【ほんのさわり】本田由紀『社会を結びなおす』


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本田由紀『社会を結びなおす-教育・仕事・家族の連携へ』(2014/6、岩波ブックレット)

実証的な教育社会学を専門とする本田先生が、「私たちが今、立っている場所」「日本社会のかたち」 を俯職的に把え、目の前に迫っている「社会の維持さえ難しくなっているような危機」に警鐘を鳴らしています。
 本田先生の目に映っている現在の日本社会とは、例えば「粗雑な『改革』が思いつきのようにばらばらと実施され」「締め付けや精神論が持ち込まれ」「うまくいかない状況をごまかすために分かりやすい『敵』を見つけ出して叩くことでうっぷんを晴らそうとするような振る舞いが広がっている」といったものです。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】スマホアプリ「ポケットマルシェ」


 「食べる通信」とは、食のつくり手を特集した情報誌と、彼らが収穫した食べものがセットになって定期的に届く“食べもの付き情報誌”で、現在、全国各地から38通信が発行されています。
 2016年9月、その「食べる通信」から新しいサービスとして誕生したのがスマホアプリ「ポケットマルシェ」(愛称:ポケマル)。
 各地の「食べる通信」で特集した方など100名以上の全国の生産者(農家や漁師さん)から、スマホやパソコンで旬の食材を直接買うことができるというものです。

ポケマルが目指すのは、お互いの顔が見えるマルシェやファーマーズマーケットの世界。
 一方的に食材をネットで購入するだけではなく、生産者からお勧めの食べ方を聞いたり、こちらから感想を伝えたりすることができるのです。… 続きを読む

【豆知識】低下する卸売市場経由率


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現在、全国には64の中央卸売市場(例えば東京都では築地、大田など)、1,081の地方卸売市場(練馬、国立など)があります。
 これら卸売市場は、多種・大量の物品の効率的な集分荷、透明性の高い価格形成などの機能を有しており、生産者に対して安定的な販路を提供すると同時に、消費者に対しては日々の食料品を供給するという役割を果たしています。
 このため、野菜、果物、魚、肉など生鮮食料品の多くが卸売市場を経由して流通しています。

図78は、卸売市場を経由して流通している生鮮食料品の割合(卸売市場経由率)を示したものです。… 続きを読む

【ブログ】江戸東京野菜を食べよう!「おいねのつるいも」

2017年7月25日(火)の夕刻は東京・新宿の都庁へ。
 だいぶ日が短くなってきました。手続きをして一時通行証をもらい、エレベータで32階に昇ると素晴らしい眺望が広がります。

都庁職員食堂の入り口には、おいしそうなジャガイモ料理のディスプレイ。
 昨年、江戸東京野菜に追加認定されたばかりの「おいねのつる芋続きを読む

コツコツ小咄まとめ(2017.7/18~21)

2017.7/18(火)
 突然の雷雨に(一部ではヒョウにも)に見舞われた連休明けのコツコツ小咄。
「それにしてもホークスは強いね。爪のあかを煎じて飲ませてもらいたいよ」
「辛いから止めた方がいいよ。鷹の爪は」

撮影地:東京・東村山市(2015.8/11)… 続きを読む

【ブログ】本田由紀先生「日本社会の現状と課題」

2017年7月16日(日)。
 北九州等では豪雨で甚大な被害が出ているにもかかわらず、東京地方はさっぱり雨が降りません。
 自宅近くに一画を借りている市民農園の土もパサパサ。農家の方の苦労とご心労が気がかりです。
 それでもこの日は初物のスイカを収穫。割ると真っ赤、甘くて美味でした。

午後から東京・四ツ谷の上智大学へ。… 続きを読む

【ほんのさわり】國分功一郎『暇と退屈の倫理学』


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-國分功一郎『暇と退屈の倫理学』(増補新版、2015/3、太田出版)-

読書の醍醐味の一つは思いがけず刺激的な本に巡り会うことです。本書も奇抜なタイトルにひかれて読み始めたのですが、ぐいぐいと引き込まれました。
 440ページに及ぶ哲学・倫理学書を簡潔に紹介する力量はありませんが、ポイントは概ね以下のようなものです。
 人間は部屋でじっとしていられないため、熱中できる気晴らしを求める。それが全ての不幸の源泉となる(ファシズムやテロリズムにさえ通じる)。現代の消費社会はそこにつけ込んで、現代人は「終わりなき消費のゲーム」を強要され、その結果、私たちは「非人間的状況」(疎外)に陥ってしまっている。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】かんちゃんファーム体験農園

池袋から約1時間半という通勤圏ながら、丘陵に囲まれた緑豊かな地である埼玉・鳩山町に「かんちゃんファーム体験農園」はあります。
 農園主の閑野智道(かんの・ともみち)さんは埼玉・北本市のご出身。農業を志して公務員を退職、北海道や埼玉・小川町、地元の鳩山町での農業研修を経て2013年1月にこの地で新規就農されました。
 「自然の恵みから生まれた旬の農産物を通じて幸せの輪を広げたい」というモットーの下、約1.3haの農地で少量多品種の野菜等を有機栽培されています。近隣の天然原料(乗馬クラブの馬糞、豆腐屋のおから等)を用いた堆肥作り・土作りにも取り組んでおられます。
 生産された野菜等は、飲食店や個人への直売(宅配)のほか、毎週日曜日には仲間と開設した直売所(ときのこや)でも販売されています。

そのかんちゃんファームが、体験農園としての活動を本格化しつつあります。… 続きを読む

【豆知識】消費者への直接販売に取り組む農家


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2015年農林業センサスでは、農業生産関連事業を行っている農業経営体数についても把握しています。ここでいう農業生産関連事業とは、農産物の加工、消費者への直接販売、体験農園、観光農園、農家民宿、農家レストラン等のことで、これらいわゆる「六次産業化」は所得の向上と安定化に貢献するものと注目されています。

農産物の加工に取り組んでいる経営体は、全体の2%です。
 これを農産物販売金額規模別のグラフに表したものが図77の青い棒グラフで、規模が拡大するにつれて加工に取り組んむ経営体の割合が上昇していることが分かります。

これは、農産物加工に取り組むためには加工施設や機器など設備投資が必要であるため、ある程度規模が大きな経営体でなければ取り組むことが困難であるという事情を反映しているものと思われます。… 続きを読む

【ブログ】比企ツーリズム(歴史)講演会

東京地方は、本当に雨が降りません。まだ梅雨は明けませんが、連日、猛暑が続いています。
 そんな2017年7月14日(金)の夕方は東京・池袋へ。
 改築された豊島区地域活動交流センター4Fの会議室(綺麗な部屋です)で19時から開催されたのは、比企ツーリズム(歴史)「武蔵武士の背景と舞台」と題する講演会。… 続きを読む