【ブログ】藤原辰史先生「『雑多なもの』の賑わいを求めて」

自宅近くに一画を借りている市民農園。
 今年は(今年も?)天候は不安定ですが、トマト、ナス、キュウリ、ジャガイモなどの花が咲き揃い始めています。

2018年5月20日(日)は東京・お茶の水の全労連会館ホールへ。
 この日13時30分から開催されたのは、「『雑多なもの』の賑わいを求めて-暴力と破壊の世紀を振り返りながら続きを読む

【ほんのさわり】日本フードシステム学会 監修『医福食農の連携とフードシステムの革新』


日本フードシステム学会 監修、斎藤修・高城孝助 編著『医福食農の連携とフードシステムの革新』(2018/3、農林統計出版)
 http://www.afsp.co.jp/syoseki-annai.html#040533

高齢化の進行は日本のあらゆる分野に大きな影響を及ぼしていますが、食との関連をみると、在宅高齢者の約40%は低栄養であり、70歳以上層においては20~30%が「個食」とのこと。また、高齢者を中心とした「買い物難民」の問題が顕在化する一方、介護食の市場規模は、今後、大きく拡大することが見込まれています。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】銀座農業コミュニティ塾


 銀座農業コミュニティ塾は、前身ともいえる銀座農業政策塾(2016年まで5期にわたって開催)の塾生を中心に、昨年(2017年)11月に立ち上げられました。

その最終的な目的は、自然や生命を大切にする持続可能な農的社会のライフスタイルの実現です。
 それに向けて、会員自らがそれぞれの現場で農に親しみ、食を豊かにする取組みに参画・寄与していくことを支援するため、塾として、勉強会や交流会の開催、現地見学、情報発信等を行っています。

塾長は高安和夫さん(銀座ミツバチプロジェクト)、代表世話人は蔦谷栄一先生(農的社会デザイン研究所)、事務局長は黒田浩介さん(CSA青山)が務められています。

昨年11月の発足以来、これまで3回の勉強会を開催してきました。… 続きを読む

【豆知識】伝統野菜のCO2削減効果(加賀野菜)


 2回ほど中断していましたが、再びフード・マイレージ指標を活用した輸送に伴う二酸化炭素排出量の削減効果についてのケーススタディを紹介します。
 長距離輸送された大量の輸入食料に依存している私たちの食生活は、その輸送に伴って大量の二酸化炭素(CO2)を排出することで、地球環境に相当の負荷を与えています。
 地産地消の取組みは、輸送に伴う二酸化炭素排出量を削減するという意味でも有意義なものであり、フード・マイレージ指標を用いることによって、その効果を定量的に把握することができます。

リンク先の図97の写真は、加賀野菜等(源助大根、金沢春菊、能登豚等)を用いた献立です。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2018/05/97_kaga.pdf続きを読む

【ブログ】舟で海から東京湾あるき

いつも拙い絵日記(ブログ)を読んで下さり、有難うございます。
 もちろん、個人的な備忘の意味も込めて楽しみで書いているものですが、時に思い出して、改めてワクワクしながら書く場合もあります。今回の「東京湾散歩」もその一つ。

2018年5月13日(日)は早朝5時半に起床。生憎と崩れるとの予報です。

りんかい線・天王洲アイル駅についたのは7時半過ぎ。余裕を持って歩き始めたのですが、集合場所のバス停に辿りつかず。グー○ルマップの表示は違っており、コンビニで聞いても分からず(親切に地図まで出してきて調べて下さったのですが)、結局、眞鍋さんに電話して迎えに来て頂きました。
 遅刻してスミマセン。… 続きを読む

【ブログ】銀座農業コミュニティ塾 第3回勉強会

おおむね好天に恵まれた2018年のゴールデンウィーク。
 自宅近くに一画を借りている市民農園には夏野菜(キュウリ、トマト、ナス、インゲン、オクラ、ゴマ、トウガラシ等)を播種・作付け。

玄関先に置いたプランタのスダチは、今年はたくさんの花を付けてくれています。秋が楽しみ。
 街ではカキツバタ、キショウブなども目を楽しませてくれます。

5月8日(火)は午後から本降りに。… 続きを読む

【ほんのさわり】五十嵐泰正『原発事故と「食」』


-五十嵐泰正『原発事故と「食」-市場・コミュニケーション・差別』(2018/2、中公新書)-
 http://www.chuko.co.jp/shinsho/2018/02/102474.html

著者は1974年千葉・柏市生まれの筑波大学大学院人文社会系準教授(都市/地域社会学)。
 原発事故でホットスポットとされた千葉・柏市で「安全・安心の柏産柏消」円卓会議事務局長を務められた時の経験は、編著『みんなで決めた「安心」のかたち』(亜紀書房)としてまとめられています(これも多くの示唆に富む本です)。

本書では、東日本大震災から7年以上が経過し、「風化」と「風評の残存」が同時進行するという複雑な状況にあるという認識の下、まず、福島県産農水産物の「風評」被害が市場の中で固定化されていくメカニズムが分かりやすく分析されています。例えば、季節性や保存性、あるいは代替産地の有無の点でキュウリと米は違う状況にあることがデータに基づき明らかにされます。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】福島県産農産物等流通実態調査


 -2017年度 福島県産農産物等流通実態調査(農林水産省)-

農林水産省は、2018年3月、福島県産農産物等の販売不振の実態と要因を明らかにするため、主要品目の流通実態を調査した結果を公表しました。

米、青果物(桃、きゅうり等)、畜産物(牛肉、牛乳等)、きのこ、水産物(かつお、ひらめ等)20品目について、生産・流通・販売に携わる事業者及び消費者を対象として、ヒヤリング及びアンケート調査(インターネット及び店頭)を実施したものです。
 また、統計データにより福島県産農産物等の販売量や価格の変化についても分析されています。… 続きを読む

【豆知識】回復していない福島産米の価格


 東日本大震災と原発事故から7年以上が経過し、多くの人の関心が薄れつつあるなかで、福島県産農水産物に対するいわゆる「風評」被害は現在も解消されていません。
 その状況は品目等によって千差万別なのですが、ここでは特に米の価格に着目します。

リンク先の図96は、福島県産コシヒカリの相対(あいたい)取引価格の推移を示したものです。なお、相対取引価格とは、全国の出荷団体等と卸売業者間の取引価格です。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2018/04/96_aitai.pdf

これによると、震災前は全国全銘柄平均とほぼ同水準にあった中通り、浜通り地方のコシヒカリの相対価格(全国全銘柄平均=100)は、2011年以降、大きく低下したことが分かります。その後、最近は上昇しているものの、特に浜通り産については震災前の水準にまで回復したとは言えません。… 続きを読む