【ブログ】髙坂勝さん「適疎へ」(脱成長MTG)

2021年2月も後半。寒暖の激しい日が続きます。記録的な少雨で栃木・足利では大規模山火事も。
 蠟梅(ロウバイ)、辛夷(コブシ)、山茱萸(サンシュユ)など、低木に咲く黄色い花が目を楽しませてくれています。

2月23日(火、休日)の13時30分から、第21回脱成長ミーティングが開催されました。 … 続きを読む

【ほんのさわり No.211】田尾陽一『飯舘村からの挑戦』

−田尾陽一『飯舘村からの挑戦−自然との共生をめざして』(ちくま新書、2020.12)−
 https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480073631/

著者は1941年神奈川県生まれ。東京大学大学院で物理学を専攻した後、ITベンチャーを起業し、大手セキュリティ会社の役員まで務めらた方。エネルギー研究者になった背景には、4歳の頃に広島市郊外に疎開した時に原爆の光を目撃した原体験があるそうです。

2011年6月、原発被災地を訪ねた著者たちは、全村避難指示が出されていた福島・飯館村の地元の農家の方たちと連携して「ふくしま再生の会」を立ち上げました(翌年にNPO化)。それから何度も現地を訪ね、村内の放射線量の測定活動を始められたのです。それから10年、住民目線で原発被害地域の再生に取り組んでこられました。
 なお、著者は2017年に避難指示が解除された直後、飯舘村に移住されています。… 続きを読む

【ブログ】人をつなぐ食(祖師ヶ谷大蔵~高円寺~山口・下関)

2021年も時候は立春から雨水へ。例年以上に気温の変動が激しいようです。

2月18日(木)の夕刻は、国際人権NGO ヒューマンライツ・ナウ(HRN)主催のウェビナー「ミャンマー軍の国際人権・人道法違反と企業の責任を考える」を視聴。 
 今回のクーデタの背景と国際関係、ビジネスの人権に対する責任など多角的な議論が行われました(ロヒンギャ難民キャンプの子どもが描いた絵も紹介されました)。… 続きを読む

【オーシャン・カレント No.211】フラワーバレンタイン

間もなく迎えるバレンタインデーは女性が男性にチョコレートを贈る日として定着していますが、世界の多くの国では愛や感謝を伝えるために花を贈る習慣があるそうです。

 日本でも(一社)花の国日本協議会の呼びかけにより、今年も「フラワーバレンタイン」キャンペーンが行われています。
 ジェンダーに関わらず、様々な愛のかたちを「花」を贈ることで伝えようというもので、今年のキャッチフレーズは「花は自由なラブレター」。世の中がコロナ禍で重苦しい空気に沈むなか、大事な人に花を贈ってみてはいかがでしょうか。

ところで2017年11月に飯舘村を訪問させて頂いた際には、いち早く農業(花き栽培)を再開されたハウスを見学させて頂きました。3月末に避難指示が解除されたばかりの飯舘村に、トルコギキョウやアルストロメリアが色鮮やかに咲き誇っていたことが、強く印象に残っています。

(参考)… 続きを読む

【豆知識】原発被災地の人口移動の推移

10年前の東京電力福島第一原子力発電所の事故により、12市町村に避難指示が出され、多くの方が避難を強いられました。自主避難された方も多数おられました。

その後、避難指示は徐々に解除され、現在では汚染度が高い帰還困難区域(双葉町、浪江町、大熊町、富岡町、南相馬市、葛尾村及び飯舘村の一部)を除き避難指示はすべて解除されています。
 なお、東日本大震災と原発事故に伴う福島県から県外への避難者数は、最も多かった頃からは半減しているものの、現在も28,959人を数えます(2021年1月13日時点、福島県集計)。

さて、リンク先の図211は、原発事故に伴い避難指示が出された12市町村の転出入者数の推移を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2021/02/211_juminidou.pdf続きを読む

【ブログ】ミュニシパリズムの経験から学ぶ(縮小社会研究会)

2021年2月13日(土)の夜には、10年前を思い出させるような福島県沖地震。
 2日後の15日(月)は東京地方は久々の本格的な雨になりました。家屋等が被害を受けた被災地にもかなりの雨が降ったようです。
 東京地方は午後には晴れ間が広がり、夕方には虹が現れました。

 前日(14日(日))20時からはネーネーズ続きを読む

【ブログ】新しい年。そして10年後の被災地。

2021年1月12日(金)。和暦(太陽太陰暦)でも年が改まりました。
 新型コロナウイルスの新規感染者数は減少傾向ながら、10都府県には引き続き緊急事態宣言が継続中。新しい年はどのような年になるのでしょうか。
 梅や河津桜が咲き誇る季節が巡ってきました。

2月8日(火)は奥沢ブッククラブ(第64回)続きを読む

【説明資料】大江正章さん『有機農業のチカラ』から学ぶ(市民研入門講座)

2021年2月1日(月)、NPO市民科学研究室(市民研)の入門講座における説明資料です。
 故・大江正章さんのご遺稿をもとに、コロナ禍のなか、あるいはこれからの食や農のあり方について、参加者の皆さんと意見交換しました。
 有機農業的感性(センス)が求められています。
https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2021/02/210201_shiminken.pdf

当日の模様は、以下(拙ブログ)から。… 続きを読む

【ほんのさわり No.210】水野和夫『資本主義の終焉と歴史の危機』

−水野和夫『資本主義の終焉と歴史の危機』(集英社新書、2014/3)−
 https://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0732-a/

著者は1953年愛知県生まれ。証券会社のエコノミスト、内閣官房内閣審議官等を経て2017年から法政大学法学部教授。
 実業と政策にまたがる幅広い実務経験を有する著者は、「資本主義の死期が近づいている」と主張します。

その根拠として用いているのが「交易条件」です。… 続きを読む

【オーシャン・カレント No.210】2020年の貿易収支

1月21日(木)に財務省が発表した2020年の貿易統計(速報)によると、全体の輸出額は68.4兆円、輸入額は67.7兆円と、前年に比べそれぞれ11.1%、13.8%と大幅に減少しました。いずれも2年連続の減少です。
 輸出については、米国向けを中心とした自動車等が大きく減少し、リーマン・ショックの2009年の33.1%以来の減少幅となっています。一方、輸入については海外に依存している原油の価格が下落したことが大きな理由です。
なお、貿易収支(輸出額−輸入額)は3年ぶりの黒字(7千億円)となっています。

新型コロナウイルスの感染拡大により世界全体の経済活動が低迷し、日本の貿易収支にも大きな影響を及ぼしています。貿易立国という日本の「国是」は見直されるべき時代を迎えているのかも知れません。

(参考)… 続きを読む

【F.M.豆知識】日本の国際競争力の推移

本年1月8日(土)付けの日本経済新聞「大機小機」欄。
 「貿易立国の日本にとって世界貿易の自由化は最重要課題である。しかし、その大きな障害が、自国農業の生産性の低さと対外競争力の弱さだ」
 久々の日経らしい切れ味鋭い(?)コラムに触発されて、日本の国際競争力について調べてみました。

国際競争力を測る簡単で代表的な指標として、以下の数式で計算できるものがあります(ここでは仮に「国際競争力指指数」と呼びます)。
  国際競争力指数=(輸出額−輸入額)/(輸出額+輸入額)… 続きを読む