 緩和医療学研究室、NPO法人ユメソダテ、都城三股農福連携協議会は、そのことを実証するため、「農作業によるストレス軽減テスト」を実施しました(2023年3月)。
 添付先のグラフは、その結果を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2023/08/272_noufuku.pdf続きを読む

【ブログ】2023年の集落総出の草刈り(新潟・大賀)

2023年8月5日(土)は、新潟・上越市大賀集落の総出の草刈りの日。私は2016年7月以来、久しぶりに参加させて頂くことに。

 始発に乗り、5時半頃に西武新宿線・井荻駅前でたかった氏に拾ってもらいました。もう1名と3人で関越道へ。いつもより時間が早いこともあるのか空いています。
 7時前に赤城高原SAでいったん休憩。やがて関越トンネルを抜け、越後湯沢ICで降りて… 続きを読む